30話 最弱の錬金術師 ⑪
「これからポーション作りの説明をする。ポーションの作り方自体はいたって簡単だ。薬草を煮込むだけだ!!その煮汁がポーションとなる」
「なら俺でも出来そうだな。ハッハッハッ!」
「・・・それでは一度見本を見せる事にする。錬金術師の難しいところは魔力操作の維持だ。私は魔力を維持するのは得意ではないから失敗するが気にするなよ」
ハブられそうになってたレイドが強引に話に割り込んできたが、ミズキは華麗にスルーしてポーション作りを始めた。
ミズキは中級の薬草を魔力操作しながら煮込み始めたが、その煮汁は段々と黒くなっていった。
「やり方としてはこんな感じだ。レイド、試しに飲んでみるか?」
「なんでこんな時だけ俺の出番なんだよ!」
そう言いつつちょっとだけ飲んでみるレイド。
「・・・・グフっ!!」
レイドは失敗したポーションを飲んだ事を激しく後悔することとなった。
「それではポーション作りを始めていくぞ!!その前にお前達がどんな力かはわからないが、不思議な力を持つ事は調査の結果わかっている。ここには自分達以外は他に誰もいない。その力を思う存分に使うがいい」
「・・・はい!!」
カガミ達は特別な力がバレていた事に驚いたが、ポーション作りを開始した。
〜〜〜
「何度やっても中級の薬草は普通のポーションになってしまう。こんなに難しいものなのか・・・」
「維持する魔力はテイマーの方が得意だ。カガミのやり方も参考になるかもしれない。次はカガミもやってみてくれ」
「はい!」
〜〜〜
その後カガミやタマミもやってみたが、ポーション作りは上手くいく事なく、普通のポーションや失敗したポーションばかりが出来ていく。
〜〜〜
「ようやくムーアは中級の薬草から普通のポーションを確実に作れるようになったな。だがそれでは・・・おそらくもう少しでタイムリミットだ。ここまでか・・・・・」
思っていた以上にポーション作りが難しく、ミズキは諦めかけていた時だった。
「あ、あの、まだ諦めるのは早ぇだぁ。オラのポーション作りは一つ下の等級を確実に作れるようにはなっただぁ」
「それはわかっている。今必要なのは上級ポーションだ。今の実力では金薬草でもない限り無理だ。こんなところに金薬草があるはずないだろう」
「・・・オラ、金薬草を持っているだぁ・・・一度だけだが採取する事が出来たんだぁ」
「「「「!!!!!!」」」」
ムーアの発言に全員が言葉を失い驚いていた。
「それはマジか!!それなら助かる・・・もう残された時間はない。急いでやってくれ。頼む!!」
ムーアは金薬草を取りに戻って、急いで上級ポーションを作りあげた。
「上級ポーションなんて初めて見た・・・うっすら金色なんですね」
「上級ポーションなんて基本的に王室管理室で取り扱っているからな。最高峰のポーションは金ポーションと言われているが誰も見た事がないと言われている」
「金ポーション・・・オラがいつか作りあげて見せます!!!」
その後、上級の毒草も薬草と同じように煮込み、毒ポーションを作り上級ポーションと合わせて中級の解毒ポーションを作りあげた。




