37話 最弱の鍛治師 ⑤
僕達は火山の入り口に来ていた。
「まずは今回火山で採取するものを確認しておくね。火山の二合目で採取できるファイアーウッドから採取できる【火の枝】、これはタマミさんの武器の材料になる。三合目にあるマグマ溜まりにいるマグマ貝から【溶岩真珠】を採取する。サクヤさんとタマミさんの武器の材料になる。そのマグマ溜まりから少し上に行くとクリスタルを採取出来る場所がある。そこでレイドさんの大楯用の【クリスタル】を採取する」
「了解だ」
「特に気をつけないといけないのはクリスタル採取をするところ。調子に乗ってクリスタルを採取していれば四合目に入ってしまう。四合目にはマグマガエルがいる。今の僕達の実力では勝てない相手だと思う」
「了解です」
「火山は暑いからみんな体調管理には気をつけながら行こう」
「「「「オッーー」」」」
僕達は火山の一合目に来ていた。
辺りには木々が生い茂っていて、その木々の葉っぱは炎に包まれていた。
「あれがファイアーウッドだよ。一合目から生えているけど、一合目より二合目のファイアーウッドの方が火を蓄える事が出来るから二合目のファイアーウッドの方がより良い【火の枝】を採取出来るんだよ」
「なんだか簡単に取れそうだな」
「ここは安全だからね。だから市場に出回ってる【火の枝】から作った火の杖のほとんどは一合目から取れたモノを使ってる。一合目から取れる【火の枝】の火力を弱火とすれば、二合目で取れる【火の枝】の火力は中火。強火の火力は五合目で取れるけど、五合目の敵は一気に強くなってAクラスの敵がゴロゴロといるから今の僕達の実力では無理だからね」
「無理は禁物だな」
「そうだね。ちなみにだけど二合目のファイアーウッドにはマグマアントという蟻がいる。この蟻もそれなりに強いから注意して戦わないと痛い目を見ることになるからね」
「わかった。気をつける」
僕達は順調に進み、二合目に来ていた。
「マグマアントがたくさんいる木の方がより良い【火の枝】が手に入る。一度マグマアントと戦ってみて、どの木から【火の枝】を採取するかを決めた方が良さそうだね」
「わかった」「わかったわ」
「じゃあみんな戦闘態勢に入るよ」
「「「「「魔力共鳴」」」」」」
僕達は1匹のマグマアントと戦闘を開始した。
マグマアントの身体は大きく1メートルくらいあった。
「まずはこの大楯の性能を見てみないとな。シールドバッシュ」
バンっ!
レイドはマグマアントを吹き飛ばした。
「惚れ惚れする大楯だぜ。次は防御性能だ。シールド」
ガンっ、ガンっ!
マグマアントの重い一撃を物ともしないでレイドは防いでいた。
「これならいける」
「じゃあそろそろ攻撃していくよ。ファイア・一点集中」
タマミのファイアがマグマアントの身を焦がしていく。
あっという間にマグマアントは動かなくなった。
「次は3匹くらいのマグマアントと戦ってみるか」
僕達は順調に倒していき、マグマアントが10匹集まってるファイアーウッドの木から【火の枝】を採取した。
「まだまだ先は長いから、今はこのくらいの【火の枝】でいいよね。帰りに余裕があったらもう少しマグマアントが集まってる【火の枝】を採取すればいいと思うし」
「そうだな。大楯の慣らし運転も終わったところだし、いいだろう」
大楯の出来に満足したレイド。
「それにしてもスライムに苦戦していたとは思えないくらい強くなったな・・・」
僕達は先に進み、三合目に入ろうとしていた。




