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チャーハン回①
オムライスを作ってしまった。
チャーハン作りたかったのに、、、
ベランダから距離にして数10メートル。
時速200kmを超える鉄塊が走り抜け、俺んちのアパートはガタガタと揺れだす。オムライスはプルプルと震えて笑い出す。
「20日連続かよああ、、、なぁんでダァよあ!」
フライパンをぶん投げて壁に突き刺したい。
おれの料理の腕は呪われている。
何故かチャーハンを作るといつもオムライスになってしまうのだ。
昼間見た料理番組のせいで、口はもうチャーハンの形になっている。それなのに、だというのに、、、
「お困りかな?私が教えてあげようか?」
気づくと、自分の背後に黒ずくめの男が立っている。
男は俺が気づくずっと前から、ベガ立ちで俺のことを眺めていたようだった。
「誰だお前!」
「私かい?私はチャーハンの精霊さ。」
「君を救いに来たんだよ」
泥棒かもしれなかったので俺はそいつの全身の骨を折った。
よし、スッキリしたし!こんもこそ!
俺は諦めない。チャーハンを作れるまでは!
何があっても諦めないぞ!
チャーハンは寡黙な父が作ってくれた。