序章
あとでかんがえます!
意味が分からなかったよ。いや、俺だけじゃない、多分みんな何が起きたのか理解出来ていなかったと思う。
あの日俺は大学の友達に誘われて「ネクストライン」というオンラインゲームを初めてみたんだ。最初に自分の分身であるキャラクターを作ってさ、職業も決めたんだよ。遠距離攻撃出来る弓使いってやつ。狩人だったかな?まあ、何でもいいや、とりあえず弓使えるやつにしたのよ。楽そうだったしね。
でさ、キャラクターを作って友達が来るのを待ってたんだよ。最初の街に迎えに来てくれるはずだったからさ。
そうして待っていたら突然だよ。デカイ怪物が目の前に現れたんだ。モンスターってやつ。身の丈は5〜6メートルはあったんじゃないかな。手足は無かった。目が体中にいくつもあってドロドロのスライムみたいなやつだった。後で知ったんだけどレベル82もあるやつなんだってさ。初心者がいる街にそんなのが出るわけないんだよ。
でも当時の俺はそんなの知らなかった。あぁ、なんかのイベントかな、なんて気楽に考えてたんだ。周りの連中も同じ気持ちだったんじゃないかな。みんなボーッと見てた。
誰かがそのモンスターに喰われはじめたのを見てさ、やっとみんな逃げ出したんだけど、それでもまだみんなイベントだと思っていたと思うぜ。みんなヘラヘラ笑いながら逃げてたからな。
でもさ、物凄い悲鳴が挙がってみんな異常に気付いたんだ。足を喰わている奴が痛い痛いって言っているんだよ。おかしいだろ。ゲームだぜ?痛みなんてあるわけないんだ。
そこからは地獄だよ。みんな我先に逃げ出して人を押しのけてた。俺も押しのけて逃げたよ。あんただってあの場にいればそうしたはずだ。もう事態は尋常じゃなかった。大騒ぎさ。少しレベルの高い奴らがモンスターに攻撃してたけど無駄だったね。みんな返り討ちさ。
その時だよ、あの桁外れの強さを持つ戦士が現れたのは。