1話 王女の話《王女側》
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これは転生後の王女視点です。
ふう。
私の名前はオラキュラス王国第3王女、ルーニ。第3王女というように私の前には2人の王女がいる。そして、私は3番目の王位継承権を持っている。本来はもっと後のはずなのだけれど、王子が亡くなったので繰り上げられたのだ。
ちなみに今は5歳だ。なぜ5歳なのにこんなにしっかりしているのかと言うと、私は前世の記憶を引き継いでいるのだ。3歳くらいの時に自覚し始めた。この世界のものではない知識を持っていることに。そこから、色々考えた結果、前世という結論になったのだ。でも、前世の知識は残っているけど、記憶がぼんやりとしている。前の両親の顔も分からないし、知識は持っていてもそれをどこから学んだのかというのは分からないのだ。
一番、前世の記憶の中ではっきりしているのは、前の私をヤヨイと呼ぶ男だ。前の両親のことが分からなくても、その男のことを考えると胸が痛くなる。確か、その男は目の辺りに何かをつけていたと思う。ソレの名前はメガネといったかな?
その男に会えるものなら会ってみたい、そして色々聞いてみたいのだ。前の私がどんな人物だったのかを。
おっと、ゆっくり出来るのはここまでかな。なぜなら、9月から始まる王立オラキュラス学園のための勉強をしなければならないのだ。王女として、オラキュラスの国の貴族などに権威を見せつけなければならない。
学園に通うのはとても楽しみにしている。あの人さえ、いなければ。
バーン。部屋のドアが乱暴に開けられる。
「おっほほほほほ。ルーニ、勉強中でしたか。失礼しましたわ。でも、いくら勉強しても私には敵いませんけどね。」
いきなり嫌味をぶちかましてきたこの人は私の腹違いの姉、オラキュラス王国第1王女エリザベートこと、エリザである。この人はうるさい、とにかくうるさい。
彼女は1番目の王位継承権を持っている。だが、お父様はどちらかといえば、私とか第2王女のサリンの方を可愛がっている。つまり、エリザお姉様は私たちに王位継承権を取られやしないかとハラハラしていて、そのために早くから心を折りたいので嫌味ったらしいのだ。
「無視するのですか!この私を!いいですか、私はあなたより年上で……うんたらかんたら」
うるさい。
そして、私が通うこの学園には当然のようにこのエリザお姉様が通っているのだ。
ああ、行きたくなくなってきた。
次は和也視点です。
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