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32話 5番隊隊長サクヤ

ミズキは王都ギルドで調査部部長のミカヅチと話をしていた。


「カガミ達はムーアという新たな仲間を入れました。ムーアは一度だけだが金薬草を採取できた人物でもあり、今回の立役者です。そして錬金術師としての才能もあると思われます。ただし彼は魔力1しかない人物です」


「魔力1か・・・たしか王国騎士団の5番隊隊長サクヤの娘も魔力1だったはずだ。コノハナ一族の女性は代々病弱ですぐに亡くなる事も多いが、5番隊隊長のサクヤの娘は魔力1だが元気いっぱいだ。今回の件で彼らは5番隊と縁ができた・・・これも何かの運命なのだろう・・・・・ミズキさんは引き続き彼らの保護をお願いします。そして彼らの出生についても調査お願いします」


「かしこまりました」



〜〜〜

カガミ達は王都に戻り、ムーアの観光も一通り終わった頃にギルドに呼び出された。


「お待ちしておりました。王国騎士団の5番隊隊長のサクヤ様がお礼が言いたいと来ていますので、応接室にご案内いたします」


応接室に通された僕達の前には淡いピンクの桜色をした鎧を着た人が座っていた。


「我が5番隊の隊員達が世話になった。まずはお礼を言いたい。ありがとう」


「僕達は冒険者として人を助けるという当たり前の事をしただけです」


「最近の冒険者は人を助けるという本質をわかっていない者も増えてきているというのにお前達には本当に頭が下がる。隊員達に話を聞いたが金薬草を使って中級の解毒ポーションを作ったというのは本当か?!」


「・・・ハイ。オラが金薬草を採取して中級の解毒ポーションを作っただぁ」


「金薬草はかなりのお金を積んでも買えないモノだ。それ相応のお礼はしたいと思う。ワタシに出来る事であれば何でもしたいと思っておる」


「オラは魔力1しかないから冒険者としてはやっていけないから何か欲しいモノと言われても特にはないだぁ」


「魔力1・・・実はワタシの娘も魔力1しかない・・・その娘は今火山の町で鍛治士の見習いとして働いておる。ワタシも娘に用事があった事だし、お前達には新しい装備を準備しようと思う。値段は気にしなくていい。それでどうかな?」


「ほ、本当にいいんだな?」

がっつくレイド。


「これでもワタシは隊長だ。好きな装備を揃えるといい」


「実は俺、守り専用の大楯を欲しいと思っていたんだ。オーダーメイドは手が出せないくらい高いし、どうしようか迷っていたんだ。ありがとう!!」

テンションが上がるレイド。


「・・・えっ!オーダーメイドで欲しいんだ

・・・ま、まぁ大丈夫だ・・・」

(ワタシでもオーダーメイドの装備持ってないのに・・・・・)


「さすがにオーダーメイドはやりすぎですよ、レイドさん。隊長さんも困ってるじゃないですか」

フォローを入れるカガミ。


「すまないが大口言っておいてなんだが、オーダーメイドの大楯だけにしてもらえると助かる」


「僕の装備はこのままでも大丈夫です」

フォローするカガミ。


「私は炎に特化した新しい杖が欲しかったけど、大丈夫です」

といいつつもチラチラと隊長のサクヤを見ているタマミ。


(めっちゃ見られてる・・・欲しいのは炎に特化した杖かぁ・・・それなら何とかなるかも)

「ワタシは娘に用事があると言った事だが、ワタシの使ってる武器の手入れを頼もうと思っていたのだ。ワタシが使ってる武器は桜花剣と言って炎に特化した剣だ。この桜花剣にはマグマ貝から取れる溶岩真珠が埋め込まれている。その溶岩真珠を杖に埋め込めば新しい杖も準備できるだろう」


「やったぁーー」

テンションの上がるタマミ。


「喜んでもらえて嬉しいよ。そして申し訳ないのだがワタシの桜花剣も一緒に持っていってもらえると助かる」


「かしこまりました」


「それではよろしく頼む」


こうして僕達は火山の町に向かう事となった。

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