13:報酬
フィールドボスを倒し、ワールドアナウンスを聞き終えると通常のアナウンスへと切り替わる。
『北の街道:フィールドボス初回討伐報酬が贈呈されました』
討伐報酬のアナウンスが流れたが俺のアナウンスはこれだけでどうやらMVP報酬はシコウが獲ったようだ。
まあ、俺が倒れていた時もタゲを取って戦っていたから当たり前か。
そして、報酬を告げるアナウンスの次はレベルアップを知らせるアナウンスが流れる。
レベルは6つ程上がり、ついに俺達はレベル30を越えた。
[Name]ユウギ
[Level]32
[Job]中級剣士
HP:730 MP:420 SP:470
STR:243(486)[+50]
VIT:120(240)[+145]
INT:30(60)[+150]
MND:115(230)
DEX:278(556)
AGI:273(546)
LUK:35(70)
《J/skill》2枠
【J/剣術Lv:6】
【J/盾術Lv:6】
《skill》6枠
【剣士の心得Lv:7】
【思考加速Lv:4】
【同調強化】
【生活魔法】
【器用強化】
【脚力強化】
【装備】
・[銘なき剣]+50
・[銘なき盾]+50
・[黒狼の服]+30
・[黒狼の手袋]+15
・[黒狼のズボン]+30
・[黒狼の靴]+20
《アクセサリー》4枠
1.[レギンレイヴピアス]
2.
3.
4.
《称号》
【大物殺し】、【セブンズマスター】
※()内は同調強化により補整された数値。
※[]内は装備品の数値。
パーティーが二人だけというのも大きくレベルが上がった要素だろう。
ついでにスキルレベルも思考加速以外が1つずつ上がっている。
取得したポイントは今回も同じようにSTRとDEXとAGIに3等分して振り分ける。
シコウもステータスの確認を終えたようで次はお楽しみの報酬を確認する。
【レア度】★★★★
・灰死大猿の魔核×1
・灰死大猿の剛毛皮×1
・灰死大猿の剛皮×1
・灰死大猿の大牙×1
【レア度】★★★
・灰死猿の毛皮×2
・灰死猿の皮×2
・灰死猿の牙×2
・250000G
【レア度】★★★★
・初級魔道全書[支援魔法]
【レア度】★★★★★
・剛力の腕輪(初回特典)
STR+30、VIT+30
[成長増進剤]×1錠
【レア度】★★★★★★★★
※消費アイテム
初回ボス討伐限定で超超低確率の報酬である[成長増進剤]が出たことに驚く。
「おいっ!シコウ!成長増進剤が出たぁ!」
「なっ!?マジかよ!!」
この様子ではシコウは出なかったのだろう。そうすると俺達の性質上、俺だけが使っては同調強化が死んでしまう可能性がある為、死蔵するしかなさそうだ。
珍しい魔道書があったが魔法を使う予定がない俺達には無用の長物の為、スルーして報酬の確認も終わり、最後はMVP報酬だ。
「シコウ、MVP報酬なんだった?」
遠慮のない俺の問いにも嫌な顔もせずにシコウは答えてくれる。
「こんなの貰ったぜ」
自身のアイテム欄を見せてくるので遠慮なく、横から見せて貰う。
・灰死大猿のガントレット
【レア度】★★★★★
STR+80、VIT+80
※必要STR値:100
寒冷耐性(小)
ボスのMVP報酬というだけはあり、かなり良い物だと思う。
俺が確認するとシコウは装備して見せてくれる。
全身が黒狼装備の為、黒色がベースになっているが灰死大猿のガントレットは灰色ということもあって、色合いは悪くない。
是非、俺も欲しい!
初めてのボス戦で多少疲れはしたが時間は昼過ぎ、俺達は次のマップを目指して進む。
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ユウギとシコウがフィールドボス:ノースデスエイプを倒し、ワールドアナウンスが流れたことにより、始まりの街は騒然となっていた。
~とあるプレイヤー達の会話~
「おい、北の街道の適正レベルって35だったよな?」
「ああ、確かそうだったはずだが・・・・」
「大手攻略組か?」
「いや、違うだろう。今ある大手の攻略組『百花繚乱』と『宵闇の翼』はそれぞれ東側と西側を徹底的に攻略していくと明言したばかりだ。それを昨日の今日に覆すとは思えない」
「じゃあ、いったい何処のどいつらなんだ・・・」
~とある女性プレイヤー二人の会話~
「ねぇ、今のアナウンスってユウギさんとシコウさんが向かった北の街道のことだったよね?」
始まりの街コナンにあるメインストリートに面したカフェで紅蓮と花蓮は今後について話している最中だった。
「うん、間違いなく北の街道フィールドボスって、言ったわね」
紅蓮は最近、お気に入りのキャラメルマキアートを飲みながら素っ気なく花蓮に答える。
「なんでぐーちゃんはそんなに落ち着いているの?」
「なんでって、ゲームなんだからいつかは開拓されていくでしょうが。それが早いか遅いかの違いでしょ」
「それはそうだけど・・・、ユウギさんとシコウさんって二人でたぶんフィールドボス倒したんだよ?」
「確かに二人でボス討伐したとしたら異常かもしれないわね。でも私達は運が良いことにレベルリングしてもらう約束を取り付けてあるからね!話を聞く機会ならいくらでもあるっしょ!」
「ぐーちゃん、寄生プレイって言葉知ってる?」
「ちょっと、聞いたことないな~」
花蓮が冷たい視線を向けるが紅蓮は何処吹く風といったところでキャラメルマキアートへと再び口をつけていた。




