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34話 最弱の鍛治師 ②

レイドが出したオーダーメイドの大楯は金にはならないと判断した社長のカネスキーは出ていった。


「社長はいつもああいう方なので申し訳ありません」

ひたすら謝るアイ。


「いえいえ、普通オーダーメイドといえばミスリルが当たり前ですからね。サクヤさんもオーダーメイドと言われた時ちょっと焦っていたので、レイドさんの言い方が悪いんですよ」

フォローするカガミ。


「ちょっと待てよ。あの程度での恩でミスリルのオーダーメイドは普通ありえないだろ!俺は悪くねぇよ」

そして悪くないアピールするレイドであった。


「とりあえず話を戻しますね。鉄鉱石の持ち込みと言われていましたが、こちらでも鉄鉱石は豊富に準備してあります。鉄鉱石は安価なので持ち込みでなくても大丈夫ですよ」


「準備してある鉄鉱石の中にこの品質の鉄鉱石もあるのか?」

レイドは上級の鉄鉱石を取り出した。


「80点」

アイは小さな声でつぶやいた。


「ん、今何か言いました?」


「あっ、いえ、なんでもありません。上級の鉄鉱石なんて初めて見ました。鉄鉱石でも上級の鉄鉱石という事であれば、詳細な打ち合わせは先輩の職人と話をした方がいいと思いますので、今呼んできますね」


アイは応接室を出て行った。

だがなかなか戻って来ないのでカガミはトイレに席を立った時、声が聞こえてきた。


「こっちはみんな今忙しいんだ!鉄鉱石の装備ぐらいお前1人で処理しろ!」


「でも・・・」


「うるせぇ!!鉄鉱石のオーダーメイドなんて魔力1で普通の鉄鉱石しか扱えないお前で充分だ!鉄鉱石なら離れにある廃炉寸前の鍛冶場でなんとかなるだろ。わかったならとっとと客のところに戻れ!!」


「・・・わかりました」


帰る途中でカガミとアイは鉢合わせた。


「もしかしてさっきの聞こえていましたか?」


「・・・えぇ、聞こえていました」


「申し訳ありません」


「もしかしたら僕達はアイさんのお役に立てるかもしれません」


「・・・どういう事でしょうか?」


「詳しくはみんなのところに戻ってからで」

カガミとアイは応接室に戻ってきた。


「みんな聞いて!アイさんは魔力1しかないから普通の鉄鉱石は扱えるけど、上級の鉄鉱石は扱えないみたい。魔力1で上級の鉄鉱石を使って作ると普通の鉄鉱石で作ったのと変わらないんだって。そして上級の鉄鉱石を扱うのには魔力が10必要との事。だから僕達の特別な力でアイさんを協力しよう」


「「「オッーー」」」


「詳しく説明してくれないか。協力って言っても素人には鍛治は無理だぞ」


「わかりやすく言うと僕には特別な力があって魔力共鳴した人の魔力を10倍にする力があるんだ。タマミさんとレイドさんも他人を強くする特別な力を持ってるんだ。みんなと魔力共鳴した方が手っ取り早いかも」


「そう言うのであればとりあえず魔力共鳴してみよう」


「「「「「魔力共鳴」」」」」


「な、なんじゃこの力はーーーー!!」

アイは高らかに叫んだ。






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