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「特にできない子、というわけでは無さそうだけどアルヴィン達は普通の子の気持ちにちょっと疎いからねぇ」



灰色の髪を緩く結んだ片眼鏡の青年は如何にも「研究者」という風貌だ。頭にどかっと紫色の兎が座っていることで人畜無害な感じが出ているがバッチリ乙女ゲーム界の黒幕系教師である。

そもそも、なぜ「他の子と比べないで教えてくれる家庭教師頼んで!」っていうおねだりでレオナールが現れるんだ?と思いました。でもそういうのは全くなしで教えてくれたおかげで勉強が進捗しました。

もういいの。私は公爵家令嬢とはいえ他の姉兄の出涸らしかつモブ令嬢だから黒幕系でもなんでも役に立つなら使うのです!!メインストーリーやらなんやらは知らん!


というか、レオナールが計画を進めるのがまさに春。ヒロインの編入したあたりからなので今は何にもしてないのよね。



「春からは学院生だから教えてあげられないけど、それまでは見てあげるよ」

「ありがとうございます、レオお兄様」



巻き込まれないように媚び売っとこ、と思って手を組んでキラキラ笑顔でレオナールを見上げた。つるぺた童女ボディとはいえフィーネは美少女なので許されたい。

良い結婚相手を見つけるためにはある程度賢くないといけないらしいのだ。見た目小学生っぽいので余計に他のところで価値をつけないとまずい。

あとフィーネの勉強習熟度がばっちり自分に跳ね返ってきているので本当に今努力しとかないと学院に入ってアレな成績取った瞬間、周囲にプークスクスってされる。なまじ上が優秀なので。


せめて…!せめて姉妹一の美貌の持ち主とかだったらまだそうなったかもだけど私はもうすぐ合法になってしまうロリである。


救いは親の地位と、両親と推しの方の姉とはそれなりにコミュニケーションが取れることだ。

他の姉兄?まぁ、仲は良くない。

手紙とか「階段から落ちるなんて余所見でもしていたのか?勉強も進んでいないのに集中力を欠いでいるとはどういう了見だ」みたいな感じである。元のフィーネなら恥ずかしいわ悔しいわで隠したと思うけど私はきちんとお父様に泣きついておいた。流石に叱られていた。


みっちりお勉強を詰め込まれているが、合間に入る小粋なトークと物騒ジョークのおかげでなんとかやっていけている。物騒ジョークどうにかならないかな。というか、実行しないでもらえるといいなってことしか口に出ない。

というか、魔王とかよく分からない研究するんだったら興味深い云々言ってた妖精の愛で子とか妖精王あたりの研究をすればいいんじゃないかなって思ったりするよ!


そんなことを思いながら授業を受けていたんだけれど、ある日お父様がくれたエメラルドのネックレスを見て「ファンタジーものって結構こういうのに魔法の付与とか、魔力貯めたりとかできるよね!」と思いついた私は今はもうあまり使っていないアクセサリーを手に取って試してみた。


エメラルドには何故かあまり魔力が通らなかったけれど、アンバーとかイエローダイヤモンド、トパーズなんかの黄色っぽい宝石はガンガン魔力を吸った。面白いなぁと思って遊んでいるとある日レオお兄様が来た瞬間目の前でぶっ倒れた。



「で、これに関して教えてもらいたいんだけれど」



それが何故か彼の好奇心を刺激したらしく、回復後に問い詰められたよ。

話をするとすぐに駆け出して、その翌日にはお父様に「王宮の図書館に出入りしたい」と縋り付いていた。



「レオお兄様って、今年で20になったのではありませんでした?」



フィーネの記憶を頼りにお母様に尋ねると、複雑そうな顔で「そうねぇ」と頷いた。



「建国伝説の解読がもしかしたら進むかもしれないんです!」

「レオナール、お前は伯爵家の後継ぎとしての自覚はあるのか?」

「えっ、それはガイが継ぐから平気ですが」

「そのような報告は受けていないが」

「やだなぁ、叔父上。僕がそんなものに向いているわけがないじゃありませんか」



ガウェインお兄様(レオお兄様の弟)が可哀想だなぁと思いました、まる。

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