開店準備!
あれからあっという間に時は流れ。
ついに今日は、待ちに待った駄菓子屋・・・・・・じゃなくておやつ屋さんの開店日である。
商品の陳列等は午前中にシェリル先輩と初日にスープを持ってきてくれた女性が手伝ってくれた。
なんとその女性はシェリル先輩のお母さんだった。
名前はナーラさん。
魔女の宅〇便に出てくるパン屋のお母さんみたいに優しさと強さを兼ね備えた感じの人で、顔はシェリル先輩と似ている気がする。
三人で陳列するのもあれなので、私が配置を指示を出して二人が動くという連携がとれたおかげで思ってた以上に早く終わらせることができた。
店名が書かれた木製の立て看板を外に出して、全ての開店準備は整った。
「ありがとうございました。これ、お礼と言ってはなんですが貰ってください。」
「そんな気にすることないよ。それにこれは売り物だろう?勝手に渡すのは不味いんじゃないか?」
「これは私からの気持ちです。少しですけど、お金は私が払ってありますので平気です。」
お礼としては少ないだろうけど、透明な小袋にコロコロと10粒ほど入った金平糖と金貨チョコ二枚を二人に手渡した。
「そうかい。じゃぁ遠慮なく頂くよ。ところで・・・貰っておいて聞くのも失礼かもしれないけどこれはなんだい?」
手渡された金平糖と金貨チョコを不思議そうに見つめるナーラさん。
「小袋に入ったカラフルなのが金平糖で、硬貨のような形をしたのがチョコレートです。」
「からふる?こんぺーとー?ちょこれーと?」
「カラフルは色とりどりってことです。ほら、いろんな色があって綺麗でしょう?色も味も違う金平糖も売ってますが、ここにあるのは色が違うだけで味は全て同じです。ちなみに金平糖は砂糖で出来てるんですが上品な甘さが特徴です。チョコは子供から大人まで絶大な人気がある甘くて美味しいおやつです。」
「へぇ〜。じゃぁこれは二つとも食べられるんだ。」
シェリル先輩は金貨チョコをおもむろに口に入れた。
「あ!待って!金色の包みを剥がさないと!!」
制止の声もむなしくシェリル先輩は金貨チョコを包みごと噛んだ。
「ん?・・・ってうわ!なんかこの金貨グニュグニュした!しかも横から茶色い何か出てきてる!!あ・・・でもこの茶色いの甘い。え、何これ!?砂糖よりも甘いよ!!」
「どれどれ?・・・本当だね。とっても甘くて美味しいね!」
シェリル先輩とナーラさんは甘いチョコレートを煌々と見つめている。
よかった。
こっちの人も甘い物が好きみたい。
特に女性は甘いものには目がないからね。
二人はチョコレートを食べ終わると、下の子達の分もと言って金貨チョコを購入してくれた。