25話 最弱の錬金術師 ⑥
僕達はスライムの出てくる草原に来ていた。
「そういうば自己紹介がまだだったね。僕の名前はカガミ。テイマーだけど相棒はいなく、基礎魔法しか使えない最弱のテイマー!」
「俺の名前はレイド。騎士だけどアタックスキルは使えなく、基礎魔法はアイテム収納しか使えない最弱の騎士!」
「私の名前はタマミ。魔法使いだけどファイアしか使えなく、基礎魔法は何も使えない最弱の魔法使い!よろしくね」
「オラの名前はムーア。太陽の紋章を掲げる魔法使いだけど、魔力1だから基礎魔法も使えない最弱の魔法使いだ」
「自己紹介も終わったところで今度は僕達の特別な力を紹介するよ。僕、カガミは仲間の魔力を10倍にする特別な力がある。レイドは魔力範囲を10倍にする特別な力を持っている。そしてタマミは無限魔力供給の特別な力を持っている。僕達1人1人は最弱だけど、3人合わせて一人前って感じなんだ!」
「そ、そんな力があるなら何でオラなんかを誘うのだ?」
「それは・・・ムーアの採取した薬草は上級と中級の薬草のみだったからだよ。ムーアにも何かきっと特別な力があると思ってる」
「オラにも特別な力・・・・・オラの採取してた薬草が上級と中級なのはなんとなくわかってだ。だけど逆らうと薬草の買取はしてもらえなくなる。この町から出ようにもお金もなければ実力もねぇ。オラこんな村イヤだ。王都に行きてーだ!!」
ムーアがリズムよくヒートアップしてきた。
「ムーアの気持ちは僕達には痛いほどよくわかる。僕達の冒険はここからだ!まずはスライム退治によし、行くぞー!!」
程なくしてスライムが現れた。
「まずは魔力共鳴だ!」
「「「「魔力共鳴!」」」」
ムーアはみんなの特別な力を感じとる。
「こ、これが特別な力・・・だけどオラにはやっぱり魔法は使えないみたいだ・・・」
「僕達も何も変化ないみたいだね」
「そうだな。とりあえず俺の剣を貸してやるから初めてのスライム退治をするといいぜ」
レイドはムーアに剣を貸し、ムーアが戦闘態勢になったその時だった。
「な、なんだよ!それ!!!」
ムーアの身体からは人型をした魔力が飛び出していた。
「これは・・・心の剣聖、幻影のシンさんの奥義、ファントムオーラだ・・・なんでオラがこんな技を・・・」
「幻影のシンさんはその圧倒的な力のため、剣聖を決める戦いでもここ何十年誰も挑んでないはいない。奥義の名前だけはみんな知ってるけど、誰も見た事はないはず。なんでムーアは知ってるの?!」
「幻影のシンさんは冒険者養成所の最高顧問でもあるのはみんな知ってるよね?オラは魔力が1から上がる事はなくスライムを倒す事が出来なかったから唯一養成所を卒業出来なかったんだ。その時に幻影のシンさんが「魔力を極めれば弱くてもいずれ金薬草を採取できるようになる。この技は内なる魔力を極めて初めてできる技だ。君だけに特別に見せてあげる」と言って、この技を見せてくれたんだ」
「どういう特別な力かわからないけどムーアの特別な力を持って、すでに内なる魔力は極めたって事なんだよね。すごいじゃん!!」
「オラにそんな特別な力があったなんて・・・」
「とりあえず初めてのスライムを退治してみようよ」
「わかっただ」
ムーアはファントムオーラを駆使して倒そうとしたが、もともとの魔力が1だったため10倍になっても魔力は10のため、苦戦する事10分。ようやくスライムは倒れた。
「イテテ・・時間はかかったがオラでもスライムを退治する事が出来た・・・ありがとう。でもやっぱり戦闘はオラには向いてないみたいだ!だけどオラの薬草を採取する力はオメエだぢの役に立つはずだ。オラを仲間にしてくれ」
「「「よろしく!!!」」」
こうしてカガミ達は新たな仲間と共に冒険する事となった。




