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追憶のVRMMO記  作者: 天引村江
6/31

第4時間ゲーム世界のリアル


さて、この自称物乞い男はどんな情報を持っているのやら。

ログイン限界時間が近づいてきたので、図書館から出てログアウトするため路地に入った所でこの自称物乞いの男に出会った。

この謎の男は自分に金を渡せば、代わりに情報を渡すと言ってきったが胡散臭い。

「さて、おっさん、ホントに俺に有力な情報をくれるのか?」

ヤンキー座りでおっさんに強気で話しかけた。

こうゆう現物の無い売買はよく審議しなくてはいけない、何故ならばその情報が偽りだったとしても、けして人のせいには出来ない情報とは生き物だ、次の瞬間には偽情報に変わっているなんてざらにある。

それで散々、前のVRゲームで酷い目に会ったからな。

「へへへ、旦那、有力か有力じゃないかは旦那が決めるしかないんじゃないかね~」

やはり、一筋縄ではいかないか!

「おっさん、俺にドブに金を捨てろと言うのか!?」

「ドブって酷い事言うじゃないですか、旦那~でも確かに言われるのも仕方ね~や」

そう、苦笑交じりに応えた。

「じゃあ、こうしやしょう今回だけサービスということで、どうでしょう?」

ふっ、勝ったな!

「どんなことを聞きたいですかね?旦那。」

「じゃあ、ここの図書館以外でそれも誰も知らない様な情報があるところを知っているか?」

やはり、優先するのは情報だ!

「そ~ですね、王都にある大図書館は誰もが知っているしな~」

王都にも図書館があるのか。

男は思い出した様に次の場所を言った。

「そうそう、この町から王都に向かう道の途中に北の森があるのですが、その中に昔、魔道武具の研究をしていた錬金術師が住んでいた館があると聴いています。」

魔導武具とは武具に特殊なアーツ・スペル・スキルが付与してあるレアティの高い装備だ、現在手に入れた者も作り出した者もいない。

「おいおい、そんな近くにあるなら等の昔に荒らされているだろうが!」

「それが、ですねその館には強力なガーディアンが護っているから誰も館には入れないんですわ。」

おいおい、それじゃ意味が無いじゃないか!

とりあいず、聞くことはきいたし、ログアウトするか。

「分かった、もしもその情報が本物ならまた来てやる何時もここにいるのか?」

「へへ、場所は転々としていやす、あまり一つの所に居ると衛兵に捕まるんでね。」

衛兵に捕まるのか?たぶんこの男にはなにかあるな?

「気が向いたら探してやる。その時は金をやろう。」

「へへ、約束ですよ、旦那。」

そんなことを言って別れて、しばらく道をたどり今日はログアウトした。




(次の日)

昨日の続きの情報収集だ。

ログインしたが、如何やらゲームの世界は夜の様だまだ、周りが暗く街灯に光が灯っている。

司書さんに挨拶を交わし、本を読んでいく。

手に入れた情報は次の通りだ。

俺の持つレア防具のコート・オブ・ブラックの意味不明の◆(黒ダイヤ)マークは如何やらバージョンアップする回数で方法はそのマークを押すと知ることが出来るらしい。

早速、調べるとこう書いてある。

【数多くの魂の塊を吸収させることにより、この装備は更なる力を持つことが出来る。】

(魂の塊)が、また意味不明だが、調べると分かった。

魂の塊とはエネミーのレアドロップ品の魔石・魔結晶・魔玉の様だ。

どれ位必要かわからないので後だな、それに持って無いし。

採取に注意が必要な事があるこのゲームの世界の資源は枯渇する。

回復するにはリアル時間で半月ほど掛かるらしい。

特別なスキルは必要ないが、鉱石はピッケルを使用し、薬草などの植物はスコップを使う、木材は斧を使う。

その際はスキルの【採取技能】があると便利らしいので取得しておく。

【採取技能】(技能スキル、採取物の発見や質のいい物を手に入れることが出来る)消費SP4

現在残りSP26     使用アーツ{物品サーチ}

せっかくユニークスキルが生産系なので取ってみたがSPが本格的に減ったのでそろそろ外のフィールドでエネミーでも狩らないと、お金も手に入れなければ。

エネミーからのドロップ品は南地区の素材買い取り所で売れるが需要と供給があるらしく、値が少し変動するらしい。

ちなみにゲームのお金の単位はG(ゴルド)というらしい。

金属でGOLD(金)があるからか、そんな名称になったのか?

残りの情報を集めますか。



情報集めに三日かかたが有力な情報が沢山あった。

それに、ステータスも上がった【言語】スキルもレベルアップした。

(プレイヤー)ネーム】クロエ

【HP/MP】60/60

(プレイヤー)スペック】

筋力7(+4) 精神7(+2) 敏捷6(+4) 耐久7(+2)

【スキル】【神々の工房LV1】【弓LV1】【斥候LV1】【体術LV2】【言語LV5】【採取技能LV1】

(ソウル)(ポイント)】42P

三日間、別に本だけ読んでいた訳ではない、採取道具を揃えたり司書さんの頼みで本の整理を手伝ったりしていた。

そのせいか?精神と筋力、耐久が多い。

それはなぜか?それは雪崩が起きたからだ。

HPが町の中で減るとは、安全地帯のはずだが?

後でこの発見が自主禁止行為《偽装殺し》を使った事件に繋がるがそれはまたの機会に。

さて、町の南から外に出るか。

この時、自分を見つめる者がいることに気いていなっかた。

その視線は昔プレイしていたゲームで狩るものだった自分の視線と同じであることに。


町の外にやってきたが。

初日とちがい他のプレイヤーは見かけない、どうやら森や王都・南の町など別の場所に行っているのだろう。

ちなみに、現在の装備は流石に初期装備では心もとないので店売りの物にユニークスキルで少し改造してみた。

【胴体】木の皮と鉄板の胸鎧・改{コモン/5 防御力10 重量6 耐久値100}(木の皮を幾重にも重ねて作った胴体を守る鎧の表面に鉄の薄い板を合わせた。)

残念ながら金が無くこれしかないが性能はまあまあだ、改造前の防御力の2倍になった。

改造法はチュートリアルで手に入れた鉄片を延ばし作った鉄の薄板をくっ付けた物だ。

木の皮というが、古代には紙の鎧が実際にあったらしい、性能は弓矢も防ぐ優れものだと。

ちなみに、製法はパピルスとゆう古代の紙を膠で何重にも重ねることで軽く、矢も通さない鎧になるとゆう、この世界でも作ってみるかな?

そんなことを思いながら、町の周囲を確認して見ると最初の獲物を発見した。

見つけたのは【野兎】だ。

野兎はアクティブエネミーではなく中立の環境生物に分類される。

環境生物とは野生動物を主に指し、他にも鳥、猪、狼などがいる、攻撃をして来る者もいるので注意が必要である。

とりあえず兎を狩るか。

弓を構え、石の矢をつがえ弦を弾き絞った。

兎は気づいてはおらず、草を食っている。

「ふっ。」

胴体部に目掛け矢を放つ。

矢はいっ直線に兎に飛んでいき、胴体に当たった。

兎は、キューと甲高い声をあげて地面に倒れた。

【兎肉を取得しました。】

どうやら狩れた様だ、え、罪悪感は無いのか、有りませな~。

人が生きるためには他者の命を頂くそれ真理!

まー、実際可愛い者ほど後ろで鋭利なナイフが光っている。

(女性とか?)

取得したのは兎肉、チョットグロイ。

次だ、次の獲物を探そう。

あとから知ったが兎を狩ったプレイヤーはあまりいないそうだ。

見た目可愛いからね。



町の周りを巡り、採取とエネミーを狩ること数時間経った。

手に入れた物は、治癒草・低毒草・羽・狼の皮・石ころなどだ。

治癒草は回復アイテムの材料になり、低毒草は弱い毒薬に使うが他にも使い道があるみたいだ。

ステータスも上がった。

(プレイヤー)ネーム】クロエ

【HP/MP】65/60

(プレイヤー)スペック】

筋力9(+4) 精神7(+2) 敏捷7(+4) 耐久8(+2)

【スキル】【神々の工房LV1】【弓LV3】【斥候LV2】【体術LV2】【言語LV5】【採取技能LV3】

(ソウル)(ポイント)】57P


時々、森の近くを通ると森から【狼】や【レッサーゴブリン】が襲ってきたので倒した。

狼は環境生物に属しているが、レッサーゴブリンは亜人族鬼人種に属するアクティブエネミーだ。

まあ、お馴染みのファンタジーに登場する魔物とゆう奴だ。

図書館の本にはこう書いてあった。

(鬼人種){額に角が生えているのが特長、小型種から大型種までおり小型種は集団的に行動し役割や連携もする。逆に大型種は単独行動であるが大型種に随伴する小型種もいる。}

だが、レッサーゴブリンは余り強く無かった。

攻撃方法が殴りや噛みつきが主な攻撃だったので、蹴り飛ばして弓で射殺した。

たぶん名前にレッサー(下級)とついているからだろう、普通のゴブリンは強いらしい。

ぐるりと巡り北に目を向けるとここからでも大きいと分かる山脈が見える。

<絶壁>と呼ばれる場所で、何でも行くまでも大変らしい。

飛竜の生息域で未だ誰も攻略していないらしい。(クロイツ談)

東は<王都方面>南は<海>にたどり着き途中に<ダンジョン>がある、海の近くには、町があるらしい、何時か行ってみよう。

そして、西は小高い丘と<坑道>がありその先には、<古き樹海>と呼ばれる魔境だ。

β版に既に実装しているが、誰も奥まで行った者がいない。

あるプレイヤーパティーが行ってみたが、あっという間に死に戻された。

本人たちは、「何が何だか判らずいきなり死んだ。」と言っていったらしい。

さて、矢も使い切ったし取得アイテムを売りに町に戻るか。

そう思い町に戻ろうとした時それが起こった。

風切音がしてから、いきなり地面に倒れたのだ。

何が何だかわからず、混乱していると声が聞こえた。

「おい、おいここまでするか?」

野太い男の声が後方から聞えてきた。

「ま、念の為だ、抵抗されたくないし、顔を見られたくないからな。」

こんどは少し若い声だ、楽しそうに会話をしながら近づいてくる

目の前には【マヒ4】と表示されている。

ダメージと状態異常を受けている、マヒ4とはマヒの度合だ。

1で移動阻害 2で足が動かなくなり 3で腕が痺れ攻撃精度が落ち 4は完全に動けなくなる、受けたのはマヒ4、どうやら音は聴こえるらしい、マヒ5になると死んだ後も暫くマヒ1の効果を受けると、図書館の本に書かれていた。

「兄さん悪いな、でも直接PKはシステムで許されるからな。」

やはり、PKか油断した矢が尽きたのを確認して仕掛けてきた。

「いや~いい装備しているからさあ~俺ほしくてさあ~」

と若い奴が言ってきた。

狙いはコート・オブ・ブラックか。

若い奴がマヒさせたのか風切音から弓か!

「俺のコレクションにしてやるからな。」

「ま~運が無かったと諦めな。」

シャリン

剣を抜いた音がした。

ドス、ドス、そんな音と共に次の瞬間、目の前が赤く染まった。

暫くすると世界が灰色に変わり段々と暗くなってきた。

真っ暗になり、どうやら完全に死んだ様だ。

この灰色から完全に暗くなる前の30秒間に蘇生させられるが現在蘇生手段は【治療術】スキルの最上位にあるアーツが必要だ。

蘇生アイテムは確認されてないが、作り(・・・)は知っている

『くそ、忘れていた、いつの時代も人間の最大の敵は人間だと言うことを。』

そんな悪態つきながらリスポーン時間を待った。



どうやら町の広場に戻された様だ、目の前には初日、見た大きな柱が鎮座している。

自身を確認すると、やはりコート・オブ・ブラックを奪われた。

メニュー画面を確認したら装備だけではなく、SPも半分とられた様だ。

現在SP27Pになっている。

さて、どうしたものか?

取り返すのは決定事項だ、あんなのを許したらつけあがるのが目に見える。

しかし、どうする、今は手が無い相手はどこにいるのかわからないし会ったとしても返す訳ない。

やはり、殺して奪い返すしかない。

売られることはないだろう、何故なら若い奴は「コレクション」と言った。

多分、奴はコレクターだ、おいそれと売り渡すことはないだろう。

その他の確認をするためメニューを開いた時それは来た。

【手紙が来ました。】

イベントリを確認すると見た事も無いアイテムがあった。

【復讐と断罪の女神レリスからの手紙】

そのアイテムがこれから俺の切り札となる。


第4時間終了

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