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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

自分がつよつよになってしまったTS君ちゃん

作者: おいごらくん

(あぁ…死ぬのか...僕...案外考える余裕あるな!...)


そう思った。そしてそれがこの人生最後の思考であった。


――――――――――――――――――――――――




僕は垣根琴渚(かきねことな)。高校1年生!

今僕はこれから通う高校の始業式に来ています!


(わー!綺麗な校舎...これからどうなるんだろ...)


今年から新しく出来た摩田美(またび)高校。ここに通うことになった1期生の僕。

敷地は広く、新しく出来たので汚れはなし、白を基にして校舎は立てられており庭や食堂、屋上まで付いておりさらにそこに店まであるという。もはやロマン。自由に歩けるようになったら最初の方に行きたい一つである。


(でけー!1回下見に来たことあるここにこれから通うのか!わくわくするー!)


辺りを見渡すと琴渚と同じ新入生達がぞろぞろといた。


(はぇー...カッコイイ人が多い...あっ!あの子かわいい。うん?あの子綺麗だなー...)


辺りをじろじろキョロキョロみていた琴渚。ふつうに変人だった。


「あのー、何か捜し物ですか?」


「えっ?...あぁ!いやちょっと大きさとか人の多さに気圧されてて...」


「そうなんですか!すみません...いきなり声掛けて...しょうがないですよね!この辺じゃほぼ最大級の規模ですからねー」


「まぁ、この大きさにも惹かれてやってきたんですけどねあはは...」


(やべぇ!会話続かない予感!初対面の人との話どうすればいいの!?焦る!)


「あー...っとそうだ。自己紹介しましょう!俺...んんっ、僕は祈条春溜(きじょうはる)よろしくね!」


「祈条くんだね!僕は垣根琴渚よろしくね!」


「よろしくー。そうだ!どうせなら始業式一緒にいかない?」


「うん!全然OKだよ!」


お互いに挨拶を終え共に始業式会場に行く途中お互いに少しは話せるようになってきた頃。


「そういえばさ、祈条くんさっき俺って言ってたよね。僕って言わなくても話しやすいなら一人称俺でいいのに」


「うっ...」


(あれ?もしかして僕何かやっちゃいました?{自覚あり})


「いやいや!何か事情があるならね?いいんだよ?僕でもね?」


(なぜ上からになるのか...僕自身これが分からない)


ちなみにテンパっていた。


「いや...別にいいんだ...ただ前のクラスメイトに話し方が変と言われてね...」


(話し方がへん?『俺』で?違和感なく今は喋れてるからちょっと方言とか入ってたのかな?)


「そ、そうなんだ...でも今は普通に喋れてるからOKOK!」


「いや、でもやっぱり何かいつもの喋り方じゃないと落ち着かない...」


「じゃ、じゃあ前の喋り方でも...」


「それは...皆から何か言われるかもしれない...」


(めちゃくちゃ気にしてるー!前のクラスメイトどれ程言ったんだよ!ちょっと女々しくなってるじゃん!)


「大丈夫だよ!逆に最初からその喋り方にしておく方が後々楽だよー!...たぶん...そ、それに...」


「それに?」


(ちょっとまって?これ言っていいのか?なんか変じゃないか?まっええか!)


「祈条くんかっこいいから多少変でもキャラのうちだよ!」


「.....」


(...これ大丈夫か?まずくない?)


「...くっ...ははは!!」


「えっ?」


「ははは!!うん...そうか!それは初めて言われたよ。...多少変でも...ふっ...ははは!!」


「えっ!そんなにおかしかった?って笑いすぎ!」


「いやーすまんすまん。わかった。俺もいつも通りの喋り方にするよ。」


「良かったー。ん?でも全然変じゃなくない?」


「そうか?それは俺の考えすぎだったのか?」


「きっとそうだよ。その人も悪ノリで言ったんだと思うよたぶん」


この時の僕は知らなかった。喋り方が変じゃないんだって...


「おい、琴渚少し急ごう!あまり時間がない。」


「えっ名前...」


「なんだ嫌だったか?」


「そういう訳じゃないけど...」


「じゃあいいな!これから琴渚って呼ぶからな。俺の事も春溜って読んでくれ。」


「うん...わかった!春溜くん!」


「距離があるがまあいいっか...それより急ごう!」


「OK!行くよ!」


こうして僕の華やかな一日は始まったのだった。

綺麗なものはいずれは朽ちるのだと知らずに...



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