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この戦いが終わったら祝杯を上げよう。  作者: 七井望月
プロローグ
1/8

プロローグ『この戦いが終わったらーー。』

小説初投稿です。いろいろと分からないことだらけなので、感想やレビューで批評や気づいた事など書いていただけると嬉しいです。

 夕陽が空を橙色に染める。


 光が窓から屋敷に差し込み、ステンドグラスのその窓は、橙一色の光を虹の七色に変換して、床と壁を照らす。


 その内装は教会の礼拝堂のようだが、説教台があるべき場所には王座があり、会衆席は全て取り除かれている。


 そもそも、この場所は教会のような神聖な場所ではない。


 床の赤いカーペットの中央に見える黒い影。黒装束が床に倒れている。


 その影を見据えながら、一人の男が手に剣を持ち、黒装束に近づいていく。

 手が届く距離まで近寄り、黒装束のフードを脱がす。


 緑色の髪に、頭部から生える羊や山羊のような角。折れた三叉槍を手にするこの男は、畏怖の象徴で悪魔の王。


 魔王サタンである。


 この屋敷は魔王の城。

 教会の様だ、等という例えは神や信者の怒りを買っただろうか?

 どうかお許しを。


 先程までの一人の男ーー勇者との死闘に敗れ、床面に転がって動くことはない。


 魔王は、まだ息がある。だが止めを刺す訳にはいかない。


 息があるうちに魔法による封印をかけないと非常に面倒になる。

 勇者は封印魔法の準備をする。


 勇者は感慨に浸っていた。厳しい戦いだったと。軍を上げて挑んだが、仲間は自分を除き全滅した。自分も何度も挫けそうになった。


 かつて魔王は大魔導士であった国王を倒している。史書ではサタンと同等とされる、悪魔アスモデウスさえも打ち負かしている。


  それほどの力を持つ存在、まさに大魔王と呼ばれるのに相応しい。


 だがその大魔王はここに倒れている。戦いは終わったのだ。


「ああ、やっと終わっーー。」



 ーーその言葉を言い終える前に、背中に剣が突き刺さる。胴体を貫通して、胸から剣先が生えている。状況を理解できず「あ?」と間の抜けた声をあげる。


 理解と同時に痛みが走る。剣が体から引き抜かれ、血が吹き出す。さらに痛みが走る。


 体の力が抜けてそのまま地面に倒れこむ。痛みに耐えることができず、悲鳴を上げようとするが、口から出たのは音ではなく、血だ。


 抗おうと、顔を上げようともがく。一体誰がこんなことをーー。


 刹那、横腹に蹴りが入る。容赦のない一撃に体が大きく吹き飛び、掴んでいた剣も床に落とす。転がって壁に背をぶつける。またしても大量の血液を口から床にぶちまける。


 吐き出した血も、転がってできた血赤色の線も、赤いカーペットの上ではカモフラージュとなって見えない。

 だが鼻を劈くような錆びた金属を思わせる匂いが部屋に充満している。


 もう駄目だ。

 意識が遠のいていく。目前が水中のように揺れて、ぼやける。その視界の先に、剣を持った人影がある。


 今となっては誰であろうとどうでもい。このまま自分は死んでゆくのだ。どうでもいい。



 ーーいや、このまま終わる訳にはいかない。相手が誰だとかは知ったことではない。だが死ぬ訳にはいかないのだ。


 約束したんだ。この戦いを終わらせて、約束を果たすんだ。


 落とした剣を拾い、影に向き合う。残された僅かな力で、全力で地面を蹴り、その影を切り落としにかかる。


 しかしーー


「怠惰なれ。」


 その一言で勇者は意識を失った。


 最後に向かって来た勇者を、影の人物は飛んできた蝿でも払うかのように、床へ叩きつけた。


 勇者はもう動かなかった。















「ねぇ?約束して絶対だよ?」

「この戦いが終わったらーー。」

投稿ペースはゆっくりになると思いますがよろしくお願いします。

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