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終焉の王子様  作者: 丹頂 暦泉
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今宵、魔法にかけられて

性転換って正義なんですよ

これは


真夜中の時計の針が


三本重なり合った時の


物語


………


(ヒロイン)】は馬車を降りた。

緊張のせいか伸びた背筋。

深呼吸すれば、煌びやかな舞踏会に足を踏み入れる。 建物の中から聴こえるワルツは軽やかで、思わず胸が高鳴った。

一歩、一歩。 その空間に惹き込まれるようにコツリ、コツリとガラスの靴の音を鳴らす。

賑やかな人々の笑う声。

会場の隅には、先程建物の外から聴こえてきたワルツを奏でる音楽家達。

ヴァイオリンの旋律が優しい音を奏でている。

ふと、会場の中心へと視線を向ければ、煌びやかなドレスを身に纏う人々。

思わず綺麗だなんて見蕩れてしまう。

会場全体を見渡そうと、端からゆっくりと視線をずらしていく。

己の視線の先、チュニックを身に纏った男性と視線が合った。

綺麗で曇りのない彼の瞳。

その瞬間、恋に落ちる音がした。

身体の芯がじんわりと熱くなる。

ずっと、ここに居たい。

ずっと、この幸せに浸りたい。

この夢のような空間が永遠に続けば良い。

そう願う。

己の耳元で、心の奥底に住み着く黒が囁いた。

この時を止めてしまおう。

進む時なんて無ければ良いのだ。

秒針なんてものがあるから魔法が解けてしまう。

解けない魔法を

幸せを

永遠に ____

聞こえる言葉にひっそりと頬を緩めた。

その通りだと頷く。

その瞬間、時計塔の秒針が狂ったように踊り出す。

舞踏会のシャンデリアに灯された炎が、一瞬風に靡いたのか揺れて消えかけた。

ピキ、と己の履いていたガラスの靴にヒビが入る。

さあ、魔法を掛けましょう。

(メーア)】は満面の笑みで世界に笑いかけた。

時は眠りにつく。


世界に残されたのは、【(メーア)】に掛けられた呪いだけ。これは



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