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授業が進むと魔法の実技の授業も入ってきた。2年生との合同授業で、セーラとクリス様と三人で演習場へと入る。目に入った先でローズお姉様とヒュバードお兄様がいて、こちらをみて左右対称に同角度で手を振る。双子マジックである。可愛い。
なんだか照れ臭くって小さく手をふり返すと二人は一旦視線を合わせてから、私の方を見て嬉しそうに満面の笑みを向けた。お姉様の婚約者であるクロイツ様はそんな姿にニコニコしている。ヒロインに攻略されてお姉様に何かあったらこいつはぶっ飛ばそうと思う。お姉様がライバル令嬢ということで分かると思うのだけれど、この若干気難しそうで清廉そうな青年は乙女ゲームの攻略対象なのである。
「お姉様は実習着のローブまで愛らしく着こなしてしまわれますのね……」
ほぉ、と息を吐くとセーラとクリス様は苦笑していた。なんで?可愛いでしょ、私のお姉様。
「フィーネ様の実習着姿も愛らしくて素敵ですよ」
クリス様はそう言って褒めてくれる。そんなクリス様も美少女すぎて困る。
セーラも今度は自分が褒められるのかなって顔とびっきり可愛い。ぴょこぴょこと揺れる触覚がなおのことその愛らしさを引き立てているようだ。そしてその肩の上でお花が応援するようにダンスを踊っている。
「ふふ、セーラ様はいつも可愛いわね」
セーラは私よりずっと女性らしい体付きだけれど、なんだか頭をよしよしと撫でたいような可愛らしさである。元気妹系。
似合っていてよ、というと嬉しそうな笑顔が弾けた。
そんな会話をしていると、パンパンと注意を集めるように手を叩く音が聞こえる。
そこには教師としてのレオお兄様が立っていた。周囲を見回すと、集まるようにと声を出す。
「うん、みんな集まったね。はじめまして、僕は魔法実技を担当しているレオナールです。よろしく」
灰色の髪は今日は三つ編みに結んでいるっぽい。
そして、合同演習の理由と意味を説明する。
曰く、魔力の量と妖精との相性で魔法でできることは決まってくるそうだ。なのでなるべく近い魔力量の生徒たちを組ませることで上級生は下級生に教えることで魔法への理解を深くして、下級生は上級生の魔法を見て技術を学ぶという仕組みらしい。
各学年をローテーションで組ませてそれを繰り返している。
働いたりする時の練習にもなるとかなんとか。
意外と真面目に先生やってるんだよなぁ、この黒幕。
そんなことを思いながら見ていると少し目があった気がした。
ちょっと先にいる女生徒が少し後ずさった。その女生徒を見ると、ヒロインだった。ヒロインだった(2回目)。
ピンクブロンドの長く真っ直ぐな髪にマゼンタの瞳。今日は実習のためかポニーテールにしている。紫色の羽を持つ人型の妖精がその肩にとまっていた。
それにしても、一応はどう考えても人の良さそうなお兄さんに見えるのになんで後退りしたのかしら?まさかヒロインも転生者というやつなのかなぁ。
「今日はどの程度できるかを見るだけのようですわ」
「……わたくし、上手にできるかしら」
「大丈夫ですわ!わたくしも一緒です!」
ぎゅっとセーラに握られた手にほっとした。緊張すると手が冷たくなっちゃうのよね。
この後、王太子殿下がドヤ顔で魔法の披露していたけど、それでちょっと気分が悪くなってクリス様に昔の話ちらっとしたらめっちゃ低い声で「は?」と言っていた。目が怒っていた。
実際に魔法使うまで時間が空いていたのでちょっと離れたところにいて、本番はしっかり成功した。よかった。
ところで昔のお話するとみんな大抵キレるか引くんだけど私もしかして不憫なの?




