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第1章 始まりの刻

私、東雲舞しののめ まいは終電に乗るべく焦っていた。


「はあ、はあ...ま、間に合った」


もはやダンジョンと化した地下の駅構内を猛ダッシュする。


なかなか仕事が終わらず営業から戻って事務仕事にミーティングを終わらせたら、あっという間に終電になってしまった。


24歳、2年目。仕事にも慣れてきたが未だミスが多く部長には毎回叱られ営業ノルマがキツい日々を送っている。


やっと電車に乗って座席が空いていたので勢いよく座る。


うん、今日もよく頑張った私。


しばらくしてうとうとしていると何かにもたれかかっている感覚があった。


「へ、あ!すみません!」

ガバッと頭を下げて謝ると隣から声がした。

「いえいえ、だいぶお疲れのようでしたし大丈夫ですよ」


恐る恐る顔をあげると黒髪の短髪に切れ長の緑の瞳をした顔立ちの整ったイケメンがいた。また黒い手袋もかっこいい。


ただ引っかかったのは彼が黒にブルーのラインが書かれている軍服を着ていたことだった。


この現代日本でこんな軍服を着て終電に乗ってるか?と疑問に思った。


「お気遣いありがとうございます...ちょっとブラック会社に勤めていて毎日終電なんです」

あははと自虐を込めて言ったのだが隣の彼は理解出来ていないようだった。


「すみません。貴方の言っていることが分からないんです」


私が戸惑っていると彼は顔に手をあて何か考えるかのように言った。


「もしかして異世界の方ですか?」


ガタンゴトンガタンゴトンという電車の音が聞こえるのにその言葉はなんだかちぐはぐだった。怖くなって隣の彼にずっと疑問だったことを聞いてみた。


「これ、どこに向かっている電車ですか?」

「ヴィアラッテアですが...」


地下鉄だから外の景色が分からなかった..。


いや、普通途中駅に1度も何故気づかなかったのだろう。


ダメだ...ずっと終電で朝も早く出勤だったから頭がグラグラする...。ヴィアラッテアってどこよ...。


「大丈夫ですか!?」


隣のイケメンの彼がそう叫んだと同時に私は意識を手放し本格的に彼の肩を借り眠りだしたのだった...。


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