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41話 最弱の鍛治師 ⑨

僕達は付加効果を付けてくれるオウルのところに戻ってきていた。


「ただいま戻りました」

レイドは集めたクリスタルを取り出した。


「おやおや、思ったより質の良いクリスタルを集めたもんじゃな。このクリスタルの質ならミスリル武具につけるクラスのクリスタルじゃわい。で大楯にはどんな付加効果を望む?」


「・・・」

しばらく考えこむレイド。


「どうした?」

すぐに返答のないレイドに対してオウルは不思議に思っていた。


「なぁ、ヒールの付加効果って聞いた事あるか?」


「・・・どういう事じゃ?普通付加効果は維持する魔力を得意とするテイマーがかけるバフ魔法を付加効果としてつけるものじゃ」


「やっぱりそうだよな・・・実は山でカガミはヒールのクリスタルを作り上げたんだ」

レイドは大楯にはまっているヒールのクリスタルを抜き出しオウルに手渡した。


「な、なんだいこれは!!さしずめこれは維持するヒールといったところか・・・たしかに理論的には出来るのかもしれないが・・・」

オウルは頭の整理が追いつかないほど悩みながらも楽しんでいた。


「・・・実はマグマ貝から取れる溶岩真珠は長い時間かけてファイアをクリスタルに閉じ込めているものなのじゃ。維持するファイアといえばわかりやすいかのぅ。だから理論的にはヒールをクリスタルに付与するのも出来ると思う。だがそれを人がやるものとは思わなかったわい」

オウルは年甲斐もなくはしゃいでいた。


一方、話を聞きながらタマミの火の杖の握りやすさなどの最終調整をアイは行っていた。

それを見たオウルはさらにテンションが上がっていた。


「その溶岩真珠は・・・」

最高品質の溶岩真珠は真っ赤に燃え盛る炎のように光り輝いている。


「これで80点の溶岩真珠だ。父には100点の溶岩真珠を持って行こうと思っている」


「100点の溶岩真珠・・・ハッハッハッ。もう頭がおかしくなりそうじゃ。おまえ達、もしよかったら店を出す気はないか?」


「「「「「お店?」」」」」

みんな一斉に声を上げた。


「おまえ達なら最高の店が出来上がるぞ」


「僕達は最低ランクの冒険者です。誰も僕達の武器や防具を買う人なんていませんよ」

否定的になるカガミ。


「何をいっておる。王国騎士団武闘大会で100点の溶岩真珠なんて使ってみれば結果なんぞすぐに出るわい」


「そ、そんなに100点の溶岩真珠ってすごいんですか?」


「カネスキーの準備する養殖の最高級の溶岩真珠なんてほぼ使い捨て同然で点数で言えば50点程度じゃ。ワシは今まで100点の溶岩真珠なんて見たことなかったわい」


「そ、そうだったんだですか・・・」


「だから悪いようにはしない。お店の事はワシに任せておくれ。武闘大会が終わる頃にまた顔を見せに来ておくれ。それまでにはある程度準備しておくからな。ウッシッシ」

オウルはニコニコしながら悪い笑顔を見せていた。


「お、お願いします」


タマミやレイドの装備も準備でき、僕達は100点の溶岩真珠を付けた桜花剣を持って王都に戻った。


次回からは王国騎士団武闘大会編が始まります。


が、急展開の物語とまったり展開の物語どちらにしようか迷っているのが現状です。


どうなるか楽しみにしてて下さい。

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