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「魔王製造計画とは何ともぶっ飛んだ事を考える子だね」
「さすが兄上の子ですね」
「あはは!褒めないでくれ!!」
「褒めてはいません、殺すぞ」
扉の向こうから聞こえる言葉の数々から背を向けて私はそっと立ち去った。
みていません。伯父様の椅子になったレオお兄様とかミテイマセン。
ですが、この件は普通に楽しく黒幕やりかけてたレオお兄様が悪いので私には何もできません。
それにしても、魔王関連アイテムをお姉様の婚約者様の実家が封印完了していたのは嬉しい誤算です。
ヒロインはヒュバードお兄様と結ばれて幸せそうだし、レティシア様は婚約解消することなくそのまま王太子妃になるし、ローズお姉様も大好きな婚約者様とラブラブですし概ねハッピーエンドが近いのでは…?
「これが魔王関連の魔道具を探していなければ今頃、封印が外れて復活していた可能性が高いだろう?そうなるとまぁ、悪影響は出ていないからセーフではあるよねぇ」
というのが伯父様の見解である。それはそれとしてやらかしているので椅子にされているし、揺れれば「椅子が動かないの」と頭をガチで殴られている。伯父様、容赦がない。それと前から思っていましたが相当やばい方なのではありませんか?私に野生動物の捌き方とか教える謎の伯父様でしたし。
「お嬢様」
リズベットに呼ばれると、その後ろからひょっこりと婚約者様が顔を出して笑顔で手を振った。
「フィー、こんにちは」
「ごきげんよう、クリストファー殿下」
「君にはいつもクリス、と呼んでほしいな」
そう言って私の手を持ち上げて唇を落とす。顔が瞬時に熱くなる。
でも、そういうのは二人っきりの時の方がいいと思うのでそう言うと、彼も何だか少し嬉しそうに笑った。
ドゴン!と何か大きな音がしてそちらを向くとレオお兄様が大きなたんこぶを作っていたし、伯父様が足を引き摺って運んでいた。なお、そのまま階段を降りているので伯父様が歩く度に鈍い音が聞こえるし、「ちちう、父上!ゴッ」ってなんている。イケメンなのに残念度が高い。
「フィーネ、世話をかけたね!」
「い、いえ。あの、伯父様?」
「クリストファー殿下、お目汚しを失礼いたします」
「アルバート、床に赤いものが付いているが」
「本当だ。ライナルト、掃除を頼んでもいいかい?絨毯とか使用できなくなったものがあれば請求書を回してくれ」
エグい。
顔の半分を派手な仮面で覆った伯父様を見ながらそう思った。
にっこり笑っているけどこれ多分、「治癒はするな」の顔である。
そのまま引き摺って、馬車に放り込んだ。
「アルバート、ギルバードと喧嘩するのは面倒って言ってたから結構怒っているな」
「……困ったことにお父様を揶揄うのはお好きなのですけど」
お父様が本気で怒る手前で止めるのが得意なのである。そんな特技はいらない。




