<事故>
今回は、ライとネアの過去を書きました。
これからの話しに繋がる、大事な話しになっています!
では、どうぞご覧ください。
ー・ー卒業式ー・ー
「あら、二人ともいいじゃない。」
母さんはそう言って俺たちを抱きしめる。
「痛いよ、母さん」
「本当に、可愛い?」
12歳の頃の俺たちだ。
「えぇ、本当に似合っているわよ。ねぇ、あなた。」
父さんと母さんは優しくて、俺たち一家は仲のいい一家で少しだけ有名だった。
「おぉ~ いい感じだな。二人ともいい卒業式になるといいな。」
大きな優しい手が、俺たちの小さな頭を撫でる。
卒業式は終わった。
四人で写真を撮って、帰ることにした。
帰ってまた、たくさん話しをしよう。このまま、楽しい時間が続くと思っていた······
夕飯は、四人で仲良く外食をすることにした。
楽しい時間だった。しかし、楽しい時間は一瞬にして奪われた。
交通事故····いや、交通事故に見せかけた殺人。
俺たちは、ガードレールのない歩道を歩いていた。
母さんと茜、父さんと俺で並んで歩いていた。この、6年間のたくさんの思い出を話し続けた。
楽しい時間だった。父さんが、異変に気づくまでは····
父さんはなにかの異変に気づき不意に振りかえる·····
「類、茜!!」
急に目の前が真っ暗になると、強い衝撃で体が弾き飛ばされた。
気がつくと、道路に投げ出されていた。
父さんと母さんからは、大量の血液が流れている。
俺は父さんに駆け寄り、なんども 「父さん!!」 っと呼ぶ。
そして、父さんは最後の力を振り絞り
「類······父さんの·····意思を、つ····いで」
っとだけ言って、静かに目を閉じた。
俺は、なにもできなかった。泣くことも、茜を気にすることもできなかった。
救急車が駆けつけた時には父さんと母さんは······
救急車で、俺ら2人は運ばれた。茜はショックが大きすぎて丸々3日は寝ていたが目をさました。
俺たちは幸い大きな外傷もなく、4日で退院できた。
退院してからは、親戚の家をたらい回しにされ厄介者扱いをされる毎日だ。
ある家では家に入れてもらえなくなり、ある家では夕飯を食べさせてもらえなかったりもした。
しかし、そんな生活も1年で終わりにできた。
それは父さんの知人の人で、父さんの死を知り俺たちに住む家を貸してくれた。
その人は父さんに命を救われたらしいく、恩を返したいと言ってアパートのひと部屋を貸してくれた。
俺たちは、高校に行かず働いた。今の仕事も、この時にやりはじめた。
きっかけは、父さんの遺品のパソコンでネットゲームをしていたときだった。
初めてやるゲームだった。掲示板があり、そこに書き込みがされていたのをたまたま見つけた。
『助けてください!Lv.60の、ボスが倒せません。誰か、倒し方のコツを教えてください!』
これを見て、俺はいちからやりその日のうちに質問に答えられるほどに成長した。
そんなことから火がつき、今の仕事になった。
そして、父さんの意思を確認できた気がした。
「父さん、俺父さんの意思を·····思いを受けとれたかなぁ·····」
どうでしょうか?
感想、コメントをお待ちしております。
ありがとうございました。次回も、楽しんでいただきたいと思います。