8話 最弱の三人 ⑧
「じゃあそろそろ戻るとしますか!だけどこの量のスライムの魔石はさすがに集めるのも大変だね」
辺り一面にはビー玉くらいの大きさのスライムの魔石が大量に転がっていた。
「私はアイテム収納ないから2人に収納お願いします」
「任せて!だけど2人でもこの量は大変かも。だって僕のアイテム収納はもういっぱいだよ。」
「おいおい、カガミ!アイテム収納がいっぱいって何の事を言っているんだ?」
「???」
カガミは困惑しながら口を開いた。
「僕のアイテム収納袋の中はこれ以上圧縮出来ないし、重さも重くて持つのもやっとの重さだよ」
「えっ!!俺のアイテム収納袋はいくらでも入るし、重さなんて感じた事ないんだけど・・・」
「じゃあレイドっちのアイテム収納の魔力範囲はバカになってるんだね。フフフ」
「おい、タマミ。レイドっちって何だよ?」
「見てる人がわかりやすいようにだよ。えへへ」
「見てる人って何だよ?」
さらにツッコむレイド。
「この世界(最弱の三人は三位一体で最強です)を作った神様と同じ次元にいる神様達の事だよ」
「俺に難しい事を言われてもよくわからないな・・・」
「その内わかるようになるよ!さっさと集めて帰りましょう」
「おう、そうだな」
スライムの魔石は全部レイドに持ってもらう事になった。
「そういえば、四大基礎魔法の火の基礎魔法はなんで鑑定魔法なんだ?」
「私四大基礎魔法使えないからわかんない」
「じゃあ僕が四大基礎魔法から説明するね」
「火の基礎魔法は鑑定魔法・心眼」
「水の基礎魔法は回復魔法・ヒール」
「風の基礎魔法は探知魔法・サーチアイ」
「土の基礎魔法は収納魔法・四次元ポケット」
「土の基礎魔法はどこかで聴いた事があるような・・・」
ツッコミを入れるレイド
「気にしないで説明続けるね」
「火の基礎魔法は魔力、すなわちそのモノが持つ魂の火を見る事から始めるから火の基礎魔法は鑑定魔法なんだ」
「水の基礎魔法が回復魔法なのは人の身体のほとんどは水で出来ていて、その水を操るから水の基礎魔法は回復魔法なんだよね」
「風の基礎魔法は辺り一面に風の魔力を流して探るから探知魔法なんだ」
「土の基礎魔法は収納袋の中を圧縮して重さを軽くする。つまり重力を操るから土の基礎魔法は収納魔法なんだよね」
「勉強になったよ、カガミはすげえな」
「じゃあなんでタマミはファイア使えるのに火の基礎魔法は使えないんだ?」
「私の場合、正確には火の基礎魔法である鑑定魔法使うと何かわからない記号しか見えないの。養成所の時にそれ言ったらバカにされたから使えないって言うようにしたの」
「まあ結局その後で四大基礎魔法全部使えない事がわかったんだけどね。えへへ」
タマミはちょっと落ち込んだ表情を見せながら明るく振る舞っていた。
「タマミ、安心しろ!俺も四大基礎魔法はアイテム収納しか使えないからな。しかもそのアイテム収納もバカになってるんだからな。ハッハッハッ」
「えへへ」
レイドのおかげでタマミは元気を取り戻していた。
「集め終わった事だし、帰るか」
「うん」
「帰りもどこにスライムいるからわからないから探知魔法使いながら行くね」
「探知魔法・サーチアイ」
カガミは50メートルの10倍の半径500メートルを探知した。
「「「えっ!!!」」」
3人は声を揃えて驚いた。
最奥と思われていたこの場所より奥の方で魔物の群れを探知した。
「これは・・・しかも1匹だけすごい強い感じがするわ」
「ちょっと待ってて」
「鑑定魔法・心眼」
カガミは強い感じを受けた魔物を鑑定した。
「魔王スライムだ・・・」