山
そして、ここからが実験で得た大きな成果だ。
実体化した魔物同士を融合することが可能だったのだ。
これは凄いぞ。
融合を重ねていけば、僕の考えた最強の魔物
なんてのも作れちゃうんじゃないか!?
やばい!楽しくなってきた!
こうしてカメ助が沢山の魚を抱えてルンルンで帰ってきて
山ほどの大きさを持つ魔物を見て、怯えて魚を落としてしまった。
やりすぎたかな…。
一個前の融合まではこんなでっかくなかったんだ。
せいぜいが三メートルくらいだったのだ。
それを二十匹掛け合わせたらこんな風になってしまっただけなのだ。
俺は悪くない!
しかし、改めて見るとでかいな…。
見た目は巨大な熊なのだが、先述のとおり山ほどの大きさなのだ。
色は茶色に赤い雷のような模様がいくつも走っている。
「お前はクマ神な」
とりあえず命名。
微妙な顔をしているが、カメ助と同じく返事は無い。
よし、クマ神がいれば家が作れるぞ!
「クマ神、家を建てるのを手伝ってくれ。簡単なものだから俺が指示をする場所に木を置いていって欲しい」
クマ神が大きく頷くのを確認して指示を飛ばしていく。
雑ではあるが、雨風がしのげるくらいの物を建てるのに時間はかからなかった。
この時には甲羅に篭ってたカメ助も顔を出して魚を焼いてくれていた。
そういえばこいつ等は何を食べているんだろう。
餌をあげた覚えは無いので、どこかで勝手に食べているのだろうか。
しかし、異世界に拉致されてどうなる物かと思ったが
わりと何とかなるものだな。
今の所は木の実も水も問題ない。
手足となってくれる魔物を作ることが出来るので、脅威といえるものも今の所は無い。
自分の心配が減ったことで気になるのは、やはりクラスの奴等のことだろうか。