26話 最弱の錬金術師 ⑦
新たな仲間ムーアを連れて僕達は鉱山に来ていた。
「ここの鉱山にはスケルトンが出るから、ここで修行しようと思ってたんだけど、上級薬草を採取出来るムーアがいるなら鉄の鉱石採取もやってみようよ」
「でも上級や中級の鉱石を採取するのってかなり難しいんだよね?」
「普通にスケルトンを倒せば、スケルトンは鉱石の持つ魔力を吸い取って復活する。そうすると鉱石は劣化してくるから、スケルトンを倒さないようにしながら鉱石採取もしないといけない」
「じゃあ俺がガードスキルでスケルトンを倒さないように捌いていかないといけないんだな?」
「そういう事!レイドの回復は僕に任せて!傷ついても全部僕が治してあげるゾンビ戦法で行くからね。今回の作戦は名付けてゾンビ対スケルトンどちらが強いか作戦だ!!」
「私は何をしたらいいかしら?」
「タマミはムーアに攻撃が及ばないようにしながらムーアの補助をして欲しい」
「わかったわ」
「僕達は最弱なんだから最初から上手くいくとは思っていない。修行のついでに鉱石採取だからムーアもそのつもりで焦らずにね」
「わかっただ!」
「じゃあ行くぞー!!」
「「「「オッーー!!」」」」
カガミ達は探知魔法を使いながら、人からの邪魔とスケルトンからの邪魔が入りにくい場所を探り探りしながら鉱山の探索をし始めた。
何度かスケルトンとの戦闘もあったがタマミの魔法で一蹴しながら、やがて採掘のしやすそうな行き止まりで鉄の魔力反応が強い場所を見つけた。
「ここなら良さそうだね。気合い入れていくよ!」
ムーアが採掘し始めた時だった。
どこから嗅ぎつけたかわからないがスケルトンがわらわらと出て来る。
「コイツらを倒さずに捌くのは骨が折れる仕事だな。スケルトンだけに・・・」
しかし誰もツッコミを入れなかったため、1人寂しくレイドはスケルトンにシールドバッシュでスケルトンを近づけないように押し出し始める。
「1匹逃した!処理を頼む!!」
「了解です!」
タマミのファイアはスケルトンを焼き殺す。
倒れたスケルトンは鉱山に吸い込まれて消えたが、ムーアが採取しようとしている鉄から魔力を吸い取って復活して現れてきた。
「レイドさん!こっちも頼みます!!」
「わかった!!・・・これは思ったより厄介だな。まだ採取も修行も始まったばかりだ。オラっ!!どんどん行くぞー!!」
スケルトンを倒さないようにレイドのシールドバッシュ無双がひたすら行われる。
そして初めて採取できた鉱石は普通の鉄鉱石だった。
「初めてで普通なら上出来だよね。まだまだ採取も修行も続けるよ」
「「「「オッーー!!」」」」




