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40話 最弱の鍛治師 ⑧

魔力共鳴をしているため、みんなもマグマガエルがすぐ近くまで迫っている事に気がついた。


「すぐに撤退するよ。だけど追いつかれると思う。レイドさんは守りながらの後退をお願いします」

カガミは慌てて指示を出した。


「任せろ」

レイドは自分のせいでマグマガエルの接近を気付けなかった事をすぐに理解していた。


「ちょっとだけアタシに時間をちょうだい。レイドくん、大楯をこちらに」

そういってアイはレイドの大楯にヒールの付加効果のついたクリスタルを埋め込んだ。


「これで大丈夫なのか・・・」

心配するレイド。


「アタシにもどういう効果があるのかわからない。だけど何もしなければマグマガエルに対応出来ない可能性もある。一か八か勝負だ!」

アイはレイドに気合いを入れる。


「火の枝と溶岩真珠で即席だけど、火の杖を作るよ。マグマガエルにあまり効果はないかもしれないけど、やってみる価値はあると思う」

アイは急いで火の杖を作り上げた。


「来るよ!」

マグマガエルが目の前に迫っていた。


ゆっくりと近づいてくる大きな身体をしたマグマガエルは10メートルの距離まで近づいていた。


マグマガエルが少し溜めを作った。

レイドはその一瞬の溜めを見逃さなかった。


「シールド」

マグマガエルは飛び跳ねて一気に距離を詰めて飛びかかってきたが、レイドはがっちりと受け止めた。


「このパワー、瞬発力、抑え込むので精一杯だ。みんな急いで退却だ」


「ファイア・一点集中」

タマミは新しく出来上がった火の杖を使ってファイアを打った。

そのファイアへ今までに見た事のない燃え盛る炎を上げてマグマガエルに向かっていった。


「グワっ」

マグマガエルは小さく声を上げたがダメージを与えた様子はないが、嫌がる素振りを見せていた。


そして怒ったのかレイドはマグマガエルの当たりに押し負け始め大楯も傷つき始めた頃、大楯はうっすらとした淡い水色の光のオーラに包まれていた。


「大楯が回復してる・・・そして俺も・・・」

大楯と自分自身の回復によって力を取り戻しマグマガエルをなんとか抑え込んで、無事にマグマヒトデがいるエリアまで戻る事に成功した。


マグマヒトデとマグマガエルは縄張り意識が強く、マグマヒトデはマグマガエルに襲いかかっていった。


途端にマグマガエルは引き返して行き、やがて姿は見えなくなった。


「危なかったね。目当てのモノは無事にゲット出来た事だし、今日はもう帰る事にしよう」


「「「「オッーー」」」」


みんなが帰る準備を始めた時、カガミが何かをしようとしているのにレイドが気がついた。


「カガミ、何してる?」


「ん、マグマヒトデのおかげでマグマガエルが引いてくれたからお礼をしたくて」

そういってカガミはマグマ貝を拾い上げてマグマヒトデに投げ渡した。


マグマヒトデはマグマ貝に飛び付き貪り始め、食べ終わった時は何故かカガミをじっと見つめていた。


「ありがとう」

カガミ達はお礼を言って下山し、オウルのところに戻ってきていた。


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