血に塗れ、決意する。
くるみさんの日記を見てから、気まずくなり夏休み明けまで会うことはなかった。
気分はずっと暗く、ボーッとしてしまう時間が多い。ため息も時折吐いてしまう。
休み時間、達也が僕に近づいてきた。
「くるいと何かあったのか?」
「どうしてそう思うんだよ」
「いや、ずっとご執心だったから」
「……まぁ、間違ってないよ」
「どっちが?」
「どっちもだよ」
「詳細は聞かないけど、元気出せよ」
「……ありがとう」
達也の気遣いは嬉しく思った。それでも、まだ立ち直れそうにはなかった。
放課後、くるみさんに会うのが気まずいままで、そのまま帰ることにした。
昇降口に向かうと達也が待っていた。
「よっ」
達也は小さく手を挙げた。
「部活は?」
「今日は休みだ」
「そうなんだ」
「……久々に一緒に帰るか?」
「別にいいよ」
どっちの意味でも取れそうな曖昧な返事をした。
「それはイエス、ノーどっちだ? 」
「……イエス、だよ」
正直、どっちの意味で捉えてもらっても構わなかった。
達也と関わってもこの状況を打開できるとは思えなかったから。
でも、達也は数少ない友人の一人だ。あまり無碍にも扱えなかった。
僕たちは横並びに歩き始めた。
「そういや、一緒に帰るのは初めてだったな」
言われて中学時代のことを少し思い出した。
「中学でも今でも部活が違うからね」
「……俺たちっていつから仲良くなったんだっけ?」
また思い出そうとするが、欠片も思い出せそうにない。何かきっかけがあったとしても思い出すことはなさそうだ。
「覚えていないよ」
「そっか。そんなもんだよな」
達也もきっと同じだろう。彼は僕なんかよりずっと友達が多いし、社交的だ。数も多ければ記憶の波に埋もれてしまうだろう。数が少ない僕でさえ覚えていないのだから。
「案外、僕たちって仲良くはないのかもね」
数少ない友達ではあるが、仲が良いというほど関わりがあるわけでもない。一緒に遊びに行った回数もそんなに多くはない。親友と言うには薄い関わりだ。
「そうかもな。けど、友達には変わりないだろ。今でもこうやって話しているんだから」
少し驚いた。彼の言う通りだ。友達という関係には変わりないんだ……
「そうだね。それに僕は友達が少ないから達也みたいなのは貴重だよ」
「おい、俺を物みたいに言うなよ」
「別にそんなつもりはなかったんだけど……ごめん」
「お、おい謝るなよ。ただのツッコミだ。……お前って時々天然というか、変というか、妙な所あるよ」
「そうなのかな?」
自覚はないわけでもないが、言われたことはなかった。
「くる……いや、あの怖そうな先輩と普通に話してたりよ、妙に度胸があるところとか」
「遠藤さんのこと? あの人は確かに怖そうだけど良い人だよ」
「へぇ。例えば?」
「好きな人との約束をずっと守っているところとか」
どちらかといえば、もう過去形な感じがするけどそれは言わなくてもいいよな。
「なるほど。義理堅い人なんだな」
「そうだね。それ以上にその好きな人を好きすぎるだけでもある気がするけど」
「珍しくよく見ているんだな」
「……珍しくってどういうことだ」
「昔から他人に興味関心がないだろ、お前は」
否定はできない。
「それが高校に入ってからすぐに先輩方と積極的に関わっていて、その先輩について語れるんだから珍しくも思うだろ」
「確かに。僕は達也が何の部活入っているかも知らないし」
「お前なぁ……けど、三年以上身近に居た俺よりわかっている人が居るんだから大切にした方がいいんじゃないのか? それだけ大事ってことなんだろ?」
「大事かどうかはわからないよ」
「なら確かめてくればいいんじゃないか?」
「確かめるって言っても、どうやってするのさ」
「とりあえず、会って話してこい。コミュニケーションの基本だろ」
「でも、あの人たち学校に来てないよ」
「学校に来てないなら家に行けばいい。それだけの行動力がお前にはあるだろ」
正直、あの人たちはくるみさんのおまけ程度にしか思っていなかった。でも、自分が思っていた以上にあの人達に関心があったのかもしれない。それに、あの人達と話せば何かこの気持ちの解決の糸口が見えるかもしれない。
「ありがとう。達也はいいやつだな」
「何を今更。それはお前と初めて会った時からわかりきっていることだろ」
「そうかもな」
「そこは突っ込むところだぞ」
食い気味にそう言われた。
駅に到着した後、僕は寄り道をしてから帰るということでそこで別れた。
一人で悩んでも仕方ないんだと達也と話して理解した。だから僕は、篝さんの家に向かうことにした。
遠藤さんにも話したいわけだが、恐らく篝さんの家にいるだろう。そもそも、遠藤さんの家を知らないということもあるけど。
一応、ここから歩いていける距離にある。どうせ暇なんだから善は急げ、だ。
篝さんの家の目の前に来て改めて思う。とても静かだと。
ここの近くには子供が走り回って遊べそうな少し大きな公園もある。けど、人はいなかった。この住宅街に入ってから人も車ともすれ違わなかった。
何はともあれ、チャイムを押してみよう。しかし、押しても反応がない。音は確かに鳴っていた。けれど、出てくる気配は全くなかった。
今度は扉をノックしてみた。
「すいませーん。篝さんいませんか。須賀です。」
反応がない。
試しに扉を開けようとすると、開いた。鍵がかかってなかった。
「誰もいないんですか。おじゃましますよ」
恐る恐る、中に入った。
「篝さん、遠藤さん居ないんですか?」
靴を脱ぎ、部屋を探す。
どの部屋も綺麗に保たれていた。しかし、ご両親はどうしたんだろう?
一階を見て回ったあと、次は二階だ。
探すまでもなく、扉に『miho’s room』と書いてあった。
一度ノックする。
「須賀です。入りますよ」
少し待つが返事はなかった。開けてみると、誰もいなかった。けれど、部屋の中は荒れていた。本や雑誌が散らばっており、キャラクターものの人形なども無造作に置いてあったが、バラバラに分解されているものもあった。衣類も散らばっていた。どうもちぎれているものもあるみたいだ。
どうしてこんなに……
ベッドの上に目をやると紙切れが一枚置いてあった。そこには『篝は体育倉庫にいる』と書いてあった。
もしかして誘拐……なのか?
警察に連絡した方がいいのだろうか。でも、それなら既に遠藤さんがしていてもおかしくないはずだ。多分、これは遠藤さん宛てだ。ご両親宛ての可能性も無きにしも非ずだけど、それなら身代金要求ぐらいあってもいい気がする。
体育倉庫に行ってみよう。警察に連絡するのは、様子を見てからにしよう。もしかしたら、そんなに危ない状況じゃない可能性もある。篝さんには監視が付いているって話だからそう簡単には危ないことにはならないはず。
うちの学校には体育倉庫が二つある。昔は部活そして、人が多かったため増設された倉庫だ。場所は学校の体育館の裏側である。現在は、不要となってしまったため、必要なものは体育館の中に戻し、不必要な道具が一時的に保管される場所となっていた。部活自体の数も減ってしまったため利用する人はほとんどいない。誰かが入っていても中々気づかれないだろう。多分、そこに居る。
学校に向かうと部活をやっている生徒がいるが、うちの学校は生徒が極端に少ないため、人が少ない。それ故に、まともな活動ができずほとんどただのお遊びだ。
何となく人に見られたらまずい気がしたので、バレないように向かった。
体育倉庫に着いたのはいいが、中に入るのはまずい。運がいいのか扉に隙間が空いていたのでのぞき見ができた。
中では奥の方に縄で手足が椅子に結び付けられている篝さんが居た。目は瞑っている。意識がないようだ。
そして、横には倒れ付す人の姿と周りを三人が囲っていた。
その中の一人は見覚えがあった、前に僕に突っかかってきた遠藤さんに従ってた人だ。どうやら、主犯格のようだ。それと倒れているのは、間違いなく遠藤さんだろう。
やはり警察を呼ぶべきだろうか。携帯を取り出し、準備をする。
何か話しているようだ。聞いてみよう。
「本当に何もしてこねぇな、遠藤さんよ」
「うるせぇ。さっさと美穂を放せ」
「それはできないね。くるいは殺すべき相手だろうに仲良くしやがって」
「美穂は関係ないだろ。それに、くるいとはもう縁を切った」
「関係大アリだよ。そいつがきっかけなんだろう? 俺たちを裏切ったのは」
「裏切ったつもりはない。そういうことをやめただけだ」
「だから、それが裏切りだって言ってんだよ!」
男は遠藤さんの腹に蹴りを入れた。
「グハッ!」
やっぱり警察に連絡しなきゃ。
ここで連絡したらバレそうだから、少し離れて……
「お前、ここで何してんだよ」
そこには素行の悪そうな生徒が立っていた。あいつらの仲間か?
「べ、別に何もしてませんよ」
「どっかで見たような……あっ! お前確か、くるいと付き合っているっていうやつか!?」
「ち、違います!」
と言いつつ、走って逃げた。しかし、普段運動もしていない僕がガタイの良い不良に勝てるはずもなく捕まった。
暴れて逃げようとしたが
「おとなしくしろ!」
腹にパンチを喰らい、痛みで動けそうになかった。
そして、倉庫に連れて行かれた。
「おい、外に例のやつがいたぞ」
俺は倉庫の中に投げ捨てられた。
「須賀か!?」
「すいません、遠藤さん。警察に連絡する前に捕まっちゃいました」
「謝らなくていい」
主犯格と思われるやつは、盛大に笑い出した。
「これはいいな。くるいのやつもこいつが痛い目を見れば苦しんでくれそうだよ」
「やめておけ! 誰にとっても悲惨な結末が待ってる」
「そんなので止まれるかよ! あんたは彼女が居るからいいかもしれないけどな、俺たちは、友人や彼女を奪われたんだよ! あの事件で!」
「くるいのせいじゃない!」
「……元はといえば、あんたが言い出したことだろうが。それを今更手のひら返すっていうのは、どういう了見だよ!」
「それは……それはお前らが勝手に勘違いしただけだ」
「勘違いぃ? あんなに毎日のようにくるいのせいだと言っていたあんたが、それを勘違いだっていうのかよ! ハハハッ! お笑い種だ!」
「笑いたきゃ、笑え。殴りたきゃ、殴れ。けど、そいつらに手を出すんじゃねぇ!」
「遠藤さん!」
「須賀は黙っていろ! いいか、そいつらに手を出したら絶対に許さねぇからな」
「あんたの言うことは聞けない。おい、お前ら」
僕は篝さんのそばまで引きずられ、縄で縛られた。
「痛っ!」
「大人しくしろ」
主犯格の男はナイフを取り出し、気取ったように遠藤さんに向ける。
「さて、遠藤さんには俺らを裏切った責任を取ってもらおうか」
「何をする気だ?」
「この二人を嬲り殺しにする」
「やめろ!」
「別に助けてもいい。あなたが条件さえ飲んでくれたら」
「……何をしろって言うんだ」
「簡単だよ。今までの行いを反省して、俺らの味方になればいい」
「それでいいのか?」
「まだ終わってない。あんたはくるいを道連れにして死ね」
「そんなことできるか!」
「できないなら、この二人が死ぬことになるだけだ」
二人が僕と篝さんにナイフを突きつけた。
篝さんはまだ眠っているようだ。
遠藤さんは黙っていた。
迷っているんだ。篝さんはとても大事な恋人。くるみさんは大切な友人。選べるはずがない。でも、遠藤さんは迷っても最後には篝さんを選ぶんだろう。ずっと彼女との約束を守り、傷ついたらずっと傍にいたんだ。遠藤さんにとっては篝さんが全てだろう。
「早く答えろ!」
主犯格の男はナイフを手に持ったまま、篝さんに近づいた。
「おい、何する気だ……? やめろ!」
男はナイフを振りかぶり、篝さんの頬を切った。
血はあまり出ていないから、深くは切ってないようだ。
「えっ? 何?」
さすがに今ので起きたみたいだ。
「痛い……痛い痛い痛い……痛い!」
「黙れ! 次騒いだら刺すぞ」
「ひっ!」
「てめぇ……!」
「早く答えろよ。彼女の顔が傷だらけになるぞ。それとも目の前で犯してやろうかぁ!」
「……わかった。言う通りにするから、美穂を開放してくれ」
「無理だな。開放するのは、くるいを殺してからだ」
篝さんはその言葉にピクリと反応した。
「……どうしてくるいちゃんが出てくるの? どうしてマサ君がくるいちゃんを殺さなくちゃいけないの?」
警告音が鳴り響く。
「な、なんだよ! この音は!?」
「どうして、マサ君が傷ついているの? ねぇ、どうして? どうしてどうしてどうして?」
「美穂! 大人しくしてくれ!」
「篝さん……?」
何か様子がおかしいぞ。
「黙れと言っているだろうが!」
傍に居た男がナイフを腕に刺そうとした。
篝さんは身をひねって避けさらに縄を切った。
「お前らのせいだな! この痛みもマサ君が傷ついているのも……この胸の痛みと苦しみも!」
「う……うぅぅぅぁあああああ!」
篝さんは唸り声を上げた。まるで獣のようだ。
そして、切れかけた縄だけでなく全身を縛っていた縄を全てちぎった。
「なっ!」
その光景に全員が驚いた。
「抑えろ!」
四人がかりでナイフを手に篝さんに襲いかかった。
「やめろ! やめてくれ!」
遠藤さんは篝さんを思っての発言だろう。けど、その言葉は犯人達にとっても正しい選択だった。
篝さんは、ナイフを突き出してきた一人から腕を捻りそのまま相手の胸に突き刺した。そいつを盾に他三人の攻撃を避けた。
「こ、このアマ!」
一人が特攻を仕掛けた。
篝さんはその男の攻撃を避け、手刀を縦にして胸を突いた。その突きは男の胸を貫いた。
「た、助けてくれ!」
俺を捕まえた男は逃げ出した。篝さんはそれを許さなかった。
人とは思えない俊敏さで先回りし、顔にパンチを食らわした後、倒れた男の顔を蹴り飛ばした。首が曲がってはいけない方向に曲がっている。
「て、てめぇは何なんだよ!」
主犯格の男が、篝さんに襲いかかるがナイフは叩き落とされた。
そして、男の首を掴んだ。
「がっ、は」
「美穂! もういい、放せ! それ以上殺すな!」
男は必死に篝さんの腕を外そうとした。それでも、全く剥がれそうにもなかった。
篝さんはそのまま男の首を潰した。
彼女のキャラクターものの可愛らしいデザインの部屋着は血で真っ赤に染まっていた。
この血の池のほとんどが素手によって行われたものと思うと恐ろしくなった。
ピタ、ピタ、と血の音を立てながら、僕に近づいてきた。
この人は、正気なんだろうか? いや、明らかにKIVの進行度が進んだせいであんなことをしたのだろう。となれば、僕は殺されるのか? こんなところで?
「く、来るな!」
「美穂! もうやめろ!」
篝さんの腕が僕の方に伸びる。
もうダメか!? そう思い目を閉じる。が、痛みも何もない。
篝さんは僕を縛っていた縄を引きちぎった。
「か、篝さん?」
「大丈夫? ……じゃないね」
「……? 特に怪我はしてないですけど……」
血で濡れた部屋着のポケットから箱を渡された。その手は、震えていた。
「これは?」
「感染を抑える薬と黒のカラーコンタクトが入っている。STAGE1の状態ぐらいならほとんど普通の状態になれる」
「それって……!?」
「気になるなら、後で確かめて。今はそれを飲んで、コンタクトを付けなさい」
「どうして、こんなことを?」
「……もう限界が近い」
「え?」
篝さんはナイフを拾い、遠藤さんに傍に行った。
「美穂……! 無事か!?」
「ごめん。マサ君」
「謝るな。そんな必要無い」
「そうじゃないの。私、マサ君が好きだよ」
「あぁ、俺もだ」
「好きで好きで好きで、愛している。けど……殺したくて仕方がない」
「抱きしめたいけど、殺してしましそうで……今も、そんな思いを止めるので精一杯なの」
「何を……?」
自分にナイフを突き立てた。
「こんな私は居ちゃいけない。マサ君と一緒に居られない」
「待て! やめてくれ!」
遠藤さんは篝さんの腕を掴み止めようとした。それでも止められなかった。
篝さんは自分でナイフを引き抜いた。
そこから溢れる血は、遠藤さんも赤く染めた。
「な、なんだよ? これ?」
ただ、呆然となるしかなかった。けど、遠藤さんは違った。
「お前を、美穂を一人にさせるもんか」
そう呟いていた。
「遠藤さん?」
篝さんが持っていたナイフを拾い首にあてがう。
「待て……待ってくれ……そんなことしてどうするんだよ!」
遠藤さんは僕の言葉に全く反応しなかった。
「俺もすぐにそっちに行くよ」
そして、遠藤さんは自分の頚動脈を斬った。
「……え? う、うわああああああああ! うっ! うえええええ」
叫んだ。叫ばずにはいられない。そして、胃から何かこみ上げてきてそのまま吐き出した。
外からサイレンの音がする。パトカーや救急車だ。さっきの警告音と同時に呼んだのだろう。
僕は遠藤さん達の死に動揺し錯乱していた。一方で、篝さんの行動の理由について考え出していた。何故、僕に薬を渡したのか。
恐らく、僕はKIVに感染してしまったのだろう。けど、渡すなら遠藤さんの方が先ではないだろうか?
人の走ってくる足音が近づいてくる。考えている時間はなさそうだ。急いで、薬を飲みカラーコンタクトを付けた。
顔を隠した警察官達が一斉に入ってきた。
この様子に驚いていた。当然だとは思うけど。
僕はこの中の生き残りとして、事情聴取を受けた。
くるみさんのことは伏せ、大体のことは嘘偽りなく話した。
篝さんの行動に関しては信じてもらえそうにもなかったけど。
その後、病院で精密検査を受けた。
KIVの検査も受けたが、薬を飲んだおかげかパスできた。
しばらく、警察署から出ることは叶わなかったが学校は休校。閉校が噂されている。
とりあえずの受け入れ先が見つかるまでの学校となるのだろう。
警察署に母親と担任と荒賀先生が来た。
母親と担任は僕の無事を喜んだ。荒賀先生も喜んでいた。けど、何となく別の意味の笑いに見えてしまう。どこか嘘くさくて、人を小馬鹿にしたような感じだ。そのせいで、内心腹が立った。
警察署から出ることが決まるまで、僕は考えた。篝さんの行動やKIVのこと、荒賀先生の行動やくるみさんのこと。そうして、僕は何をするべきかを考えた。
警察署を出ることが決まり、外に出るとくるみさんが待っていた。
「よかった……無事で、本当によかった」
「でも、遠藤さんと篝さんが……!」
「あなたのせいじゃない」
「……僕もそう考えてはいます」
「そう。それでいいと思うわ」
「折行って、くるみさんに頼みたいことがあります」
「何?」
「KIVを調べましょう」
楽しくなってきたんですけど、この作品の終わりが近づいてまいりました。これからも頑張っていきますので、よければ見てください。