赤と青ときいろと白
ざざーん、ざざーん
ジーワジーワ、ジクジクジク
ジリジリと照りつけるような日差しの日でした。
ざざーん、ざざーん
ジーワジーワ、ジクジクジク
カリカリと爪で床を引っ掻くような日でした。
澄み渡るようなお空は真夏の入道雲さえ見あたらない快晴で、真っ青なその先に引きずり込まれそうな蒼天でした。
透き通るような砂浜には、何度もさざ波が訪れて、引きずり込まれた砂がコバルトブルーの海にアイボリーの泡を作りました。
揺らめく陽炎の中で一輪の向日葵みたいに、君はまるで暑さなんて無いようにそこに居る。
「今日も暑いね」
言いながら握ったその手はひんやり冷たくて、けれど血の通った暖かさのようなものを奥に感じた。
「今日は何をしようか」
クルリと振り返った彼女の動きに合わせて、真っ白なフリルのワンピースが踊る。
お姫様のように可愛いと感じて、ほんの少しだけ見惚れてしまう。
「どうしたの?体調悪い?」
イジワルな笑顔で、分かったような顔で聞いてくる。
気恥ずかしくて顔を背けても、ニンマリとした彼女の笑みが眼に浮かぶ。
日差しを遮るように彼女の影が僕の体を覆った。
「ねえ、明日も遊べる?」
子供の夏の終わり
カレンダーがめくられる8月31日に、明日の約束を交わした。