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42話 王国騎士団武闘大会

僕達は王都に戻ってきて、5番隊隊長のサクヤの元に来ていた。


「父上、桜花剣の手入れを終えて帰ってまいりました」

アイはサクヤに桜花剣を手渡した。


「うむ、いつもより質の良い溶岩真珠だな。これなら王国騎士団武闘大会で活躍出来そうだ」

サクヤは娘であるアイの仕上げた桜花剣に満足している様子を見せていた。


「父上、その溶岩真珠は75点の溶岩真珠です。今までの溶岩真珠はせいぜい50点がいいところです」


「そうかそうか。みんな頑張って採取してくれたんだな。ありがとう」

サクヤはすっかりご満悦になっていた。


「父上、その75点の溶岩真珠は予選用の溶岩真珠になります。決勝の溶岩真珠はまた別に用意してあります」


「な、何だって・・・これより上を準備できているのか・・・ならばこれは頑張らないといけないな」


サクヤはここ何年も5番隊隊長より上に上がる事が出来ていなかった。そのため現状維持するだけ満足をするようになっていた。その甘さを断ち切るかのようにサクヤは真剣な表情を浮かべていた。


サクヤは娘が鍛治師になると決めた日から普通の剣士としては異例の能力にシフトチェンジしていた。

普通であれば剣士は内なる魔力を鍛え、自分自身を強くするようにしている。だがサクヤは武器依存で強くなるように魔力を鍛えていた。


娘が最高の剣を準備してくれれば最強になれると信じて・・・




少し離れたところでカガミとレイドは話をしていた。


「なぁ、王国騎士団武闘大会って俺あまり詳しくないんだけど、教えてくれないか?」


「まず王国騎士団は全部で13部隊あるんだ。上位6部隊と下位6部隊と特殊部隊で構成されているんだ。

武闘大会の予選は特殊部隊を除くそれぞれの隊長とそれぞれの隊の上位3人から選出されて、ランダムに12のグループ分けされて、そのグループ内で総当たり戦で戦うんだよ。ランダムといっても現隊長をやってる人同士は予選では当たらないようになっているんだけどね」


「ふむふむ」


「決勝に残った人は隊長となり、決勝に残った12人は総当たり戦で戦い、その結果で何番部隊になるか決まるんだ」


「そうなんだ。なかなか大変な戦いになりそうだな」


「予選もなかなか見応えあるけど、決勝の隊長同士の戦いはもっとすごいよ」


「楽しみだな。自分達の採取してきた100点の溶岩真珠の実力はどの程度なのか気になるところだしな」


「そうだね。僕達は僕達で何か出来る事考えてアイのお父さんの支援しないとね」


「そうだな」


僕達は予選が始まる日までサクヤの家にお世話になり、僕達が出来る最高のモノを用意し準備万全の状態で予選の日を迎えた。




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