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第二十話……未知なる生命体オーガ 【第一章完結】

 丁度、太陽系外縁にワープアウトした時。

 安定制御に勤めているインテグラ号に警報が鳴った。


『こちら地球大帝国警備隊! そこの船止まりなさい!』


 ……ぇ!?

 大帝国っていうお名前なの?



「機関停止!」


『了解!』


 私が機関を停止させ、停船する用意を見せると、警備艇が横付けして、警備隊が乗り込んできた。


「臨検だ! 身分証を見せろ!」


 こうなるとポコリーヌとニャーゴは、ぬいぐるみの振りを開始する。

 私はパナッチ博士が造ってくれていた偽造の身分証を見せた。



「私こういうものです!」


「……は? しゃべるクマだと? 怪しい奴!」


 アンドロイドの技術は失われて久しい。

 警備隊に身分を説明するのがとても面倒だった。


 ……そうだ!

 パナッチ博士の紹介状を見せよう。


「……うぬ?」


 とっさに閃いた作戦。

 意外なほどうまくいったようで……。



「……なんだと、帝国の研究所への客だと? わかった。だがな、他所者は知らんだろうが、太陽系に私有の宇宙船で侵入は相成らんのだ。海王星に係留地があるから、そこからシャトルバスに乗ってくれ」


「わかりました」


 そう言われ、海王星まで警備隊に案内してもらい、無事に宇宙桟橋にインテグラ号を係留できた。

 そこから、シャトルバスに乗るのだが、何とも荷物が重い。


 冷凍保存カプセルに、タヌキと猫の縫い包み。

 ……あ、こいつら自分で歩かせればよかった。


「おい! 君たち自分で歩け!」


「ぇ~!? バス代余分にかかるポコよ?」


「そうニャ!」


 歩くのを放棄するどころか、シャトルバスのキセル乗車を企んでいた二人を歩かせる。


 海王星は重力がデカいので、有人スペースはすべて重力制御システムが掛かっている。

 他にやり様はないが、とても電気代を食うような設計だった。


 隔壁式エアロックをくぐり、乗車席へと移る。



「お客様……、すいませんが、二名分チケットをお買い求めください」


 私の熊としての胴まわりがでかいから二名分のチケットを買わされた。

 タヌキと猫がくすくすと笑ってやがる。


 こうしてシャトルバスは発進。三泊四日の行程で地球の衛星軌道上にまでついた。

 衛星軌道上から見た地球。

 青い海に白い雲、大気も奇麗だ。

 ところどころにある銀色のメカメカしい都市を除けば、とても澄みやすそうな惑星だった。




□□□□□


――地球。

 歴代人類の大文明発祥の地。

 しかし、度重なる戦乱の末、沢山のテクノロジーが失われた。


 ……だが、その地に暮らす人々はプライドが高く、いまでも自分たちが銀河の中心だと思っている。

 政治システムは皇帝を頂点に置く帝政。

 全ての星系の頂点を自負する地球大帝国を名乗る。



「……ふーん」


 私は地球について軽く調べた。

 なんだか気位の高そうな惑星なので、早く帰りたいとおもう。


「さてと、目的の建物はっと」


 私は放射能除去装置がついた大通りを通り、タクシーを拾って目的の建物についた。

 そこは野球場のように大きい研究所だった。



「B-369の生体標本です!」


「承りました!」


 冷凍カプセルの引き渡しはごくすんなり行われた。


「他の標本をみていかれますか?」


「……ええ、そうします」


 特に例の生物に興味はなかったが、することがないので見物することにした。

 するとどうだろう、カプセルに入れられて展示している例の生命体は300体を数えた。


「あんまり珍しくないポコ?」


「ひょっとしたらそうなのかもしれない」


 それより私が思ったのは、コイツ等生きているんじゃなかというくらい標本に迫力があったのだ。



「有難うございました!」


「またお越しくださいね」


 受付嬢に優しく見送られながらに研究所をでる。

 特にこれといったこともなく、我々は地球と太陽系を離れた。



「やっぱり例の生命体怖いポコね!」


「ああそうだな」


 工場に戻っても例の生命体への違和感はぬぐえない。

 冷凍されているだけで生きているのでは?

 そう思えるだけの違和感があったのだ。




□□□□□


――二週間後。


 お昼のニュースを見ているとき、いきなり画像が変わった。



「我々ハ、オーガ。人間ヨリ先ニ地球ニ住マウ者」


 驚いたことに例の生命体が星間TVをジャックしてしゃべっている。


「……我々ノ母ナル星、地球ハ奪回シタ。略奪者デアル人間ドモハ、スグニ退去須スベシ」


 その後の動画には、例の研究所からも武装した謎の異星人たちが出て来たり、人間側の地球の指導者があわてて太陽系を脱出する映像が流れていた。


「冷凍してもいきていたニャーね? てかしゃべれるのニャ?」


「多分なぁ……、でも喋れるのは上位種だけかもしれないけどね」


 こっちが例の生命体を地球に集めるのも計算内だったのだろうなぁ。

 こうして奇襲の形となり、人類の母なる惑星、地球は未知なる生命体【オーガ】によって占領されたのだった。


 これに対し、各地の人間側の星系は連盟を組んで【オーガ】に宣戦布告。

 地球への遠征艦隊を準備する星系も出てきた。



 こうして、人類と未知なる生命体【オーガ】は前面衝突を余儀なくされた。

 クマになったジローさんの運命は如何に?


――第一章【完了】


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― 新着の感想 ―
[一言] 第二章いつまでも待ってます
[一言] 第一章完結お疲れ様です!! これは、もしや……ノンマルトみたいな展開になるのか、それとも相手の戯言なのか(;゜Д゜)
[一言] 聖地地球が占領されましたか。 第一章完結お疲れ様です。
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