4話 最弱の三人 ④
「もうイヤだ。こんなところにはもう来たくないよ。スライムしか倒せない人達はどこにいるのよ・・・1人はイヤだよ・・・」
私の名前はタマミ、1か月前に王都にきて、太陽の紋章を掲げる魔法使いだけど、ファイアしか使えない最弱の魔法使いだ。
「探知魔法すら使えないからスライムも目視でしか捜せないし、スライムは臭いし」
「誰かぁいないのーーー」
声を荒げるもその声は下水道の中を響くばかりで何も反応は帰ってくる事はなかった。
〜〜〜
3時間後
「今日の依頼分はなんとか達成したわ。後はギルドに持っていくだけね」
タマミは1人寂しくスライム退治を終わらせてギルドに向かった。
ギルドに着くとギルドのお姉さんはウキウキとした気分で対応にあたっていた。
「あら、いらっしゃいませ。今日もスライム討伐お疲れ様でした」
「これを精算お願いします」
そう言ってタマミはスライムの魔石と依頼書を提出した。
「タマミさんに残念なお知らせがあるんだけど、少しよろしいかしら」
「はい?」
「実はギルドの取り決めで今度からスライム討伐の依頼は出ない事になったの。討伐依頼はないからまとまったお金は入る事はないかもしれないけど、これからも頑張ってね」
「えっ・・・どうしよう・・・早く他の2人に会わないと・・・じゃあこれで失礼いたします」
「お気をつけて」
〜〜〜
タマミが帰った後のギルドにて
「これで私はスライム退治しなくてもいいし、スライム退治はフリーの冒険者には任せる事ができない仕事だから名目上私がスライム退治しなくてはいけないから、ギルドの福利厚生でまた毎日王立の高級温泉に入り放題だわ。私もなかなかの悪女ね、フフフ」
受付のお姉さんは怪しく微笑むのであった。
〜〜〜
下水道にて
「火魔法・ファイア・一点集中」
「私の場合、一点集中で溜めながらじゃないとスライム一撃で倒せないから効率悪いんだよね。早くみんなと会えないかな・・・」
タマミはファイアをいつでも撃てる状態で下水道を探索していく。
「やっぱり1人はイヤだよ、みんなどこにいるのよー、怖いよーー」
タマミはファイアをいつでも撃てる状態で奥の方にどんどん進んで行くのであった。
ファイアをいつでも撃てる状態にしておくという事を普通の魔法使いには到底出来ない事だとはつゆ知らずタマミの下水道探索は続くのであった。
「誰かいないのーーー、1人は寂しいよーーー」
タマミの声は下水道の中にむなしく響くだけだった。