18話 ツチノコノコ ④
小さな小さなツチノコノコ達は血を流して倒れたツチノコノコを守るようにして取り囲み始めた。
「こんな小さな子達が必死になって守ろうとしてる・・・」
「これじゃあツチノコノコ捕まえる事ができねーぜ!カガミ、回復魔法で怪我を治してくれ」
「わかった。回復魔法・ヒール」
一瞬だけ血は止まったが傷は塞がらず、再び血は流れ始めた。
「えっーと、なんで傷が塞がらないんだろう・・・
あれこれ考えても仕方ない!タマミさんの無限魔力供給の特別な力でひたすらヒールをかけまくるだけだ!!」
カガミはひたすらヒールをかけまくる。
それを見ていた小さな小さなツチノコノコ達も危害を加えないと思ったのか見守り始める。
タマミはボッーと眺めている。
レイドは暇を持て余しウロウロしている。
(ひたすら回復ってやっぱり地味だな・・・)
カガミはヒールをかけまくる。
〜〜〜
しばらくして傷は塞がり血を流していたツチノコノコは意識を取り戻した。
「ごめんね、僕達が追いかけ回してこんな事になって」
カガミはそっとツチノコノコの頭を撫でた。
「キューン、キューン」
かわいい声でツチノコノコは鳴き声を上げた。
「元気になって良かった!もうこんな事はしないから安心して!みんなそろそろ帰ろう」
「そうだね」
帰ろうとした時、ツチノコノコが金色に光る薬草を口から吐き出し小さな小さなツチノコノコ達に与え始めた。
「「「これは・・・金薬草!!!」」」
3人は声を揃えて驚く。
そして1匹の小さな小さなツチノコノコは金薬草を食べずにカガミに金薬草を差し出した。
「くれるって事なんだよね」
カガミは金薬草を受け取りアイテム収納袋に入れた。
こうして金薬草を手に入れたカガミ達はギルドに戻る事にした。
「金薬草って売るといくらになるんだろう・・・妹を苦労させるわけにはいかない・・・」
「金薬草の魔力の残り香に採取した人がツチノコノコってこれって絶対新発見になるよね・・・」
「あーお腹空いた・・・魔力供給の使いすぎなのかな・・・」
さまざまな思考を巡らせカガミ達はギルドの扉を開ける。