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第十六篇 被害者の証言

 生徒がちらほらと、大体育館に入ってきた。翔也は固唾を呑んでその光景を眺めている。

 彼は一度HRに戻ったが、体育館への移動の指示が出されるとすぐさま舞い戻ってきた。お陰で、まだこの場所に誰もクラスメイトは訪れていない。

 前方にずらりとコーンが横に並べられていて、それぞれにクラスが明記された紙が貼られている。それを目安にして並んでいくのが通例なのだが、今回は例外がある。いつもは女子が前、男子が後ろに一列で並んでいるのだが、今日は男子から名前の順で並ばせることにした。そうすれば、翔也は評議委員という名目で一番前に陣取ることができる。

 翔也はステージのすぐ手前で、何かの芸術作品のように佇む衝立をぼうっと眺めていた。

 ふいに肩を誰かに叩かれて、翔也はひどく驚き振り向いた。そこに立っていたのは、人懐っこそうに笑みを浮かべる浅井だった。

「何だ、驚かせるなよ……」

「めっちゃ早いじゃんか、来るの。追いかけるの苦労したぜ……。まぁ、そうだよな、今日の主役が幼馴染だもんな」

 浅井にしてはいつもよりも殊勝な口調だった。翔也は浅井にだけは、この計画の事を漏らしたことを思い出す。翔也は心中を正直に言ってしまうことにした。

「……どう転ぶかわからないからな。怖いんだ。白けて終わったら、もう絶対あいつ来れなくなっちゃうじゃん?」

「まぁ、並の学校だったら白けて終わるだろうな。──でも、この学校は違う。生徒会長が破格の人物なんだ。どうにかなるだろう。……それに、お前だってそのくらいのリスクはわかってこの計画を立てたんだろ?」

「……」

「まだ一年生の最初で良かったってもんだ。……もっとリラックスしな」

「あぁ……ありがとう。何か、今日は優しいな」

 翔也が目を丸くして言うと、浅井は途端に目を鋭くして呟いた。

「…………優しい。俺が……?」

「え……、だって、普通追いかけてきて声をかけたりなんかしないだろ」

「……そうか、そうか。んー、まぁ、言われて嬉しくないことでもないしな」

 軽薄な調子で浅井は言う。もう、さっきまでの鋭さは消え失せていた。 

「まぁ、『その時』はいずれ来るからさ、覚悟は決めておけ。これが、俺からの言葉」

「はは……、そりゃどうも」

「安心してくれ。どんな結果になっても、俺はお前を見捨てないから……、ってこりゃキナ臭いか」

 浅井はそう言って面白そうに一人で笑ってみせる。ほとんど冗談で言っているのだろうが、翔也は字面通り真面目に受け取っておいた。こういう時の浅井は、泣きつくことも厭わないほど、頼もしく思えた。

 それだけ、翔也は緊張していた。


「皆さん、おはようございます」

 由利姫翠が壇上で言った。広い空間にマイクで増幅された彼女の声が響いていく。

「今日はかなり異例のことですが、先生方に無理を言ってこの場を設けさせていただきました。内容は皆さんに伝わっていないと思いますが、今、打ち明けます。──ある一人の女子生徒の話を聞いてもらいたいんです。彼女は事故で左目を失くしてしまいました。それから失意の三年間を、不登校のまま送ってきましたが……、今日は勇気を振り絞ってこの壇上に上がって、その心中を打ち明けます。彼女はずっと一人で苦しんできて、ほとんど人に会って来ませんでしたが……、でも敢えて、大勢の前に出ようと思ったのは、何よりも……理解がほしいからです。彼女は……左目と一緒にその周りを火傷してしまい、その痕が今も残っています。──でも、皆さんの理解が得られればそのコンプレックスを乗り越えて、また学校に通えるようになるかも知れない。だから、……彼女の言葉に耳を傾けて下さい。以上です」

 言い終えた瞬間、静かな拍手が起こった。同時に会場がざわめく。翔也はそのざわめきを織りなす言葉の一粒でさえ、耳に入れまいとした。ひどい緊張のために、気持が悪くなってきた。吐き気もする。だが、この行事が終わるまで吐くわけにはいかない。終わったら盛大に吐き出してやろう。翔也はそんな妙な決心をした。

 衝立はステージの前部、上手の袖を覆うように設けられていた。瑠子が入場の際に姿を見せないための配慮だ。

 ざわめく観衆を尻目に、瑠子は静かに入場した。姫翠の視線が衝立の裏に向けられている。何かアイコンタクトをしているらしい。

 前置きも何も無く、いきなりスピーカーから声が流れた。

「は、初めまして……、えっと……、一年の幣原瑠子と言います」

 すると、会場のざわめきが大きくなった。展開の早さに驚いているようでもあり、ブーイングをしているようでもある。翔也はひたすら無心で床の一点を見つめていた。

 あまりにも喧噪が大きいので、姫翠は一つ咳払いをしてから穏やかに言った。

「静かにしてください」

 一回しか言っていないのに、会場の熱は徐々に引いていく。生徒会長の威光は伊達ではない。翔也はそれが猛烈にありがたかった。

 姫翠が瑠子に視線を送るのが見えた。続きを促しているらしい。

「えっと、す、すいません、私、けがしてるのであまり人に顔を見せられないんです。だ、だから、こんな隠れながらになってるのを許してください……」

 たどたどしいながらも、しっかりとした語調で瑠子は話す。

「……中学一年の時、お母さんと一緒に買い物をして、二人で歩いてました。……それで、あるガソリンスタンドの前を通り過ぎた時、……いきなり目の前が真っ赤になって、耳がキーンとして何も聞こえなくなって、わけも分からないままにお母さんに押し倒されて……、気がついたら病院にいました。……顔の左半分が包帯だらけになっていて……、左目が……失くなってることに気づきました。ガラスが、刺さったみたいです。……でも、右半分の顔は無事でした。……あとで、その理由をお医者さんが言ってくれました。……お母さんが、私を庇ったから、これだけの怪我で済んだんだ、って。お母さんは……、私を庇って、死んだんです」

 ダイレクトな発言に翔也は気管に蓋をされたような苦しさを覚える。──残酷な台本だ、と思った。一緒に台本を考えた彰介や規華は、ありのままに彼女の過去を語ることに賛成しなかっただろう。しかし、そういう話をすると決意したのは瑠子自身だった。翔也は何も言えなかった。誰も何も言えずに、過酷なスピーチ原稿だけが出来上がった。

 想像以上の深刻な話に客席がざわついたが、再び瑠子が語りだすと次第に静まっていく。

「私、もう狂ってしまって、とにかく死にたいと思ってました。……学校の友だちも、皆、私の顔を見て遠巻きになっていって、お父さんも私を見たら泣くばかりで、お母さんももういなくなって……、私はもうダメになりそうでした。で、でも……、一人だけ……、幼馴染の子が来てくれて、ひどい私の顔を気にしないで接してくれて……たったそれだけが、私の生きる希望になりました。……でも、その他の人は怖かった。学校は、その他の人がたくさん居るところだから、ぜったいに行きたくないと思って、不登校になりました。……その幼馴染の子にもこれ以上、顔を見られたくなかったから、その子と会う時は部屋を暗くして見せないようにしてました」

 翔也はうつむく。適度な力加減で握られた右手には汗が滲んでいた。強く握ることができなくて、中途半端に作られた拳は小刻みに震えている。

 スピーチは続く。

「……実際は、凄く寂しかった。その子はずっとそばに居てくれる訳じゃない。誰かが、ずっとそばに居てくれるわけじゃない……、ほとんどの時間、一人だったから……とても寂しくて、でも、こんな顔で学校になんて行ける気がしなくて、ただ部屋で過ごしてました……。でも……、高校には何とか入りたかったから、認定を取ってこの学校に入りました。……その、幼馴染の子と一緒のところです」

 その瞬間、会場がざわめきはじめた。まるで物語の様な展開に、誰もが興味を持ち始めたのだ。──この学校に、この体育館の中にその幼馴染が居る、というだけで、高校生たちの興味を惹くのは十分だった。

「……でも、結局行けませんでした。ちょっとだけ、勇気を出して入学式には出ましたが……、結局気分が悪くなって早退してしまいました。……今も、正直辛い……です。で、でも……、その子は学校に行こう、って……私に言ってくれました。い、いつの間にか話が広がって……、生徒会の人たちにも、協力してもらえるようになって……、私、とても嬉しかった……、醜い顔のことなんて気にしなくても、いいんだって……わかって……、私は学校に来たいって思いました……。でも、人の視線が怖い……、また、遠巻きに見られてしまうのが、怖い……。……最後には全ての人に、一遍に顔を見せてしまえば……苦しいのは一瞬だって、思って……今、ここに立ってます。わ、私は皆さんに受け入れて、ほ、欲しいんです……」

 翔也は今まで伏せていた顔を上げた。だいぶ台本から逸れてきている。瑠子はリハーサルができずぶっつけで、今に臨んでいるのだ。彼女がとても即興で言葉を思いつくとは思えない。

 と、なると──。

「これから私は顔を出します……、燃え朽ちて赤くなって気色の悪くなった顔を……み、見せます。だ、だから……嫌わないで下さい……、わ、笑っても、変な目で見ても良いから、嫌わないで……、わ、私から、離れて行かないで下さい……」

 瑠子の声が震えてきている。何かがその声の裏側で膨張しているようだった。

 思い出している、顔を人に見せる恐怖を。

 翔也や、姫翠は瑠子が見知っていた人であり、政光達は姫翠が連れてきた人達だから信頼を置いて、顔を晒すことができた。

 しかし、今、立っているのは無差別の視線の真っ只中。一人ひとりが、何を考えどう思うのか分からない。無作為の思索が渦巻く、瑠子にとっては地獄のような場所──。

 翔也は自分の体の中で血液が噴出しそうな勢いで回転する音を聞いた。壇上の姫翠の方を見ると彼女も緊迫した表情で翔也を見返してくる。そして、姫翠はドライアイの人がよくするように、目を一回力強く閉じて瞬きをしてみせた。

 ──皮肉なことに、思惑通りの展開になってしまった。

 姫翠のまばたきは、決行の合図だ。

 二人がそんな風にやりとりしている間にも、瑠子は語りを進めていた。

「怖い……こ、怖いんです……ほ、本当に……お願いだから…………、お願いだから……、お、置いて行かないで……、わ、私を! き、嫌わないで下さい!」

 瑠子は叫んだ。きっと話の本筋を見失ってしまって、混乱しているに違いない。

 ──その叫びを聞いた翔也は大きな舌打ちをした。舌打ちを厭わないほど自棄になったのは生まれて初めてだった。その音に驚いた周囲の数人が、翔也の方を見る。翔也はその視線を全て無視して、右手を思い切り握りしめた。──その手中にはずっと、釣り糸が収められていた。その釣り糸の逆側の端は、真正面の衝立にガムテープで固定されている。

 翔也はその釣り糸を、渾身の力を込めて引っ張った。

 糸で引かれた衝立は風に煽られるように、ゆらりと大きく揺れて、大げさにステージの上に倒れた。その半身がステージの上からはみ出す。

 その衝立の後ろには、背中を向けた瑠子が座り込んでいた。

 翔也は立ち上がる。突然のアクシデントに客席はひどい喧噪に包まれていったが、彼にとっては無音に等しかった。身体が気持ち悪いほど軽やかに動いた。翔也はステージに跳び乗り、衝立を蹴飛ばして除ける。派手な音を立てて衝立は脇に退けられた。

 そして、瑠子に近づきその肩に手を伸ばす。

「行こう」

「……えっ……」

 彼女の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていたが、翔也の顔を見ると僅かに恐怖の色が和らいだ。翔也は瑠子の手を取って、立たせてやった。

「ステージのド真ん中だ」

「えっ、あっ、どうして……」

 瑠子は狼狽しながらも、翔也にきちんと従ってきた。

 ──何故、自分でもこんな突拍子のない計画を思いついたのか分からない。だが、いざ瑠子が公衆の面前に顔を出すとなった時、ひどく躊躇するのは予想がついていた。そしてそのことは、生徒会全員で幣原家を訪れた際、瑠子本人に、大衆の前で顔を晒してくれ、と言った時、そのことは裏付けられた。瑠子はあの時、はっきりとした怯えの表情を見せた。だから、姫翠は少し落ち込んだのだ。自分では心の支えになりきれないのだ、と。

 しかし、顔を見せるのは必須事項だった。それが一番の目的で、且つ一番高く分厚い壁となる。そんな時、姿を見せるのにいつまでも躊躇っていたら、会場は興ざめしてしまう。生徒たちはそう、冷たい思いを抱かないはずだが、その白けた反応を見た瑠子がどう思うか。

 だから、躊躇を断ち切る。突然の乱入者が衝立を取っ払って、無理にでも公衆の前に連れてきてしまえばいい。その乱入者はできれば、瑠子をよく知っている人物が良い。そして、会場にいる誰もが、納得できるような人物が良い。盛り上がりが大事だ。熱狂した群衆はあらゆる価値観をひっくり返すことができる。

 キャスターのついた衝立を避けたのは糸で引っ張った時に倒れない可能性があるからであり、背の高いものを選んだのは低い場所から引いても倒れやすくするためだ。糸を固定したガムテープを誤魔化すために、衝立には他にもいくらかガムテープを貼りつけた。そして翔也がすぐさまステージ上に躍り上がれるようにするためni

、男子が前方で評議委員を先頭にする、という特例を作った。

 全ては、この時のために。

 本来ならもう少し後、姫翠が顔を見せることを要請する時に決行するはずだったが、予想外に瑠子が緊張のあまり早い段階で取り乱してしまった。だから、姫翠は慌てて翔也に合図を出してきたのだ。

 壇上はかなり広いように思われた。翔也は無我夢中でステージの中央辺りに走っていく。瑠子はもう何が起こっているのか理解できていないようだった。何故か目の前に居る翔也に思考を囚われていたから、大した慄きも無く大勢の前へ姿を見せることができたのかも知れない。

「マイク」

 翔也が小声で短く言うと、瑠子は口をわなわなと震えさせながら、今まで自分の使っていたマイクを差し出す。翔也はそんな瑠子の顔を見て呟くように言った。

「……落ち着けよ、もうお前は二千人の前に立ってる」

「あ……」

「問題ない。どうせ、遠くに居る人からは火傷の痕なんて見えない。問題は『そういう人が居る』ということを理解してもらうことだ。……だからこれは、実際のところパフォーマンスなんだ。お前が全校生徒に受け入れてもらうためのパフォーマンス……、プロパガンダだ」

「……パフォーマンス……」

 翔也は客席を見下ろした。人の顔が絨毯のように広がっていて、その視線が全て翔也に向けられている。翔也も、ずっとこの視線が怖かった。この視線をいつでも浴びる生徒会長に立候補など、絶対にしたくない、と思っていた。

 だが、どういう因果か自分は既に無数の視線の前に立っている。覚悟はとっくに決めたはずだ。瑠子を再登校させる、という話が持ち上がった時から、既に。

 翔也はマイクを口に近づけ、できるだけ気張って言った

「い、今のがこいつの叫びです。こいつは、嫌われてしまったんです……、その気持が分かりますか。今まで当たり前だと思っていたものが、一瞬で奪われてしまうんです、そんな理不尽でとことん不幸になるんです。俺はそれが許せない……、だって、普通の人じゃないですか……。今、こいつの話を聞いたら分かると思うけど……、と、とても事故で左目を失くした人とは思えない。ふ、普通の女の子ですよ。でもたかだか見た目だけでそんな内面まで判断をするのはたまらない。分かったでしょう、中は普通の人でどこもおかしくない、普通の日常を望んでるだけだから……、えっと……」

 翔也はいつの間にか自分が相当熱くなっていたことに気づいた。人に落ち着けと言っておきながら、なんとも気恥ずかしいことだった。

 だが、後半にその熱が奪われていったのは、他でもなく生徒たちの反応が原因だった。

 ほぼ、無反応。ざわめきも遠慮がちで、全体の表情、感情が全然読めない。ステージに防音ガラスが張りつけられたように、翔也の声が届いていないようだった。

 どうして……。

 自分の弁論の拙さは仕方が無い、だが熱気がそんなことをかき消してくれると思っていた。自然と言いたいことが出てくるような、そんな空気になると思っていた。

 しかし、今あるのは疎外感だった。

 翔也は言葉が紡ぎ出せなくなってしまった。何を言っても無音の空気に弾かれてしまいそうだった。その空気を貫くだけの言葉を翔也は持っていない。

「……っ」

 窮地だ。頭がさっぱり回らなくなった。

「……翔……」

 瑠子が至近距離でかろうじて聞こえるだけのか細い声で言った。翔也は救いを求めるような気分で彼女の顔を見ると、瑠子は視線を翔也の背後に送った。翔也は振り向く。そこには生徒会長の姫翠が佇んでいる。

 姫翠は名状しがたい、複雑な表情をしていた。絶望しているのか、衝撃を受けているのか、活路を探しているのか──。そんな感情をにじませながら、口を開いた。

「……名前」

「……えっ」

「翔也、自分のこと何も言ってない。だから今、生徒にとっては翔也はただ乱入してきたよく分からない人ってことになってるの……」

「あ…………」

 翔也は血の気が引いていくのを感じた。瑠子の台本に幼馴染という要素を取り入れたのは、乱入した翔也を彼女の幼馴染と特定させて高揚を煽るためだった。だが、興奮していた翔也はすっかりとそのことを忘れていた。

 臓腑が無重力で浮き上がったような、ひどく不快な感覚が全身に押し寄せる。全身の血が止まったように、体中が冷たくなっていくようだった。

 会場は、すっかり白けていた。体中が熱い。目が、あらゆる目が翔也に注目している。何を期待するわけでもない、だが何か出てくるのを待つような、無責任な視線が。

「……」

 姫翠の指摘を聞いて、翔也が自分の犯したミスを悟り絶望の底を垣間見るまでは、ひどく短い時間だったが翔也はその時間がひどく長く感じられた。

 ──冷えた空間を引き裂く、その声を聞くまでの時間が。

「ストオオオオオオオオオオオオオオオップ!」

 ふいに体育館のスピーカーがけたたましく鳴り響いた。訓練された軍人なら反射的に地面に伏せそうなほどの威力を持った声だった。

 翔也は茫然とする。全校生徒座り込んでいる中、誰かが一人だけ立ち上がった。他でもない、その爆声の主だ。

 妙に自信満々で仁王立ちをしていたのは、──浅井だった。

 その異様な光景を見て、翔也の頭の中で色々な疑問が沸き起こる。何故このタイミングで、この青ざめた会場に激を飛ばしたのか。何故、男が列の前方に集められているのに最後尾に居るのか。

 そして、何故、マイクを持っている。


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