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追憶のVRMMO記  作者: 天引村江
9/31

第7時間 制作作業その1

さて、武王の修行が終了し外に出てきた。

大幅なステ-タスと手に入れた魔槍を確認すると。


(プレイヤー)ネーム】クロエ

【師事】武王

【HP/MP】250/200

(プレイヤー)スペック】

筋力25(+24) 精神20(+17) 敏捷20(+20) 耐久25(+20)

【スキル】【神々の工房LV1】【武王】【弓LV3】【斥候LV4】【格闘LV3】【古代言語LV1】【採取技能LV3】【危険察知LV3】

【称号】【復讐者3】【二代目武王】

(ソウル)(ポイント)】15P


大幅なステータスアップがあった。

長時間拘束される訳だからそれぐらいあるだろ

称号が【武王の弟子】から【2代目武王】に変化している。

【2代目武王】(修行終了。おめでとう!これから貴方が武王だ!)

「(説明文、軽いな~)」

どうやら、能力はなく実績のような物か。

次は問題の槍の性能を確認すると。

【刺殺の魔槍ゲイボルグ】(伝説級の武器、ある英雄が振るった魔槍、その突きは必ず心臓を狙い突く、死の魔槍)

説明文はこう書いてあったが神話でのゲイボルグは投槍だ。

性能を確認すると。

【刺殺の魔槍ゲイボルグ】{レジェンド/10 攻撃力10 重量6 耐久値100 【破壊不可】 【耐久自動回復(中)】 【頑丈】 【特殊(1)】 ◆}

流石、レジェンド級その名に相応しい。

どうやら、もう一段バージョンアップするようだ。

武器に付いているスキルは、【破壊不能】は耐久が0になってもロストしないが、耐久値が回復しなければ装備できない。

【耐久自動回復】は徐々に耐久値を回復するようだ。

【頑丈】は耐久値が減りにくくなる。

【特殊】は武器専用アーツの様だ、ゲイボルグは一つある様だ。

調べると。

専用アーツ【心臓喰らい】(相手を一撃死させることが出来るが【人】にしか使用できない。使用すると耐久値が80消費する。)

成程、MPを消費するのでは無く、耐久値を消費するのか。

しかも、対人戦専用アーツとは。

1回しか使用出来ず基本の攻撃力は弱い、正しく一撃必殺。

だが、これはある意味切り札になる。

敵はプレイヤーだからこのアーツは有用な物だ。

でもそれでも、足りない、決定的なものが。

それは、どうやって奴らを探しだして復讐するか?

俺も暗い地下でガイコツと3週間も戦闘訓練していたわけでは無い。

称号スキルの【復讐者】の力で情報収集していた。

その1、まずやつらは必ずしも何時も一緒に行動しているわけでは無く、他のプレイヤーと共にすることもある。

しかし、必ずリアル時間の日曜日には必ず共に行動している。

その2、町で獲物を捜しているようで必ず路地裏を移動している。

その3、現在奴らは2人ほど、PKしているようだ、その日も日曜日だ。

多分、PKした奴もレア装備を持っているのだろう?

まずいな。

こちらは一人、向こうは二人、数の暴力には絶対勝てないよな、いくらステータス的に強くなっても。(この時は気づいて無かったが、武王の戦闘データはβ時代の全プレイヤーの戦闘データを流用しているらしく超高度AIによりある意味、対人訓練をしていたのだ。)

それだけじゃない、二人を同時に相手にしなくては為らない。

何故なら、片方だけを倒すことは簡単だが、その片方がもう一方のヤツに連絡をし、ほとぼりが冷めるまでログインを自粛されたら不味い。

そして、残り時間だ、三ヶ月は短い、既にレンタル数は2になった、

とりあいず、日曜日が勝負の日だ!

それまでは制作する為にフィールド探索だ、まだ行った事が無い場所に行って見よう。


やってきた場所は<西の坑道>なのだが。

どうやら、坑道は枯渇しているらしく入れない。

坑道を見ていると後ろから音がした。

「オメ~さん、なぬしてんだ?そっだらどこで。」

訛り言葉で話し掛けられた。

「え、ああ、坑道を見に来ただけだよ。」

NPCか。

「残念だがのう、今は、鉱石なんぞ~どれねいべ。」

「そうらしいな、それよりも貴方は?」

「おらは、こだら辺りの見回りしでる、見廻りだべ。」

「見廻り?」

「そうだ、この先はほんど~おぞろしい、樹海があるがらな。」

古の大樹海のことだな?

「そういえば、あそこに大量に積んである石はなに?」

先程から、目に付いていた、坑道の入口の横にこれでもかと、うず高く積まれた赤い石のことを聞いてみた。

「あ~それが、それは赤石て言って屑の鉄鉱石だ。」

赤石、多分酸化した鉄鉱石だろう。

「あれ、貰ってもいいかな?」

考えが、正しければ、鉄が大量に手に入るはず?

「あんな、もんなら幾らでもでっから勝手にもでげ。」

よし。

「ありがとう。」

「え~よ、え~よ、そんなもん幾らでも、あんた達が掘る度にでてぐるんだからな」

成程、たぶんだが?採堀にこられなかった人の為かも知れない。

「じゃ~、おではもういぐげのう~。」

そう言って見廻りのオッチャンは歩いて行った。

早速、この赤石を使えば、鉄のインゴットを生成出来るはず。

結果は少々、残念な結果になった。

まず、鉄のインゴットにするには、この赤石を100個単位で錬成しなければ成らない。

【鉄のインゴット】(鉄鉱石を錬成する事により出来る鋼材、この素材は赤石を使用した物普通のインゴットより、材料を大量に使う)

100個以下の場合は品質が低下する。

【粗悪な鉄のインゴット】(不純物が大量に含んだ鋼材、ハッキリ言ってゴミである!)

説明文が酷い雑。

そんな事をしていたら、ある事に気づいた、赤石が減らない?

無限に採れるということか。

しかし、効率が悪すぎる、普通の鉄鉱石の場合は5個単位なのに。

他のプレイヤーが居ないのも納得出来る。

100個単位で赤石を町の制作所に持って帰るのは骨が折れる。

俺には関係無いが、他の生産系プレイヤーは町の南地区に<共同制作所>で制作作業をする。


さて、坑道から近くの森に移動し木材を手に入れる。

森には【グリーン・ラーヴァ】と言う、デカい、芋虫が出てきた。

グリーン・ラ-ヴァは大きさが中型犬なみで、口から糸を吐き出しプレイヤーを拘束する、この時、注意すべきは他のエネミーが乱入される恐れがあり、糸の拘束はPスペックの筋力が高ければすぐに外せる。(因みにこのエネミーは雑食性らしい。)

このエネミーは特に強くは無いが特別な倒し方が有る。

まず、木の棒を持ち距離を取りアーツの【挑発】で、糸を吐き出させそれを木の棒で巻き取る。

こうすると、素材アイテムの【森生糸】が大量に確保できる。

(因みに、夜に出る、【ジャイアント・ファレーナ】と言う、エネミーの幼虫らしい。)

森生糸を生成した【フォレストシルク】は高値で売れる。

そんな事をしながら、素材を集めていく。

少し奥まで来たところで、ギイ、ギイ、と言う声が聞えてきた。

如何やら近くに【ゴブリン】が居る様なので、探索系アーツ【(ちょう)(けい)】を使用する。

このアーツは目の前が暗くなり、ソナーの様に周りが見える。

「(右斜め、距離は、まだ大分あるな。でも三匹居る様だ。)」


近くまで行って観ると、ゴブリンを発見できた。

何かを食べているようで夢中になっている。

観察すると明らかに前に会ったレッサーとは違い体格がいい。

すぐ足元には棍棒の様な物がある。

額には小さいが一本の角がある。

早速、弓で狙撃する。

使うアーツは武器アーツの【マルチアロー】と言う、同時に矢を複数放つアーツだ。

矢の数は、矢の耐久値で変わる。

弓を構え、矢をセットし、弦を弾く。

そして、放つ!

「【マルチアロー】」

パシュ!

音は一つだが一体に二本ずつ矢が飛んで行った。

ダダダン!

鈍い音共に、矢が刺さったが一体しか倒せて無かった。

頭を狙ったが、このアーツは当たる場所がランダムで変わるようだ。

ゴブリンは直ぐにこちらに気づき、憤然し棍棒を振り回しながら走って来た。

ギイ、ギイ、言いながら走ってきたが、明らかにレッサーより速い。

ポーチから鉄の投げナイフを出し、投擲アーツ【スパイラル・スロー】を使い、一体を仕留める事にする。

因みに、この鉄の投げナイフは粗悪の鉄のインゴットで作った物だ。

普通の鉄のインゴットなら3本出来るが、粗悪品だと1本しかも使い捨て。


腕を肩甲骨まで曲げて、思いっ切りゴブリン目掛け投げつける!

「【スパイラル・スロー】!」

【スパイラル・スロー】の効果で貫通力と殺傷性が上がったようで、一撃で仕留める事が出来た。


残る、一体は接近戦に持ち込む。

こちらは接近戦には不利な弓を持つが、直ぐに手放し、特殊アーツを使う。

「チェンジ2!」

【アームチェンジ・6(シックス)】は、クラススキル【武王】の特殊アーツで事前に武装を選んで置き。

戦闘中でも武器を好きに入れ替えることが出来る。

最大6個まで設定出来る。


ゴブリンはいきなり武器が弓から、深紅の槍に変わって驚いたようで、急停止した。

ここで、ある事に気づいたゲイボルグの武器専用アーツ【心臓喰らい】が出来る様なので試してみる。

腰を低くし、穂先をゴブリンに向け、【心臓喰らい】を使用する。

「【心臓喰らい】」

ゲイボルグが赤く輝きだした。

一気に、ゲイボルグをゴブリンに突き放った。

深紅の光が一直線に相手の胸、いや、心臓を貫く!

ドサ!ゴブリンは前のめりに倒れ光になって消えた。

ゴブリンでは判らないが流石、伝説の武器!強い!(まるで青タイツのよう・ゲフンゲフンこの話はやめよう!)

しかし、ゴブリンが人?とはこれいかに?

思い出してみると、ゴブリンは<亜人>だった。

そう、<人>の字が入る、だから【心臓喰らい】が使用できたのか。

それはそうと、やはり懸念していた事が起きた。

そう、弓の攻撃力不足だ、初期装備ではすでに限界だったのだろう。

まずは弓の制作とその他の武器も作らなくちゃな。


第7時間終了


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