monologue
この小説は、僕が同級生に頼まれて書いた連載小説です。ので、お詳しい方には、つまらなくて物足りないかもしれません。ただ単に、正義活劇を楽しみたい!!という方のみ、お読みください。
いつもと変わらない土曜日。
そのはずだった。
その日も、大神町の大通りは、大きな賑わいを見せていた。あちこちで客を呼び込む叫び声が響き、どの店にも大きな人だかりができていた。
その中を、その男の子は歩いていた。いかにも楽しくてたまらないと言うように、スキップをするように駆けていく。後ろからは、男の子の母親が、しょうがないと言うような笑みを浮かべて、男の子を追いかける。それを見て、通りすがりの人たちが微笑みを浮かべて、その場を去っていく。
いかにも平凡な、至って普通な休日。
そして、その親子が、とある交差点に差しかかったときだった。
男の子が、何かにつまづいて転んだ。男の子の瞳にじわりと涙がにじみ、途端に、エン、エン、エン、と、助けを求むような声で泣き出す。母親が駆け寄り、小さい子が誰もが一度は経験したことがあろうオマジナイを、男の子に唱える。
そのときだった。
男の子の泣き声が、ピタリと止んだ。母親のオマジナイが効いたから、ではない。まことに突然、突如、ピタッと、男の子の声帯から伝わる騒音が、止まったのだ。
男の子の視線は、母親の背後に注がれていた。背後、少し上。母親は、いち早くそれに気がついた。次の瞬間、背後で、ガラン、という、乾いた音がした。
母親は、バッと振り向いた。だが、コンマ2秒遅かった。その瞬間、大型トレーラーに大量に積まれていた鉄骨がガララと崩れ、親子の方へ崩れ落ちた。
轟音。
悲鳴。
絶叫。
沈黙。
そして、――静寂が、戻ってきた。