プロローグ
はじめまして!焔です。
僕の他の作品を読んでくれた方はお久しぶりです。
まだ小説を書き初めて日も浅いのですが温かい目で読んでください!
人間は不思議な価値観を持っている。
人の姿に近いものを味方と思い、醜い生物のことは恐れ、敵と認識する。
そのせいで人間は昔から『悪魔』や『雪女』に騙されやすい。
いや、この『醜い』という表現も人間の価値観だ。
角があるから―――――――。カブトムシや山羊にもある。
体表の色が違うから―――――――。人間にだって黒人や白人はいる。
人間が住めない様なところに住むから―――――――。水の中に住んでいる貝や魚はどうなんだ。
その姿で生まれたからにはそれなりの理由があり、やるべきことがある。
その姿を一つの種族にどうこう言われる筋合いはないはずだ。
それなのに人間は私たちを遠ざけ、罵り、地方の奥地へと追いやった。
他の生物たちは私たちのことを受け入れ、共存してくれるのに。
人間だけが、人間のみが私たちのことを受け入れない。
その存在を目で確認した人たちは、自分の体験したことを信じようとしなくなる。
歴史は伝説に、伝説は昔話や神話になった。
◆◆
19世紀初め。
人間はどんどん生活を豊かにしていった。
夜の暗闇や静けさ、森や林、生き物が決して立ち入らない私たちの安住の地は、どんどん人間の科学の波に呑まれていってしまう。
気づいたときはもう遅く、人間の生活にはもう私たちが介入する隙は無くなっていた。
今まで通りの生活が出来なくなった私たちは絶滅するのか?、一時期そんな考えが広まり、不穏な空気になってしまった時はさすがにもうだめかと思った。
だが、どこかの一族が新しい考えを呼びかけ始めた。
そう、人間が共存しようとしないなら、私たちが人間と共存しよう。
それは私たちに生き方を変えろ、といっているような物だった。
受け入れた種族はたくさんいたが、人間に狩られていた種族や人間を食料にしてきた種族はやはり悩んだ。
しかし結局、1ヶ月ていどですべての種族は覚悟を決め、人間の街へと進出していった。
◆◆
そして現在21世紀
人間は生活を豊かにすることに歯止めを掛ける気はなかった。
自分たちの利益で動く生物へと成り果てた人間。
海は汚染され、排気ガスに満ちた空や酸の雨。
私たちは怒っていた……。
引き続き1話をお楽しみください。