第5時間GO Revenge!
【復讐と断罪の女神レリス】その名は聞いたことがある。
たしか、このゲームのバックストーリーにその名があった。
話は省略するが、女神レリスとは法と秩序の女神リリーエの双子の妹に当たる。
女神レリスは全身を黒の服と顔を黒のベールで覆う姿であるとされる。
女神リリーエが裁けぬ事柄を裁く汚れ役を引き受けているらしい。
その女神?からの手紙?怪しい限りなく怪しい。
しかも、死んだ直後に?
そう思いながらも他に、手段もなく、その手紙に縋るしかない。
いつもどおり、路地裏に行き。
意を決っして、手紙をイベントリからだし読むことにする。
【拝啓、死に戻り後どうお過ごしでしょうか?】
なんか、ムカつくな、事実だけど。
【そんなに怒らずに、事実なのですし?】
おいおい、この手紙オンラインか、何処かでこちらを見ているのか?
周りを見回して見るがそれらしき者はいない。
しかしシステムだから見えなくても当然なのだから諦めて手紙を読む。
【まあ、そんなことはどうでもいいのですが、貴方は復讐を望みますか?望むなら私が少しだけ力を貸しましょう。】
(復讐)それはこの国では禁止行為であるがしかし、この世界ではPKは法で認められている。
そう俺を殺したプレイヤーが言っていた。
とゆ~ことは、な~る~、この手紙はPKをされたプレイヤーにたいしての救済処置と言う訳か?
そうだよな?PKをするプレイヤーのほうが断然、有利だ。
戦争でもゲリラ戦を仕掛けるほうが、断然、有利なのだ。
ゲリラ戦は仕掛けるほうが時間、場所を好きに出来る。
だから、現代の戦争は空爆をこれでもか、とする。
そのあとに、陸上部隊を投入する。
手紙の続きには。
【復讐を決意したら、この手紙の[はい]に○をつけてね♡】
アンケート調査如く、[はい]とゆう文字と・・・・[はい]しかないじゃん、復讐一択、GO・You・Revenge。
気になる一文もある。
【そうそう、女神も暇では無いので制限時間を設けさせてもらいます、悪しからず。】
時間制限つきか。
しかしこの方法しかない、て、ゆうかこれしか選択肢がない。
迷いながらも[はい]に○を、て、鉛筆かなんかで書くのか?
ワタワタしながら手紙の字に触れていると急に手紙が青い炎と共に燃えて無くなった。
どうやら、○をつけろとはタッチしろ、と、ゆうことだ。紛らわしい!
何も起こらないな?と思っていると【称号 復讐者を貸し与えられました。】
どうやらこれが力を貸すと言っていた物か。
称号スキルか。
称号スキルとは、ゲーム内で何かしらの実績を示すと与えられるスキルだ。
大体の称号スキルは実績を示すだけで何ら効果も無いが中には特殊な効果の物ある。
この【復讐者】の称号は後者だ。
確認すると、【復讐者】(汝、復讐の女神の力を得、復讐の権利を得ん。[レンタル3])
レンタルかよ!
まあ、いい、能力はどうやら復讐相手の情報が提示される。
名前から所属クラン・現在のパーティーに、至るまで丸見えだ。
しかも現在地もマップに表示される、恐ろしいね。
しかし、これで光が少し見えたが、足りない、そう俺の力が。
情報は持っている誰よりもたぶん、しかし、ステータス叱りプレイヤースキルも足りないといえる、しかも相手は多分βテスターだろうし、相手位置を確認すると常に二人で行動していることから仕掛ける時は当然1対複数だろう下手したら、フルメンバーということもあり得なくも無い。
早急に力を得ねば、時間が無い、そう【復讐者】はレンタル。
レンタルの横の数字は残りの時間、見て観ると3は3ヶ月とゆう意味だ。
相手のログインと自分のログイン時間の都合考えて1ヶ月はチャンスが無いと看て良いだろう。
時間は無い、他に何かしら方法は無いか。
イベントリを見るがあるのは、採取物と?の地図だけ。
そういえば・・この地図は結局分からずに死蔵している。
古い物であるのだろうが?
古い物・・文字・・文章。
もしかして、あの人なら読めるかも知れない。
広場の椅子に座る老婆に目を向けた。
老婆に近づき話しかけた。
「婆ちゃんまだ俺達の事、まだ見ているの?」
「おお~あんたか身体は大丈夫かい?」
「身体?なんともないが。」
「ふぇふぇふぇ、あんたがさっきここに来るときの光が真っ赤だったからのう」
「赤?」
「うむ、赤い光の時は皆、悔しそうだからの~何かあったのじゃろうと、思ってのう~。」
どうやら死に戻りは虹色の光ではなく、赤い光らしい。
「婆ちゃん、ちと聞きたいことがあるんだけど。」
「なんじゃ~こんな老い耄れで役立つならば良いがの~。」
「これ、なんだけど、解る?」
そう言いながら、地図を見せる。
「ふぇふぇふぇ、これまた、珍しい物を持っているんだね~これは古代の文字じゃよ。」
「古代の文字」
「そう、今は使われぬ太古の文字じゃ【古代語】を取得した者なら読めるかもの~しかし婆にはさっぱりじゃ、力になれず、すまんの~」
「古代語。」
「うむ、言語に精通した者が覚えるとも、言われるの~。」
もしかして!
「いや、助かったよ、婆ちゃん。」
「お~お~何か解ったかい?それは良かったの~。」
ああ、十分すぎるほどの情報だ!
婆ちゃんと別れて路地でスキルを確認する。
【言語LV5】選ぶと目的の物が出てきた。
【言語スキルをアップグレードし古代語に変更しますか?】
アップグレードとは、スキルLVを限界まであげると上位もしくは別種のスキルに変換できる。
物によっては複数の中ら選択する物もある。
迷わず[はい]を選んだ。
やはり、お婆ちゃんの知恵袋みたいな?
【古代語スキルを修得しました。】
【古代語】(現在の言語と古代に使われている文字が読めるようになる。)使用SP10 残りSP7
後悔はしてない。
これで読めるはず。
地図を開く、とそこには。
【???の地図】(強さを求める者よ、我が元に来い、さすれば力を授けん)
何の地図か結局は分からない、どうやらスキルのレベル不足で分からないが?
力をくれるのか、それとも罠か、いやもう時間は限られる、行くしか無い。
まずは、取得したドロップ品を買い取り所に売り、消耗した物を補充する。
取得した物で、矢を鉄の矢にし、サブ武器にダガーを買った。
【粗鉄のダガー】{コモン/4 攻撃力10 重量3 耐久値100 消耗率小アップ}(材質の鉄に不純物があり物としては粗悪品である)
これはNPCの店の品物だ、サブ武器はメインの他に装備できる物だ、盾・小型武器を装備できる。
よくある二刀流だが、出来ない事も無いが、普通は無理だ。
かの有名な宮本武蔵が二刀流で有名だが、実際はメインの刀が折れた時に直ぐに替えて不利にならないようにするためらしい。
刀は当時、消耗品に当たるため折れやすく刃こぼれしやすい、人一人切れば脂や骨のせいで切れ味が極端に落ちる、だから交換ようの刀を持っていたとゆうらしい。(諸説ありますが)
【鉄の矢】{コモン/2 攻撃力5 重量1 耐久値6}(鉄の鏃で出来た矢)
これは、木の棒・羽・膠で作った。
鉄の鏃は鉄片を加工して、膠は狼の皮一枚と水で沢山出来た。
全てクラフトスフィアで作った。
クラフトスフィアは如何やら昔のゲームのメニューからボタン一つで出来るシステムをより改良し、複雑にしたものだ。
例えば、刀剣の造りかたの場合まず、刀身の材質を選び次に形状の選択、切先は鋭利にするか処刑刀の様に丸くするか、刀身の反りはどれ位にするのかなどがあり、他にも鍔の形状、握りの材質、形状の選択、柄頭の有無、装飾の有無などを決めると、ようやく完成する。
物によっては時間が掛かる物もある
この形状の選択は図書館の本や店売りの品を見ることで選択、出来る。
図書館の本の題名は【刀剣解体新書】イラスト付きだ!
今回の鉄の矢の鏃は普通の形状を選択した。
材質によっては、強度不足で選択できない形状もある。
しかし、相当無茶が効くようで、正しく制作チート!
今はクラフトスフィアを一つしか創れないし使い過ぎれば砕け散る様だ。
レベルが上がれば違うかな?
準備が完了した時には夕暮れになっていた。
地図の場所を調べて観た所、そこは西区の門を出てすぐ近くの墓地が目的の場所だ。
墓地が目的地て・・・滅茶苦茶罠臭い!
目的地の近くまで来たが、もう夜になってしまった。
しかし、夜のフィールドはホントに暗い、昼間の半分位しか見えない。
他のプレイヤーは夜は外には出ず、南の修練所でアーツや戦闘スキルの強化に勤しむのもわかる。
それに夜のフィールドでは不意討ちや同士討ちなどを起こしやすいのもこの暗さなら納得できるし、敵は一段階強いらしい。
木に囲まれた墓地まで来たが不気味だ、やっぱりファンタジー物の定番のゾンビ・ゴーストなどがいるらしい。
本に記される、ゾンビ・ゴーストは(死霊種){既に命が無く、理性も無くしている痛覚が無いのでひるまない退かない、光の属性に極端に弱い。死霊術者に使役されることもある。}こう書いてあった。
そんなことを考えながら周りを見回すと、周りには墓石が立ち並び不気味さを醸し出す。
「ホラー物・・・苦手なんだけどな~」
マジで。
どうやら、地図の示す場所は墓地の最奥らしいので進むしか無い。
ここは安全地帯になる、何故なら墓地の中央には広場にある柱を少し小さくした物が薄ら緑に光っている。
この柱はセーフティースタチューと呼ぶらしく、エネミーを町に近づかせない様にする効果があるらしい、が、ある特定条件では効果を無くしてしまうらしい。
ビビりながらも最奥に到着すると。
人影が見えたので近づきながら話しかけた。
「貴方が、力を与えてくれる人ですか?」
「・・・・」
?応えがない?
もっと近づいて話しかけた。
「あの~聞いています?」
「・・・・」
更に近づいて話し掛けようとしたら全身がハッキリと目視できた。
他の墓石よりも一段階大きくも質素な物の前に座っていた者の姿は。
プレ-トアーマーの様な物を纏った・・・ガイコツだった!
少しの間、思考が停止した。
「やっぱし!罠かー!」
直ぐに弓を構え、矢を番えたところで、ガイコツに怒鳴られた。
「この、馬鹿者が!敵識別からの迎撃準備にどれだけ掛けとるかー!もしも儂が敵ならば!お主など100回は死んどるぞ!やる気あんのか!?」
めっさ、怒られた。
なんか、口や目の部分から青白い煙吐きながら言われた。
そんなことを言われても、ここって安全地帯でしょ?いやまて、今、弓を構えられたとゆうことはここだけ通常フィールドとゆうことか?
「いつまで、呆けている、お主であろう力を欲する者は。」
落ち着いた感じのハスキー声で、そう言ってきた。
「ええ、そうですが?貴方はどなたですか?」
正直に聞いてみた。
だってどこからどう見ても【スケルトン】しかも上位存在の【スケルトンウォーリアー】だしたしかスケルトンは死霊種でしかも弓が効きづらいらしい。
武器にはそれぞれの隠し特性がある。
それは、斬・打・突の三つである、代表例は次の物だ。
剣は斬撃・打撃特性を持ち攻撃方法、そう突き攻撃では刺突特性になる。
曲刀と打刀(日本刀)もあるらしいがこれは斬撃特性が強い。
ハンマーなどの打撃武器は当然、打撃特性一極だしかし、前に話したが硬い敵も倒せ易い。
弓は矢にもよるが、刺突特性である。
そしてスケルトン系は矢などの刺突特性は効きづらいのだ。
しかも、この謎のスケルトン(?)は強そうだ!
「ふん、まずは名を聞くなら自分から言うべきでは無いか?」
理性的だ、第一声は別にして、とゆうか・・このスケルトン(仮)もしかして武人気質なのか?
こういう時は、「失礼しました、非礼をお許しください、自分はクロエと言う者です。」
まず、詫びをしてから名前を名乗るのが正解だと思う。
「ふん、異界人か、何故力を得たい、小僧。」
まるで、値踏みするように聞いてきた。
ふむ、決まっている。
「力を得たいとゆうことに意味が必要ですか?」
復讐に必要だからと言う訳ではない、結局はどんな世界でも力は必要であると思い出したからだ。
実社会でもそうだ、コミュニケーション能力、財力、これらも全て(力)だ。
「力が悪では無い、使い方で正悪が決まる?そうではないですか?」
「カカカカ」
口を震わし、笑った様だ?
「そのとおりだ、小僧、力に正も悪もない全ては己次第だ!」
そう、肯定してきた。
「気に入った、小僧、力得るかどうかは己次第だけだが、どうする?」
そう言って後ろ向き墓石に近づき歩いていくと、墓石が動き出した。
なんと、そこには先が真っ暗な地下に導く階段が出現した。
「なにー」
「くくく、覚悟があるなら付いて来るが良い、覚悟があれば?」
そう言って、名も名乗らずそのスケルトンは階段を降りていった。
ここまで来たら行くしか無いだろう!
は~鬼が出るか蛇が出るか?
スケルトンの後を追い俺も階段に歩み寄った。
「(ホラー苦手なんだけどな~)」そんなことを、思いながら階段を降りた。
そうして、俺は闇の中に入って行った。
第五時間終了
補足
他の女神は本編には、名前さえもでませんが設定ではあります。
ついでにこの女神達の関連するスキルも有ります。