決心
ダダッダダッダダッダダッダダッダダッダダッダダッ………
「ウォ~~~~~~~~~!!!!!!」
狼の遠吠えと満月はよく似合う。
そして狼にとって満月の夜は非常に重要な夜なのである。
俺は弟子を失い再び一人となった。
いくら俺たちが群れの掟を破ったからと言っても、弟子を殺された以上許してはおけない。
弟子の…クロのためにも俺は今日この夜にすべての決着をつけようと決心した。
岩山の頂上に登りありったけの声を出して吠える。
すると案の定数匹の狼が近づいてきた。
だがやつらは所詮犬以下。大した相手ではない。
問題なのは群れの中で俺の次に優秀だった黒上だ。あいつはおそらく今の俺では殺しきれないだろう。
さすがの俺でもあれだけの狼と対峙したので数か所けがをした。そんなことはかまってられないことは分かっている。
でも、だからと言って、痛くないわけではない。
これぐらい、心の傷に比べれば大したことではないが、それでももう全速力では長くは走れない。
それでも、これは俺がやるしかない。それは分かっている。だから俺はここに立ったんだ。
そう何度も自分に言い聞かせ、俺は岩山からゆっくりと下りていく。
そして、
「さぁ、俺が相手してやるよ。」そういって俺は飛びかかっていった。
黒狼さんが手負いってヤバないすか……!?
これ、ヤバいんとちゃいますの!!?(笑)