表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤマメとの生活  作者: kanisaku
5/100

散歩、抱っこ

地底を流れる川を沿って歩く二人。首輪で繋がれ、暇そうな表情をしているケンとは裏腹に、ヤマメは上機嫌だ。

  ヤマメ「楽しいね~♪」

  ケン「俺ぁちぃぃぃっとも楽しくない!手首蒸れて痒いし、首輪が喉に当たって痛いし、歩き難い!」

  ヤマメ「わがまま言わないでよ。これしか貴方を守る方法は無いんだから…」

  ケン「もっといい方法があるのにな~」

  ヤマメ「それは何?」

  ケン「手錠と首輪外したら教えてあげるよ」

  ヤマメ「それはダメ」

  ケン「ヤマメを抱きながら俺が歩けば、ヤマメの体温を感じられるし、俺も幸せで一石二鳥なのにな~」

  ヤマメ「…」

誰に言うでもなく、ワザとらしく呟いた言葉をヤマメは聞き逃していなかった。実際、幸せなことは確かだ。学校じゃ同級生の女子は全部不良グループだったりサッカー部や野球部とばっかりつるんで、俺が入り込む隙なんて無かった。でも女性とやってみたいことはたくさんある。その内の一つが今叶おうとしているのだ。

  ケン「どう?」

  ヤマメ「…やってみるわ」

  ケン「やった。じゃあ、これ外してくれ」

  ヤマメ「お姫様だっこなら首輪と手錠をしててもできるでしょ?」

  ケン「せめて、手錠だけでも…。じゃないとどうやって背中と脚持つんだ…」

  ヤマメ「そういえばそうね。うっかりしてたわ」

手錠のカギを取り出し、ガチャリと外され、地面に落ちる手錠を踏みつける自分。

  ケン「コイツのせいで手首が痒くてしょうがない」

ボリボリと手首をかく自分を、待ち遠しそうに妖艶な笑みで見つめるヤマメ。

  ヤマメ「ねぇ、早く…」

  ケン「分かってるわかってる。お~痒い痒い」

かき続けたせいで手首が少し赤くなってしまったが、そんなことは気にしない。ヤマメの脚と背中に手を回し、ヒョイっと持ち上げる。女性とはいえ、軽すぎる気もしたがそっちの方が楽だ。

  ヤマメ「重く…ない?」

  ケン「全然。軽いよ」

  ヤマメ「ケン…嬉しいわ。こうやっていつか、幻想郷中を巡って…」

  ケン「それは俺の腕が壊れそうだからヤダ」

横を流れる川の流れは緩やかで、深くなければ水遊びができるくらいだ。そんなことを考えていると、ヤマメがギュッと自分の首に手を回して抱き着いてくる。

  ヤマメ「ふふふ…」

  ケン「?」

  ヤマメ「ケンが私を抱いてくれてる…それをその内、布団でも」

  ケン「俺本番に興味はないんだぜ。すること自体に興味ない。ただ、女性を愛でたいだけだ」

  ヤマメ「そう…。残念」

シュンと頭を下げるが、両手は自分の後ろに回したままだ。


どれくらい歩いたんだろう。30分くらいだろうか。突然ヤマメが自分から降りた。

  ヤマメ「ケン…ん」

ヤマメの突然のキスに驚く。が、すぐに平常心を保つ。自分の背中を抱き寄せて、深いキスを数秒に渡ってし続ける。

  ケン(嫌いではないけど…毎回これ息苦しいんだよなぁ…)

  ヤマメ(ケンとキスしてる!ケンとキスしてる!ケンとキスしてる!嬉しい、嬉しい!)

口同士を離し、息を整える。

  ヤマメ「…そろそろ帰りましょう?続きは家の中ででも…いいや、今ここでも」

  ケン「そういうのはしないって言っただろ?ここでも、家の中でも」

  ヤマメ「興味ないってだけで、嫌いじゃないんでしょ?」

  ケン「興味もないししたいとも思わない。なんでだろうね?男性としておかしいと自分でも思ってる。ヤマメ…妖怪とだからかな?」

  ヤマメ「キスやくすぐりはしたくせに…」

  ケン「それは俺がしたかったからだ」

  ヤマメ「変わってるわね」

ヤマメにそういわれるが、変える気もないので特に反応はしない。

その後、ヤマメと手を繋いで家に帰ることにした。

そろそろ、外は夕方か…。

散歩中でもキスしたり抱き合ったり…羨ましい二人です。自分にもこんな彼女とかが居たらな~・・・。


読者様につかの間の安らぎを

           「kanisaku」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ