第十二章 交差する軌跡
ライブハウスの公演が終わって三日目の早朝、七海からメッセージが届いた。
【起きてる?サプライズがあるの!音楽室で待ってるね!】
メッセージの後には、星とハートの絵文字がいくつも続いていた。僕は眠い目をこすり、時間を見た――朝の七時十五分だった。ライブが成功してから、七海の生活リズムは非常に規則正しくなり、毎日六時半にきっかりと起きて発声練習をしていた。まるでアイドル時代の厳しい自己管理に戻ったかのようだった。
簡単な身支度を済ませて音楽教室へ急いだ。ドアを開けると、七海はピアノの前に座っており、目の前には真新しい五線譜のノートが開かれていた。朝の光が大きな窓から差し込み、彼女の体に降り注ぎ、髪の先を淡い金色に染めている。物音に気づいた彼女が振り返ると、その目は驚くほど輝いていた。
「これ見て!」彼女は興奮した様子でスマートフォンを掲げた。画面には一通のメールが表示されている。「横浜ブルーノートからの出演依頼よ!」
僕はスマートフォンを受け取り、そのメールを注意深く読んだ。そこは新進気鋭のミュージシャンを発掘することで知られる著名なジャズクラブだった。彼らは七海のライブハウスでの公演映像を見て、来月のオープニングアクトとして彼女を招待したいという内容だった。
「すごいじゃないか!」僕は心から彼女を祝福した。「いつなんだ?」
「来月の十五日」七海は唇を噛みしめた。「でも……ちょっと問題があるの」
「どんな問題?」
「彼らは私に四十五分間のパフォーマンスを準備してほしいって」七海の指が無意識に鍵盤を軽く叩いた。「今の私のオリジナル曲は六曲しかないの。アレンジした『星のかけら』を加えても七曲……」
僕はすぐに彼女の悩みを理解した。七海はずっとオリジナル路線を貫き、アイドル時代の曲をカバーすることを拒んできた。つまり、彼女は三週間で少なくとも三曲の新曲を作らなければならないということだ。
「できるかい?」僕は小声で尋ねた。
七海は深呼吸をし、眼差しが次第にしっかりとしてきた。「試してみたい」彼女は五線譜のノートを開いた。そこにはすでにびっしりと音符が書き込まれていた。「昨日の夜、急にインスピレーションが湧いてきて、もう一曲の原型は完成したの」
僕は近づいてそれらの音符を見た。楽理は分からないが、そこに流れる感情は感じ取ることができた。七海の筆跡は少し乱れており、まるで束の間のインスピレーションを捉えようと急いでいるかのようだった。
「この曲、『軌跡』っていうの」彼女は小声で説明した。「私たちがそれぞれ歩んできた道が……最終的に一つに交わるっていう」
陽の光が彼女のまつ毛の上で跳ね、細い影を落としていた。僕はふと気づいた。七海は音楽で僕たちの物語を語ろうとしているのだ――ファンとアイドルとしてではなく、人生の道で偶然出会った普通の二人として。
「何か手伝えることはある?」僕は尋ねた。
七海は首を傾げて少し考えた。「うん……私の最初の聴衆になってくれる?歌詞の部分はまだ手直しが必要なの」
「光栄の至りだよ」
七海は座り直し、指をそっと鍵盤の上に置いた。前奏が始まり、それは僕が今まで聴いたことのない旋律で、シンプルながらも心を打つものだった。彼女が最初の歌詞を歌い出した瞬間、僕の心臓は一拍抜けた――
「二本の平行線は/どこか見えない遠くで/そっと向きを変えた……」
彼女の声はライブハウスの時よりもリラックスしており、朝特有の澄んだ響きを持っていた。この歌は、距離と接近、そして広大な宇宙の中で二つの星がいかにして互いを見つけ出すのかを物語っていた。
サビの部分を歌う時、七海の声音はかすかに震えていたが、眼差しは終始しっかりとしていた。僕は彼女が全ての感情をこの歌に注ぎ込んでいるのを感じた――あの不安、ためらい、そして最終的な選択、そのすべてが躍動する音符へと変わっていた。
最後の和音が嫋々と響き渡り、七海の指は鍵盤の上に止まったまま、しばらく動かなかった。教室は窓の外の鳥のさえずりが聞こえるほど静まり返っていた。
「どう?」彼女は小声で尋ねた。その口調には珍しく不安が滲んでいた。
僕は彼女のそばへ行き、そっとその手を握った。「完璧だよ」
七海の目が輝いた。「本当に?サビの部分がちょっと……」
「七海」僕は彼女の言葉を遮った。「この歌……君の新しい一面を見た気がするよ」
アイドル月夜七海でもなく、大学生姫野七海でもない、音楽で魂を表現するクリエイターとしての彼女。その認識は、僕の胸に名状しがたい感情を湧き上がらせた。
七海は僕の眼差しを読み取ったのか、頬をかすかに赤らめた。「じゃあ……他の二曲も目途はついてるの」彼女は五線譜のノートの次のページをめくった。「一曲は『明けの星』、もう一曲は『漫画家さんへのラブレター』……」
「待って」僕は目を丸くした。「最後のタイトル、本気?」
七海はいたずらっぽく瞬きをした。「どうして?彼女がラブレターを書いちゃいけないの?」
「いけなくはないけど……」僕の耳が熱くなってきた。「でも、それもあまりにも……」
「あまりにも何?」七海は近づき、わざと声を潜めた。「ストレートすぎる?甘すぎる?それとも……」彼女の息が僕の耳元にかかった。「あまりにも、あなたをドキドキさせすぎた?」
僕は彼女を腕の中に引き寄せた。七海はクスクス笑いながらもがいたが、うっかり隣の譜面台を倒してしまった。ガシャンという音と共に、散らばった楽譜が雪のように床に舞い落ちた。
僕たちは同時にしゃがんでそれを拾い、額がうっかりぶつかった。
「痛っ!」七海は額を押さえながらも笑っていた。「あなたの頭、どうしてそんなに硬いのよ!」
「明明君がぶつかってきたんだろう……」僕は額の同じ場所をさすりながら、ふと特別な楽譜に気づいた――五線譜ではなく、手書きのメロディー譜で、そこには「健太への誕生日サプライズ」と記されていた。
七海は僕の視線を追い、顔色が一変した。「あ!それは違うの……」彼女は慌てて奪おうとしたが、僕が一足先に手にした。
「誕生日サプライズ?」僕は眉を上げた。「僕の誕生日はまだ三ヶ月も先だよ」
七海の顔は熟したリンゴのように真っ赤になった。「それは……仮タイトルよ!実は未完成の……」
僕はそのメロディー譜を注意深く見た。旋律は異常なほど聞き覚えがあった――それは『星のかけら』の変奏曲だったが、歌詞は全く異なり、書かれていたのはすべて日常の些細な出来事だった。一緒に傘をさした雨の日、電車で僕の肩に寄りかかって眠った午後、さらには僕が病気の時に彼女が作ってくれたあの不味いお粥のことまで……
「これは……」
「あなたの誕生日に完成させようと思ってたの……」七海は小声で呟いた。「これは……あなただけに歌う歌よ」
僕の心臓が何かで強く打たれたような気がした。七海はこのような形で、僕たちの共通の思い出を、お互いだけの旋律へと織り上げていたのだ。
「楽しみにしてるよ」僕は慎重に楽譜を彼女に返した。「でも、そろそろ授業に行かないとじゃないか?」
七海は腕時計を見て、驚きの声を上げた。「まずい!山田教授の授業に遅刻しちゃう!」
僕たちは慌てて楽譜を片付け、七海は急ぐあまりまたペン立てを倒し、色鉛筆が床一面に転がった。
「もう……」彼女は拾いながら文句を言った。「あなたといると、いつもめちゃくちゃになっちゃうんだから……」
「明明君が不器用なだけだろう」僕はしゃがんで手伝ったが、彼女が投げてきた消しゴムが額に当たった。
結局、僕たちは授業開始のベルと同時に教室に駆け込み、髪は乱れ、息を切らし、クラス中の注目を浴びた。山田教授は眼鏡を押し上げ、意味深長に言った。「ああ、我らが学園の有名人がようやくお見えになりましたな」
七海は顔を赤らめて謝り、僕の手を引いて素早く最後列の席へ滑り込んだ。
「全部あなたのせいよ……」彼女は小声で文句を言ったが、机の下ではそっと僕の手を握っていた。
それからの二週間、七海は猛烈な創作状態に入った。音楽教室は彼女の第二の寮となり、時には僕が夜中に目を覚ますと、彼女からデモの断片が送られてくることもあった。彼女の目の下のクマはますます濃くなっていったが、その目は驚くほど輝いており、まるで体内に何らかのエネルギーが燃えているかのようだった。
僕はというと、『守護星』第二巻の最終修正に取り掛かっていた。編集者の佐藤さんは、新たに追加された「音楽家の恋人の海外ツアー」という展開を絶賛したが、結末については異議を唱えた。
「保守的すぎます」彼女は電話で言った。「読者はもっとドラマチックな展開を期待していますよ。例えば、主人公が恋人を追って海外へ行くとか……」
僕は画面に映る完成したばかりの最後のコマを見つめた――主人公がライブハウスで恋人のパフォーマンスを見つめ、二人の視線が交差する瞬間。この静かな場面には、僕が表現したい全ての感情が込められていた。
「この結末のままでいきたいんです」僕は最終的に答えた。「いくつかの感情は、大げさな筋書きで証明する必要はないんです」
佐藤さんはため息をついた。「分かりました、あなたが作者ですから。でも、売れ行きが悪くても私のせいにしないでくださいね……」
電話を切ると、七海からボイスメッセージが届いた。開くと、ピアノの前奏が流れ、続いて彼女の少し掠れたハミングが聞こえてきた――これは『漫画家さんへのラブレター』のデモバージョンだった。シンプルな旋律、ストレートな歌詞だったが、僕はパソコンの前でしばらく動けなくなった。
「どう?」その後送られてきたテキストメッセージが、僕の茫然自失を打ち破った。
僕はボイスボタンを押したが、何を言えばいいのか分からなかった。結局、一言だけ絞り出した。「……反則だよ」
七海は得意げな顔文字で返信してきた。【ライブバージョンはもっとすごいのよ!】
ブルーノート公演の三日前、七海はついに全ての曲を完成させた。僕たちはレコーディングスタジオで会い、彼女が公演全体の通しリハーサルをするのを聴いた。四十五分間の音楽の旅は、オープニングの熱烈さから中盤の叙情性、そしてエンディングの高揚感へと続き、まるで凝縮された人生の一幕のようだった。
「最後の曲……」七海はギターのストラップを調整した。「『軌跡』の特別バージョンよ」
この歌は最初のデモとは全く異なっていた。七海はヴァイオリンの伴奏を加え、旋律はより豊かになり、歌詞も繰り返し推敲されていた。彼女が「見えない遠くで/私たちの軌跡はとっくに交差していた」と歌った時、その声音はかすかに震え、目には涙が光っていた。
リハーサルが終わると、レコーディングエンジニアの田中さん――業界三十年のベテランミュージシャン――が珍しく拍手をした。
「姫野さん」彼は眼鏡を押し上げた。「あなたは真のアーティストになる素質がある」
七海は驚いて目を丸くした。「ほ、本当ですか?」
「真のアーティストとは、拍手のために演奏するのではない」田中さんは厳粛に言った。「表現しなければならないもののために演奏するのだ。あなたの歌には、それがある」
レコーディングスタジオを出る時、七海はずっと無言だった。エレベーターに入るまで、僕は彼女が静かに泣いていることに気づかなかった。
「どうしたんだ?」僕は慌てて彼女の涙を拭った。「気分でも悪いのか?」
七海は首を横に振り、僕の手首を掴んだ。「ただ……嬉しすぎて」彼女の声は詰まっていた。「初めて誰かにこんな風に私の音楽を評価してもらったの……『月夜七海は歌が上手いね』って褒められるんじゃなくて……」
僕は彼女の気持ちが分かった。アイドルのオーラに隠されていた本当の自分が、ついに音楽を通して認められたのだ。
公演当日、横浜は小雨が降っていた。ブルーノートの会場は思ったよりもこぢんまりとして洗練されており、約二百人を収容できた。七海はシンプルな白いシャツと黒いロングパンツ姿で、髪は緩くポニーテールに結び、首には細い銀のチェーンだけをつけていた――それは僕が彼女の二十歳の誕生日に贈ったものだった。
「緊張してる?」バックステージで、僕は彼女の襟を整えてあげた。
七海は深呼吸をした。「思ったより落ち着いてるわ」彼女は僕の手を握った。「あなたが客席にいてくれるって分かってるから」
観客が続々と入場し、僕は約束通り最前列の真ん中に座った。照明が暗くなり、司会者の短い紹介の後、七海が舞台へ歩み出た。スポットライトの下、彼女の輪郭はくっきりと柔らかだった。
「こんばんは」彼女はマイクに向かって小声で言った。「姫野七海です」
華やかな自己紹介も、練られたオープニングトークもなく、七海は直接ギターを抱え、最初の歌――『明けの星』を始めた。これは夜明けの歌、暗闇の後に再び見つけた光についての歌だった。
公演が進むにつれて、僕は観客の感情が七海にしっかりと掴まれていくのを感じた。彼女の音楽には奇妙な感染力があった――アイドル時代の計算され尽くしたステージパフォーマンスではなく、もっと本質的で、もっと脆く、しかしそれゆえに力強い何かがあった。
『漫画家さんへのラブレター』を歌う時、七海の視線は照明を突き抜け、まっすぐに僕に向けられた。この歌の歌詞は顔が赤くなるほどストレートだったが、七海は非常に堂々と歌い上げ、まるで全世界に彼女の気持ちを宣言しているかのようだった。
「最後の曲……」七海はギターを置き、ピアノの前に歩み寄った。「『軌跡』です」
前奏が始まり、それは僕が今まで聴いたことのないピアノの旋律だった――デモバージョンよりも複雑で、より情感豊かだった。七海が最初の歌詞を歌い出した時、僕は彼女が再びこの歌に手を加え、新しいパートを追加したことに気づいた。
「それぞれの道を走り/永遠に平行だと思っていた/何気ない瞬間に/振り返って気づいた……」
彼女の声はサビの部分で突然高まり、ピアノの伴奏もそれに合わせて激しくなった。
「私たちの軌跡はとっくに交差していた/どんな誓いの言葉よりもリアルに/どんな約束よりも固く……」
最後の音符が消えると、会場は一瞬静まり返り、その後、熱烈な拍手が沸き起こった。七海は立ち上がってお辞儀をし、照明の下で僕は彼女の額の細かな汗とキラキラと輝く目を見た。
公演が終わった後も、観客はなかなか立ち去ろうとしなかった。七海は二度アンコールに応え、最後に短い『星のかけら』のアレンジバージョンで締めくくった。舞台を去る時、彼女の足取りはまるで飛んでいきそうなくらい軽やかだった。
バックステージでは、七海が数人の音楽評論家やクラブの責任者に囲まれていた。僕は隅に立ち、彼女が様々な質問にそつなく対応し、その目に自信の光を宿しているのを見ていた。この瞬間の七海は、学園のあの内気な少女とはまるで別人だった。
「田中さん?」一人のスタッフがそっと近づいてきた。「お客様がお見えです。姫野さんのお知り合いだと……」
僕は彼女が指さす方を見た。休憩エリアに、思いがけない客が立っていた――七海の母親、姫野玲子さんだった。彼女は上品なグレーのスーツを着て、手に温かいお茶を持ち、こちらを微笑んで見ていた。
「玲子おばさん?」僕は驚いて近づいた。「どうして……」
「主治医の先生が短期の外出を許可してくださったの」玲子さんは小声で言った。「娘の初めてのプロの公演を、どうして見逃せるものですか」
僕はその時初めて、彼女の後ろに介護士らしき女性が立っており、玲子さんの状態を注意深く観察していることに気づいた。
「七海は、おばさんが来ることを?」
玲子さんは首を横に振った。「彼女の公演に影響を与えたくなかったの」彼女の視線は僕を通り越し、人々に囲まれている七海に向けられた。「彼女……とても楽しそうね」
それは疑問形ではなく、確認だった。僕は頷いた。「はい。音楽が彼女を幸せにしているんです」
玲子さんはしばらく黙り込み、突然言った。「私、ずっと間違っていたわ」
「おばさん……」
「一番大きな舞台に立つことだけが成功だと思っていたの」玲子さんの声音はとても軽かったが、一言一言がはっきりとしていた。「でも今夜……この小さなクラブで、本当の七海を見たわ」彼女は僕の方を向き、「ありがとう……ずっと彼女の笑顔を守ってくれて」
僕はどう答えていいか分からなかった。その時、七海がついに人垣から抜け出し、こちらへ歩いてきた。母親の姿を見た瞬間、彼女はその場に凍りついた。
「お……お母さん?」
玲子さんは微笑んで両腕を広げた。七海は小さな女の子のように駆け寄り、母親にしっかりと抱きついた。
「来てくれたのね……本当に来てくれたのね……」七海の声音は詰まっていた。「聴いてくれた?私の歌……」
「全部聴いたわよ」玲子さんは娘の髪を優しく撫でた。「特に最後の曲……とても美しかったわ」
七海は顔を上げ、涙で潤んだ目で言った。「本当に?お母さん、簡単すぎるとか思わなかった?昔の那些な……」
「昔の歌は商品よ」玲子さんは彼女の言葉を遮った。「今夜の歌は……芸術だわ」
その評価に、七海の涙は完全に決壊した。彼女は母親の肩に顔を埋め、肩をかすかに震わせた。玲子さんはそっと彼女の背中を叩き、その眼差しには心からのいたわりと誇りが満ちていた。
帰りの電車の中で、七海は僕の肩に寄りかかり、疲れているながらも満足そうにため息をついた。
「お母さん、来週正式に退院するって」彼女は小声で言った。「先生が、回復は順調だって……記憶は完全には戻らないかもしれないけど、日常生活は問題ないって」
「それは本当に良かった」
「うん……」七海の声音は次第に小さくなっていった。「それと……私たちのこと、もっと詳しく聞きたいって……」
僕は彼女を見下ろした。彼女はすでに半分目を閉じており、長いまつ毛が顔に影を落としていた。
「おやすみ」僕は小声で言った。「駅に着いたら起こすよ」
七海は曖昧に返事をし、体勢を整え、より心地よさそうに僕の肩に寄りかかった。窓の外では、雨がいつの間にか止み、夜空には無数の星が輝いていた。電車は穏やかに走り、僕たちを街の灯りを通り抜け、僕たちが共に創造した、平凡ながらもかけがえのない小さな世界へと運んでいった。
この世界では、七海はもはやアイドルではなく、僕ももはやファンではない。僕たちはただ、人生の道で偶然出会った普通の二人であり、それぞれが傷跡と夢を抱えながらも、お互いの存在によって、前へ進み続ける勇気を得たのだ。
二本の平行線は、どこか見えない遠くで、そっと向きを変えたのだった。