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after story~名前を捨てた勇者伝  作者: むらまき雀
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プロローグ~少年の旅立ち~

初めてファンタジー物を書きます。正直言ってよくわかりません…。おかしなところがありましたらご指摘お願いします。

 400年前、世界―<ディー>―は魔王に支配されようとしていた。だが神により選ばれた女勇者により魔王は倒され世界に平和が訪れた。

 

 城に戻った女勇者は王子と婚約した。人々は三日三晩祝い続けた。しかし、結婚前夜宮廷魔術士ハバスの陰謀により勇者は城から姿を消した。

 

 これに激怒した王子はハバスを処刑した。由緒あるハバス家は没落し、以後歴史の表舞台に立つことはなかった。

 


 その後、王子は国中を探させたが勇者は見つからなかった。勇者の仲間たちも次々を城を出て行き、世界にちりじりとなった。

 ちらほらと入る勇者情報も発見には至らず、王子は婚約解消を発表した。婚約発表から5年後のことだった。

 




 以後伝説となった勇者の行方を知る者はだれもいない。





 400年後、再び魔物達が強さを増し始めた。人々の間で魔王復活の声が囁かれるようになり、その声はラクサの住む西端のユニコーンの森にまで広がりを見せていた。


 ユニコーン族とは人間の姿で額に一本の角を持つ種族だ。ユニコーン族は誇り高く、特に額の角はその象徴だった。もし角が折れたりしたら『生き恥』と言われ自ら命を絶つ者までいるという。

 とにかく角を失ったユニコーンは大変生きにくい一生を送ることとなる。今年12になるラクサ少年もその一人だった。


 幼いころに魔物に襲われ角を失ったラクサは、もれなく一族の爪弾き者として暮らしていた。そんな辛い生活でも決して死を望まなかったのは一重に幼くしてなくした母の言葉があったからだ。


 「いいわね、ラクサ。よおく覚えておおきなさい。私たちユニコーンはとても誇り高い生き物なの。だけどその中でも私たち家族、古の勇者の片腕として、角をなくしながらも勇敢に戦ったと云われるユニコーンの英雄ラビダテの血をひく私たちはもっと誇りを持って生きなくてはいけないのよ」


 弱い者には手を差し伸べ、罪人には正義の鉄槌を。いつの日も勇者への尊敬の念を忘れず、その崇高なる精神を鍛えよ。


 寝物語として聞かされた話。幼心にもこの身にに流れる英雄の血に胸が高鳴ったのを覚えている。

 そして興奮冷めやらぬ中、遥か昔、勇者とともに世界を救った英雄の血を引く者として、誇りある生を生きようと誓ったのだった。





 その誓いは今も胸の中、生きる寄る辺として掲げているが、年に一度の成人の儀には落ち込む心を抑えきれない。

 

 ユニコーンの成人はある年齢が決まっているわけではない。家長の許可を得た少年(暗黙の了解として12歳以上)は自分で拵えたナイフ一本で森の獣を一頭狩る。それができて初めてユニコーンの男として認められるのだ。

 もちろんこれには角があるという前提条件がある。口惜しいことに。

 したがって、ラクサは今年12歳であるが成人の儀を受けることができない。さらに言うならば一生成人することが出来ないのであった。


 ラクサはこの日のためにと一生懸命作ったナイフを見つめた。そう、ラクサはもしかしたらという思いを込めて作っておいたのだ。無駄になってしまったが。

 勇気を出して族長に直談判に行ったが、会わせてももらえなかった。


 「はあ……」


 ラクサは今日何度目かのため息をついた。集落の中央広場に今年成人を迎える少年たちが集まっているのが見えた。

 その手にそれぞれのナイフと狩った獣を持ち、その姿は実に誇らしげだ。

 ラクサはもう一度自分のナイフを見つめた。

悪くない出来だ。

ナイフの作り方など一族の誰もラクサに教えてくれた者はいなかった。悔しくて悔しくて、根性で作ったナイフにしては、それはとても立派な出来だった。

否、きっとあの中の誰よりも上手く作れたはずだ。ラクサは一人ごちた。

 だってこれは……。


「それ、成人の儀のナイフ?」

「!!!」

 ラクサが考えに浸っていると突然後ろから声が聞こえた。

 驚いて後ろを振り向くと、奇妙な服を着た若い人間の女が立っていた。


 女は呆然と自分を見上げるラクサに近づくと、ちょっと失礼と言ってひょいっとナイフを取り上げると四方からじっくりとナイフを見つめたり、ナイフで実際に木の幹を切りつけてみたりして「ふむふむ」と何やら考え出した。

 女の突然の行動に最初はわたわたと慌てたラクサだったが、女の思いのほか真剣な様子に次第に黙りナイフの出来栄えの結果をまった。

 

 そして十分に時間をとると「うん」と言って女はナイフを返して言った。 

「一人で作ったんでしょう?丁寧だし、うん、いい出来だよ」

女はラクサを見てニコッと笑った。

 数秒後褒められたことに顔を真っ赤にしたラクサを見て、女はこれからのラクサの一生を変えるであろう言葉を言った。


「あなた、私の弟子になりなさい」



 こうしてラクサは女の弟子となり、女はラクサの師匠となった。二人はその日のうちにユニコーンの森を旅立った。



 ラクサ12歳の春、長い旅の始まりだった。


 


書き始めちゃいましたファンタジー物。この分野読むのは好きだけど書くのは難しーー!

読んでくださった方に感謝!!

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