生と死
君は人生に何を求めてるの?
何も求めはしないよ。ただ時間が過ぎて死が訪れるのを待っているだけ。
それって悲しくない?
悲しいよ、とても。でも僕が何かを求めようとしても、結果は変わらない。
結果って、死のことなの?
うん、誰にも平等に訪れるのが死。どんなに金があって、権力を持ってもやがて全てを失うことになる。死と言う、自然現象によって
君の言う通りかもしれない。しかしそれでも生きている限り、何かを求めた方がいいよ。自分の人生を有意義なものにしないと、それこそ生きる意味が無くなるよ。
僕には分からないよ。生きる意味っていわれても、僕は自分の意志で生まれたわけではない。親という「他人」が勝手に決めたことだから。
それでも君は生きている。生は偶然。皆そうだよ、自分が望んでこの世に生まれたものは何一つもない。それが自然の原理だから。それでも皆必死に生きようとしている。
君も必死に生きてるの?
僕は少し違うの。僕には生というもの自体が当てはまらないの。別の次元の存在だから。
別の次元?つまりどういうこと?
僕は君が怖がっている「死」そのものなの。いづれ君と正式に会う日が来るだろう。
それってつまり、僕が死ぬ日のことなの?
そう、でもその日まで、ちゃんと生きて、何も怖がらずに真っ直ぐに。
君に励まされるとは、何か不思議な気持ち。