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7.第一章[護衛対象]



護衛の2人を連れて家の玄関に立つ。

よし、いくぞ。

家のカギをあけて扉を開く。

帰って来た事を知った母親と、丁度2階から1階に降りてきた姉とが、玄関にいる俺と、その後ろに立つ黒服の2人を見て立ち止まる。


「幸成、お帰りなさい。そちらの方々はどちら様?」

当然の質問です。


「あぁうん、えっと、」言いどもる俺の後ろから霧島さんが助け船を出してくれた。


「夜分にすみません。私は警視庁特殊捜査課、特別護衛官の霧島夏音と申します。

そしてこちらは同じく護衛官の近衛弓近です。今日から高柳幸成さんと、そのご親族の護衛をする事となりました。どうぞ宜しくお願い致しますっ」

深々とお辞儀をする霧島さんと、軽く頭を下げる近衛さん。


「え、っと、護衛と仰いましたか?」まったく状況が掴めない母親に霧島さんからのご説明は続く。


「はい、高柳さんは先日の事件の犯人を目撃しており、また犯人にも顔を見られています。

その為、重要参考人として護衛が付くことになったのです。

お母様や、ご家族の方にも万一の事が無い様、全力を尽くしますので宜しくお願い致しますっ」


「はぁ、そういう……事なんですね」

まだ頭の整理がついていないようだ。


まぁ一般家庭に護衛なんてつかないし、身内が狙われてるとか考えないもんな。


しかし姉は違う方向に意識が行ってしまったようだ。

いきなり腕を掴まれた、「幸成っ、あの人なんなの?!めちゃくちゃ格好いいじゃないっ」


「え、近衛さん?……護衛官だよ」


「いや、それはさっき聞いたけど、って事は今日から家に住むの??一緒??」

興奮冷めやらぬ様子の姉。

普段クールガールを気取っている姉とは別人だ。

…………なんだこれ、こんな姉は見たことが無い、見たくもなかったが。


「いや、家に泊まるかどうかはまだ決まってないみたい。親の承認もいるだろうし、もし家にいられないようなら近くで家を借りて交替で見張るらしいよ。ただ霧島さんは主に俺の護衛で、近衛さんは家族担当だから、俺らが学校の時は、家に近衛さん、父さんと姉ちゃんには別の警官が付く予定みたい」


「そう……なんだ。ふーん。」

なんで少し顔を赤らめているんですかお姉さん。まさかとは思いますが……いや、確実に近衛さんに惚れたな。


まぁ見た目は芸能人ばりにイケメンだもんな。

まぁ仕方ないか、つか……お母さんまでなんで目がハートなんですか、奥のお父様が不憫ですよ。


「お母さん、その護衛の件でご相談があるのですが」近衛さんがさっきより優しめに話しかけている。


「はいっなんですか??……はっ、すみません、そんな事よりまず上がってくださいな。

丁度夕飯だったんですよ。シチューですのでもし良かったらお2人もいかがですか??お話もその時に」


なんと、ウェルカムモードですね。


「宜しいんですか?ではお言葉に甘えて」

俺よりも先に近衛さんが家に上がり、母さん達とリビングへ。

父親は何が起こったかわかっていない様子だったが、母親からは何のフォローもなかった。

辛いな大黒柱よ。


その後、今日の出来事や2人の護衛の範囲等を話し合った。


さすがに今日犯人に襲われたと聞いたときは、家族全員顔面蒼白だった。


自分達が襲われる危険性なんて考えていなかっただろうし、というか俺も思って無かったしな。


護衛の件は家族全員一致で承諾した。

ただ、霧島さんが俺の護衛に付くことに親は少し反対だったらしいが、霧島さんが「明日になれば理由はわかると思いますよ」と意味深な発言をした為、取り敢えず明日まで待とうという雰囲気になっていた。


それと、これはどうでもいいが、姉ちゃんが近衛さんを自分専属の護衛に出来ないか少し親と揉めていた。

結局、一番狙われやすい家を近衛さんが護衛することになったので当初の通り落ち着いた。


いつもは寝付きはいい方だが、今日はすぐには寝れそうもない。


なぜなら、普段のベッドで寝てはいるが、その横で布団を敷いて寝ている子のせいで緊張して眠れない。


だって今まで彼女出来たことないし、一緒に寝たことあるのは幼なじみの冬樹くらいだ(照)

男ですけど何か?幼なじみで可愛い女の子とか憧れるわ。


そんな青春ラブコメしてみたかった、間違っていない方でお願いしたいです。

さて、横にいる当の本人はというと……寝ている。

スヤスヤ寝ています、少しは緊張してほしいです、僕も一端の男子ですけど、デートとかしたこと無いですけど、でも男子ですけど!


さ、寝ようお休みなさい。というかそんなに熟睡してて護衛できるのかな……心配です。


kogetora_suguです。


毎日更新頑張りますー!


是非とも最後までお読み頂きますよう、お願い致します!

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