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ヤマメとの生活  作者: kanisaku
86/100

独占

ヤ「ケンは私だけの物~♪私以外に渡さない~♪」

ケ「なんだよその独占欲丸出しな歌は…」


皿洗いをしながら陽気に歌うヤマメに横で食器を拭いていたケンは突っ込みを入れる。


ヤ「だってそうでしょ?ケンだって、私以外の女は愛せないって言ってたじゃない」

ケ「そうだけども…そんなストレートに歌わくても」

ヤ「相手に伝わりにくい恋りも、素直に伝える愛の方が良いに決まってるわ」


慣れた手つきで食器の汚れを落としていくヤマメはそう言う。確かに、遠回しに気付きにくいことを色々いわれるより、素直に「好きだ」と言われる方が分かりやすい。


ヤ「だから私は素直に言うのよ。ケンが大好きって」

ケ「ふーん」

ヤ「何度も言うようだけど、ケンは私以外の女なんて好きにならないわよね?眼中にないわよね?」

ケ「まぁな。そもそも、ヤマメがヤマメ以外の女に目を向けさせようとしないからな」

ヤ「当たり前じゃない。ケンは私だけ見れてば良いの。他の女が居なくたって生きていけるわ」


ヤマメの言う事も確かなのだが、なんだか無理矢理すぎる気もする。


ケ「でも、なんかそれって横暴…っお!?」

ヤ「もう一度聞くわ。私以外の女…要らないわよね?」


ケンに素早く向けられた包丁が水を反射してキラキラと光る。包丁も「居ないと言え」と言っているようだった。その包丁に従い、首を縦に振る。それを見て、殺す気満々だったヤマメの冷たい表情が一気に明るさを取り戻し、何時もの笑顔を向けてくる。


ヤ「そうよね。ケンならそう言ってくれるって信じてたわ」

ケ「お、おぅ…。俺はヤマメ以外の女なんていらないぜ…」


冷や汗を掻くハメになったが、なんとか自分の命が助かって良かった。ヤマメの機嫌も良くなったし、何も余計な事を言わなければ自分が死ぬことはない。


ヤ「私と一緒に過ごしてるケンの身体は、私の手作りの料理で構成されてると言っても過言じゃないわ。つまり、ケンは私の物。私だけの物なの」


カチャカチャと食器を洗いながら言うヤマメの頬が少し赤くなっている。これだけデレデレしているヤマメでも、こんな事を言うのは恥ずかしいようだ。


ヤ「今まで、いろんな人間の男と仲良くしようとしてきたわ。けど…私の能力で3日もせずに寝込んじゃうの。最初は看病してたんだけど、原因の私が傍に居たんじゃ意味ないわよね。死ぬ人もいたわ」

ケ「そんなにヤマメの病気って危ないのか…?」


恐ろしげに聞くケンに、安心しても大丈夫だと補いたげに言う。


ヤ「人によってかかる病気は違うみたい。軽い熱や風邪がずっと続く人もいたし、私と一緒に居て数時間で吐血する人もいたわ。妖怪はそうでもないけど、人間にはかなり効くみたいなの…。でも…」


洗っている途中の食器を置き、ヤマメは改めてケンの方を見る。


ヤ「アナタは、私の能力が効かないじゃない。だから、私がどんなに傍に居ても、どんなに甘えても、死んだり逃げたりしないでしょ?だから、ケンが大好きなの」

ケ「ホント、なんで俺だけ効かないんだろうな。皮膚感染とか、飛沫感染とか…」

ヤ「あら?あれだけ交わっておいて、今更そんな事を言うの?皮膚感染するなら、とっくにケンは倒れてると思うけど…」

ケ「確かにそうだな…。じゃあホントに俺効いてないのか。俺すげぇ」

ヤ「もう…褒めると調子に乗るんだから…でも、それも含めてケンだもんね。そんなケンも大好きよ」

つまり、多少顔が良くて、病気が効かなくて、ヤンデレに耐性があるのであれば、ヤマメと付き合うことが可能…!

俺はっ!

病気→たまにかかる。

顔→荒野または焼野原、がれきの山

ヤンデレ耐性→実際になるとヘタレて怯える

住処→そもそも幻想郷に行けない


あ…全然だめでした。くそぅ、ヤマメとは過ごせないというのか…。



そういえば、昨日の閲覧数が二回目の1200回突破を記録いたしました。そろそろ終了だというのにお気に入り件数も数件あり、嬉しい限りです。見てくださっている読者様の方々、本当にありがとうございます!

終了まで1週間を切りました。残りの数話も、よろしければお付き合いくださいませ。



読者様につかの間の安らぎを

            「kanisaku」

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