33話 最弱の鍛治師
「やっぱり火山の町なだけあって暑いな・・・っていうか結構な数の冒険者が行き来しているんだな」
火山のふもとにある町には多く冒険者が大量の武器や防具を抱えて行き来していた。
「ここはこの辺りでは一番の鍛治の町ですからね。アイテム収納にも収まらない程の武器や防具の手入れがあるんでしょうね」
「王国騎士団の中で誰が1番強いのかを決める大会、王国騎士団武闘大会が近い事もあるから余計に人が多いのかもしれないな」
「5番隊隊長サクヤさんの武器の手入れもその武闘大会に向けての準備だからね。サクヤさんの娘さんは町で1番の鍛治師にお世話になってるそうだから、さっそく行ってみよう」
〜〜〜
僕達はお店の前まで来るとそこには町で1番のお店というだけあって立派なお店が建っていた。
僕達は中に入ると店員は僕達の装備品をチラリと見て話かけてきた。
「すみませんが今忙しく立て込んでおりますので、装備品の購入を検討されているのであれば、他で買う事をオススメします」
(今自分達の装備品を見て低ランクの冒険者だと思って追い返そうとしたんだよな・・・)
「えっーと、王国騎士団5番隊隊長サクヤさんの武器の手入れとオーダーメイドでの装備品を作ってもらいたくてきました。レイドさん桜花剣を取り出してください」
「はいよ」
レイドはアイテム収納から桜花剣を取り出した。
「これは失礼いたしました。話は聞いております。応接室の方へどうぞ」
僕達は応接室に入ると立派なスーツを着た人とかなりの美人だがボロボロの作業着をきた人が待っていた。
「ようこそいらっしゃいませ。ワタシはこの鍛冶屋の社長のカネスキーと申します。こちらはサクヤ様のご令嬢のアイさんです」
「「「「よろしくお願いします」」」」
「さっそくですが、オーダーメイドの方を先に伺ってもよろしいでしょうか?」
「俺達の戦い方は俺が守って、魔法使いが攻撃するという戦い方をする。だから全身を守る程の大楯を欲しいと思っている」
「かしこまりました。材質や付加効果などの方はいかがなさいましょうか?最高級のミスリルはもちろんの事、魔法反射などの最高級の付加効果などいろいろと準備できます」
材質や付加効果でオーダーメイドの大体の金額が決まるため、社長のカネスキーは口元がニヤニヤしている。
「材質は鉄鉱石を考えている。材料はこちらで準備しているので持ち込みになる。付加効果は鉄だと高いモノは付けれないと思うから、単純な防御アップでいいと思ってる」
「・・・かしこまりました。あとはアイ、お前が対応してくれ。ワタシは忙しいからこれで失礼する」
金にならないとわかると途端に不機嫌になりカネスキーは出ていった。




