とりあえず死んだって話
あらすじはめんどくさかったからAIに書いてもらいました
ここまで、か。
腹にはいくつもの穴が開き、そこから生命そのものとも言える赤い液体が、絶え間なく床に流れ落ちている。
「約200人も用意してようやくか…やっぱり怪物だよ、あなたは」
目の前の男から、呆れたような、それでいてどこか陶酔したような声が漏れる。
この男こそ、俺が最も信頼し、それでいて、この状況を招いた張本人『御乾詩飛』だった。
ここら一帯を取り仕切る半グレ組織『菰怒銅鑼魂』。俺はその頭を張っていたのだが、側近からの裏切りに遭い、このザマだ。
本来であれば、ここにいる奴ら全員俺の敵ではないのだが、多勢に無勢だ。まぁ、いくら個人の力が優れていたって、こうなるのは必然だった。
だがしかし、どうも解せない。どうせ死ぬのならばと、俺は肺に残った空気を使い、詩飛に対して、頭に浮かぶ疑問を投げかける。
「お前さ…なんで、俺を裏切ったんだ…?」
俺なりに、こいつのことは重宝してきたつもりだった。金も、女も、地位も、こいつが満足する程度には与えてきたつもりだ。
たとえそれで満足できなくなり、俺を裏切って自分がトップに立ちたくなったとしよう。しかし、革命によって得た地位は必ず反感を買う。それが分からないほどの愚者ではないだろう。
詩飛はゆっくりと俺の前に膝をつき、血に濡れた俺の顔を覗き込んだ。その瞳には、野心などという安っぽいものは宿っていない。
「地位とか、金とか、女とか、そんなくだらないもののために僕が動くと本気で思っているんですか、あなたは?」
詩飛の声は、ひどく冷ややかで、同時に熱を帯びていた。
「言ったでしょう、あなたは怪物だって。…怪物なんですよ。強すぎて、正しすぎて、慈悲深すぎる。あなたがトップに居続ける限り、この『コモドドラゴン』はただの統率された軍隊になってしまう。あなたの色に染まった、あなたのための玩具に」
「は?」
未だ理解が追いつかない俺を尻目に、詩飛は話を続ける。
「僕は見たいなぁ…あなたが築き上げたその美しくも狂暴な帝国が、あなたの信頼した人間に踏みにじられ、ガタガタに崩れ去る瞬間を。あなたが絶望して、初めて『人間』として苦悶に顔を歪めるその瞬間を。あなたが死ぬところを……
僕にとっては、地位や金なんてものは、どうだって良いんですよ。僕にとっての最高の報酬は、あなたの『神話』が終わる、この瞬間に立ち会うことそのものだ!
あなたが死んだあと、僕やこの組織がどうなるかなんて、知ったこっちゃないんですよ」
狂っている。と、そう評価せざるを得ない。
こいつは、俺と出会ってからの人生を、俺を破滅させる為だけに費やしていたというのか。
こんな狂人のために、俺の築き上げたものが破壊されると思うと、不愉快極まりない。
だが、同時にどこかホッとしている自分がいる。こいつは、菰怒銅鑼魂がどうなろうと知ったことではない、なんて嘯いているが、間違いなく、こいつの下に組織は拡大する。
詩飛という男は、俺の隣で従順な道具を演じながら、その実、腹に抱えた狂気とともに、組織の神経系のすべてを掌握していた。俺という頭が潰れようと、詩飛という脊髄があれば、この暴力装置は止まらない。
俺を殺すために200人を完全に統率してみせた手腕。それを維持に回せば、敵対組織など一溜まりもないだろう。
「クフフ…フフ…フハハハハハ…!」
ダメだ。頭に浮かぶ未来予想に、笑いが止められない。
腹の穴から溢れ出る鮮血が、笑う度に、愉快な音を立てて床を叩く。全身に走る激痛すらも、今は愉悦の糧にしかならない。
「残念だ…あなたは最後まで、怪物であり続けるんだね」
「最後?…そんなつもりはねぇよ。俺は必ず戻ってくるぜ…その時まで、お前は組織を拡大しろ…」
詩飛が、憐れむような、それでいて深い絶望に打ちひしがれたような顔で俺を見下ろす。
だがそれも一瞬。
次の刹那、ドォン、という乾いた音が、空間に響き渡った。
衝撃は一瞬だった。熱い何かが脳を突き抜けた感覚のあと、俺を包んでいた激痛も、詩飛の呼吸音も、すべてが急速に遠ざかり、何もかもが、深い闇に飲まれていった。




