謝罪
逆立つ体毛。輝く体毛。
白い体毛。黒い体毛。
荒い体毛。つややかな体毛。
それが俺と兄、黒狼に与えられた『違い』だった。
俺たちは同じ親から生まれ同じものを食べて育ってきた。
小さいころは一緒に遊んだ。
だが、全く違う育ち方をした。
兄は飯をまともに与えられなかった。実の親にさえもだ。
一方俺にはこれでもかというほどたくさん与えられた。
飯に限らずなんでもそうだ。
そこがこの結果を生んだのかもしれない。
しかし、それでは俺のほうが強くなるのが当然だ。
ではなぜこのような結果になったのか。
理由は簡単だ。
俺には今まで生きようという意思がなかった。
しかし兄には生きようとする意思があった。
だから強くなれたのだろう。きっとそうだ。
……なら、今からでも強くなれないかなぁ……おれは死にたくない。こんなところで死にたくない……こんなところで……死にたくは……
誰かが近づいてくる気配を感じた。きっと仲間のやつらだ……ん……この臭いは……黒狼か……なんでこっちに来るんだよ……
薄れゆく意識の中で黒狼は言った。
「すまなかった……」
こちらはこれから20時に投稿させていただきます。
まぁ、あと数話で終わる予感がしますがね(笑)
あ、でもこれが終わったらまた別のお話をこんな感じでやる予定ですので!!