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雪の女王は戦馬と駆ける  作者: 悠井すみれ
12. 狼虎の乱
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沼 イシュテン王の先鋒

 闇の中に、無数とも思えるほど揺らめく小さな炎は敵の数を表していた。夜襲を警戒した篝火、あるいは煮炊きや暖を取るためのものだ。彼のいる場所からは敵の姿までは見えないが、炎の数だけ敵がいると考えて良いだろう。

 無論、必要以上に火を灯して実際以上に兵がいるように見せかけるのは、ありふれてさえいる詭道なのだが――


 ――ハルミンツ侯もそのような小細工はすまい。


 何しろ彼らが相対しているのは遮るもののない平野だ。朝になれば互いの数は知れるのだから、今更数を偽ろうとしても無駄なのだ。ハルミンツ侯の挙兵は無謀、あるいは自棄と呼ばれるべきものだが、自明のことが分からないほど狂っているということもないだろう。

 彼はあの男のことを神経質な小心者として蔑んでいた。狂った寡妃太后(あね)さえ御しきれず持て余しているようだった。そんな男がティグリスを――不具ゆえにまともに馬も乗れない惰弱者を、どうして王に押し上げられるなどと考えたのか。まったくもって理解しがたい。

 大人しくしていれば甥ともども命を全うできただろうに、わざわざ乱を起こして寿命を縮めるとは。愚者が首だけになった姿を思い浮かべて、彼は嘲りと悦びに口元を歪めた。とはいえその愚挙によって、彼は名を上げる機会を得られるのだ。


「戻りましてございます」


 と、敵陣を眺める彼の足元に跪く影がある。斥候に出していた者が帰還したのだ。


「どうだった」

「兵の数は我が方と変わらないようで。明日に備えて鋭気を養っている、といったところかと」

「やはりか」


 先ほどの考えが裏付けられたので、彼は満足して頷いた。そこへ斥候は甘言を囁いて、彼の自尊心を更に膨れ上がらせる。


「数で拮抗している以上、勝敗を分けるのは個の武勇。――殿であれば、必ず賊どもを蹴散らされるものと信じております」

「当然だ」


 嘲りではなく今度は自負のために、彼は笑った。戦いを好み、武功を立てる機会を切望するのはイシュテンの男の性。まして明日の戦いでは、彼は先陣の栄誉を賜っている。こうして敵と相対しているのも、誰よりも先に馬を駆けさせ剣を振るうため。怒りを買ってまで王に強く進言した甲斐があったというものだ。

 王の周囲は、王妃の父であるリカードの一門か、そうでなければ王の遊び仲間の若造どもで固められている。王に彼の力を認めさせて取り入るための、またとない機会を得たのだ。何としても活かさなければならなかった。

 いや、活かしてみせる、と。彼は半ば確信していた。




 彼がそう信じるには理由がある。

 このシャルバールの野は、イシュテンの者にとって特別な名なのだ。百年近くも前の話だが、当時の王がブレンクラーレを破った名誉の地として老若を問わずその名は広く知られている。国としての形を成したばかりで、野盗の集まりと看做(みな)されていたイシュテンが、周辺に名だたる大国を降したのだ。イシュテンが勇名を轟かせ、その名が畏怖を持って語られるようになった契機の戦いは、末代まで語られても当然だろう。


 ティグリスを擁するハルミンツ侯爵が命運を懸けた戦いの場としてこの地を選んだのも、彼にはよく理解できる。

 故事によると、シャルバールの野ではイシュテン王が勝利した。今回の乱でも、勝利した者がイシュテン王となる。現王を討って王位を狙うハルミンツ侯としては、この地での戦いに勝利することで王としては不適格なティグリスに箔をつけようというのだろう。


 ――無駄な浅知恵だ。猫に(ティグリス)の毛皮を着せたところで爪や牙が備わる訳でもなし……!


 真なるイシュテン王の座は、強く猛き者にこそ相応しい。ティグリスのような惰弱者を、戦馬の神が嘉したもうはずがないではないか。

 ファルカス王は必ず戦馬の神の騎手としてイシュテンを掌握するだろう。彼は、逆賊を討った功績を持ってその傍近くに仕えるのだ。


 ――いつまでもリカードに大きな顔をさせてなるものか!




 彼はつい数刻前、王の御前に上がった時のことを思い出していた。型通りに勝利の約束を述べ、王からの激励を受け。そして退出する間際に顔を挙げた時――カーロイ・バラージュの姿を見て、彼は密かに奥歯を軋らせたのだ。

 ほんの子供の癖に古くからの忠臣ででもあるかのように、当然のごとく王の近くに立って。彼が睨んでいるのを気付かないとでも言いたげに涼しい顔をしていた。その少年の存在自体がかれには耐え難く不愉快で目障りだった。


 ――小僧が……!


 カーロイが王の傍にいるのは、ただ父親がリカードについていたからというだけだ。その父親だとて、先のミリアールトの乱では降伏した者を襲って犠牲を増やした失態を犯して死を賜っている。いや、失態などではなく、リカードの命によって王がミリアールトを得るのを妨げようとしたのだと、誰もが口に出さずとも知っている。そのように罪を犯した者の血を引いているにも関わらず、なかったことにできるほどにリカードは権勢を振るっているのだ。

 シャルバールの故事が示す通り、イシュテンの王は力によって定められるべきだ。(はかりごと)を得意とするあの古狸が若い王を抑える現状は、どう考えても間違っている。王の寵愛を傘に大きな顔をしている若造どもも目障りだが、あれらは王に従って戦場に立つだけまだマシだ。


 ――ハルミンツの次は貴様らだ、ティゼンハロムの犬どもめ!


 此度の乱が終われば、王の敵はリカードだけだ。外敵を全て退ければ、王とリカードは相争う。そしてリカードの一派を完全に排した時にこそ、彼の一族が栄える時代が始まるのだ。

 彼にとっては、今回の戦いはそのための第一歩なのだった。




 高揚で眠れぬ夜を過ごし――明け方になってやっと微睡んでいた彼は、兵のざわめきによって起こされた。戦場で朝を迎えたことは数知れないから、馬の(いなな)きや、武器防具の擦れ合う音だけならば不快は感じない。だが、今日に限っては彼の寝覚めは悪かった。

 周囲の喧騒は戦いの前の心地よい緊張感に満ちたものではなかったからだ。どこか戸惑って不安げな、頼りない気配が彼の機嫌を傾けさせる。


 ――大事な戦いの前だというのに……浮き足立ちおって!


 身支度もそこそこに、彼は天幕の外へ踏み出した。兵たちを叱りつけようとしたのだ。


「何事だ――!?」


 しかし、張り上げたつもりの声は、言い切ることができずに立ち消える。


「何だ……何が起きたのだ……?」


 呆然と呟いたのは、誰の声か。もしかしたら彼自身のものだったろうか。とにかく、その区別もつかないほどに、彼は眼前の光景に目を奪われていた。


 彼がいるのは、シャルバールの野。イシュテンが勝利を収めた逸話の通り、かつて数千の騎馬が駆けた地だ。であるからには、馬の蹄を受け止める硬い大地がなければならない。事実昨日までは確かに――秋風に萎びかけていたとはいえ――見渡す限り青い草原が広がっていた。だが、今彼らの前にあるのは。彼らと敵軍とを分けるのは。


 一面の沼、だった。


 わずかに水面から覗く草葉の先は、まるで溺れて喘いでいるかのよう。もちろん昨晩雨が降ったなどということもなく、彼らの陣地は乾いている。ただ、大量の水がどこからか現れて草原を沼地に変えたというだけ。しかし水がどこから現れたかが全く分からない。


「――キレンツ河の堤を切ったようです」

「小僧……バラージュ!」


 頭上から振る声に我に返り――毛嫌いしている子供に見下ろされているのと分かって彼は顔を顰めた。いつの間にか、騎乗したカーロイ・バラージュが彼の傍に寄っていたのだ。騎影が視界を翳らすのにも気付かないほどに自失していた、その迂闊さに歯噛みしつつ、それでも告げられた言葉に周辺の地理を思い起こす。


「キレンツ河……確かにさほど離れてはいないか……!」


 少年が口にしたのは、ブレンクラーレからイシュテンへと注ぐ大河の名だった。確かにあの規模の河ならば、草原を水浸しにするくらいの水量は優にあるはず。河が干上がらぬよう、畑などを侵さぬよう、簡易なものでも水路を作ってやればこの地へ水を導くこともできるだろう。


「神聖な地を泥で汚すとは……!」


 そうと悟ると同時に込み上げるのは、煮え立つような激しい怒りだった。


 即席の沼地の向こうの敵軍は、悠然と構えて動く気配がない。彼らに足場の悪い水場を行かせて、体力と機動力を奪おうというのだろう。父祖の大勝の地を汚してまでの卑劣な小細工、いかにもハルミンツ侯の考えそうなことだ。


「これも挑発の一環と、陛下はお考えです。水場を渡る最中に伏兵が現れるのかも――」

「ならば返り討ちにしてやろう!」


 少年が訴えるのを、彼は大声で遮った。遥かに年下の子供に見下ろされるのも、賢しらに忠告されるのも、彼の怒りに火を注いだ。息を呑んだカーロイにはもはや構わず、周囲の兵へ高く命じる。


「小細工に怯むな! 嵐の中を進んだこともある貴様らではないか! 単に地面が濡れているというだけのこと、この程度で脚を止めたりなどはしないな!?」


 自失していた兵どもが、彼の檄で我に返ったように動き出す。望んだ通りのきびきびとした働きを見て、やっと彼の気分も上向き高揚を取り戻していく。

 馬上のカーロイが狼狽えたように辺りを見渡すのが愉快なほどだった。子供が何を喚こうと無駄なのだ。彼の兵は彼の命に従うだろう。


「お待ちください! 陛下は待てとの仰せです!」

「怯懦の謗りは王の怒りよりも恐ろしい!」


 怒鳴りつけると、カーロイは口を半ば開いたまま絶句した。その間抜けな姿を小気味よく眺め、彼は顎を反らして笑う。


「お叱りはティグリスめの首を挙げた後で受けよう。武功を持って独断の咎は帳消しにしてくれる! 臆病者め、貴様はここで見ていれば良い!」


 臆病者の一言に、少年の頬に朱が上った。その手が腰の剣に伸びかけ――しかし、さすがに思いとどまったのだろう、拳の形に握られた。


「――陛下にご報告します」


 カーロイは短く告げると馬首を巡らせ、背を向けて駆け去った。後方に控える王へ注進に行くのだろう。――が、遅い。王は怒るだろうが、動き出した軍を後ろから止めることなどできるものか。


 ――王の剣が届く前にティグリスの首を刎ねてやれ!


 カーロイのような慎重さ――否、臆病風など無駄だったと証明してやれば良い。動かしがたい手柄を見れば、王も彼を罰する訳にはいかなくなるだろう。

 従者に手伝われて重い鎧をまといながら、彼は既に血の気配に酔っていた。




 馬の蹄が高く水音を響かせる。脚が地を蹴る度に泥にめり込み、引き抜く際には粘りつくような不快な感触が騎手にも伝わる。乾いた大地を駆けるのとは違って爽快感は薄く、蹄が蹴り上げた泥が腰の辺りまで汚すのも不快だった。


「速度を落とすな! 矢の的になるぞ!」

「はっ!」


 泥に塗れながらも、彼は先頭を駆けて麾下の兵を鼓舞した。(かれ)に答える声も意気軒昂、戦意に満ちたもの。誰ひとり怯む者などいなかった。背後に感じる頼もしい気迫に、彼の頬もわずかながら緩む。


 ――どうだ。小細工など無駄なのだ。


 沼地の出現に自失したのも束の間のこと、仕掛けが分かれば兵たちも彼の怒りに同調した。王を決める戦いは、堂々としたものでなければ、それぞれの陣営が戴く者の武勇を競うものでなければならない。イシュテンが大勝を収めたこの地を決戦の場に選んだのも、その意思表示だと誰もが信じて疑わなかった。

 そこへきてこの卑劣な所業だ。道中に繰り返された襲撃と相まって、ハルミンツ侯の陣営への怒りも苛立ちも頂点に達したのだ。


 彼我の距離を半分ほど詰めてなお、ハルミンツ侯の軍は動かない。あくまでも彼らを疲弊させようというのか。

 敵軍の先頭に、ただひとり馬に横乗りした騎手を認めて、彼の血は滾った。一際目立つ豪華な鎧に、何よりも馬の乗り方で正体が知れる。男の癖に女のようにしか馬に乗ることができないのは、不具の脚のために違いない。ティグリスが、すぐ目の前にいるのだ。


「隠れないだけの度胸はあったか! その勇気に報いてやろう!」


 叫ぶなり、彼は馬を一層早く駆けさせた。背後の空気の流れで、兵たちも倣ったと分かる。対面を気にしたのか自身の運を過信しているのかは知らないが、討つべき乱の将が姿を見せているのだ。こちらの士気を上げてくれたことに感謝すらしたいくらいだ。


「急げ! 勝利は目ぜ――」


 一際高く、遠くへと馬を跳ねさせる。飛沫を上げて着水し、また次の跳躍へと構えた時だった。彼の視界ががくりと揺れた。ティグリスの姿が横倒しになり、次いで青空が目に映る。馬から投げ出された、と気付いたのは泥に叩きつけられたのと同時だった。


「な、何だ……!?」

「避けろ!」


 後続の騎馬の蹄が顔の脇を通り、彼は身を竦ませた。波のように跳ね上げられる泥が目に入るのを防ごうと腕を掲げる。その間にも鎧にその下の衣服に水が染み込み不快な感触が肌に貼り付く。


 ――何という失態……!


 恥辱に魂が灼き切れる思いで、泥濘の中を這う。立ち上がって再び愛馬に跨ろうと思っても、味方に踏み躙られることを恐れてまともに動くことができなかった。


「危な――」


 また一騎、彼を避けようとした者が無理に方向を変え――そして彼の眼前で、無様に馬ごと泥に転げる。


「なに……」


 地に這うような姿勢のために、彼には一部始終がよく見えた。顔を庇うのも忘れて、頭から泥水をかぶったのも最早大したことではなかった。


 その馬の脚は、半ばまで水に沈んでいたのだ。


 無論、河の堤を無造作に切って平野に流しただけで、そのような深さが生まれるはずがない。彼だとて、いくら足場の悪い場所走らせていたとはいえ、ぬかるみに馬脚を取られるほどお粗末な腕はしていない。

 ならば、考えられることは一つ。


 ――あらかじめ、穴を掘っていたのか!


 彼の閃きを裏付けるかのように、周囲では、そしてわずかながら先へ駆けていた者たちも、次々と転倒していた。脚を折ったのだろう、馬の悲鳴が耳をつく。暴れる馬に蹴られ、押しつぶされる人の叫びや肉が潰れ骨が砕ける音も。

 逸って速度を上げていたからこそ、麾下の騎馬は次々と脚を取られて泥に沈もうとしていた。


「なぜ気づかなかった……何のための斥候だ……!?」


 喘ぎながら、彼は自身の言葉の無益さをよく知っていた。

 彼らは平野の中央を駆け抜けようとして罠に嵌った。反面、斥候どもが堂々と目立つところを通るはずがない。


 ――全て、このためだったのか……。


 度重なる奇襲も、この地を戦場に選んだことも。ティグリスが姿を見せたことさえ、周到に用意された罠だった。彼らの理性を失わせ真っ直ぐに死地へと飛び込ませるための。


「誰か……動ける馬はいないのか……!」


 イシュテンの軍は強いと信じていた。しかし今は。周囲を見渡して目に入るのは泥の中でもがく傷ついた馬と、汚れきって途方に暮れた人間だけ。脚を封じられると、騎馬はこんなにも脆く弱かった。


 ――こんなところで……!



 悔しさと怒りと屈辱に歯ぎしりし、今となっては遥かな敵陣を睨む。彼らを馬から引きずり下ろしておいたところで、踏み躙りに動き出すのだろうと思ったのだ。


 だがその予想は裏切られた。ティグリスと思しき横乗りの騎手が、片腕を掲げる。すると、周辺の兵が一斉に弓を構える。


「おのれ……」


 唇から漏れた言葉は、絶望に塗れていた。死を悟ったからではなく、戦って死ねないことへの絶望だ。騎兵と、馬を失った彼と。不利は歴然としてはいても、最期まで剣を握って死ぬもの思っていたのに。彼にはそれすら許されないのだ。

 罠に掛けられ矢の的となって死ぬ――これではまるで狩りの獲物となる獣ではないか。


 ――こんなことは、おかしい! こんなものを戦いとは認めない!


 激しい怒りに任せて、彼は剣を引き抜いた。全身が泥に塗れた中で、白刃だけが眩く陽光を映して目を射った。


「卑怯者め! ここまで来る者はいないのか!?」


 虚しさは百も承知の遠吠えだった。そもそも敵の耳に届くかどうかさえ怪しい。それでも叫ばずにはいられなかった。勝ち負けなどではなく――このような状況は絶対におかしい、としか思えなかったのだ。


 ティグリスらしき者が、掲げた腕を振り下ろす。それが契機だった。射手たちが弦から指を離し、無数の矢が虹のような弧を描いて空へ放たれた。それを睨む彼の目には、迫り来る矢尻の切っ先さえはっきりと見えるようだった。


 雨のように注ぐ矢の向こう側。近いと思っていたティグリスの姿ははるか手の届かない位置にある。それは生と死との距離だった。


 それでも、絶対の距離を経てもなお、彼にはティグリスの顔が見える気がした。

 泥に塗れ地を這って。無意味に吠える彼らを嘲り、それは愉しそうに高らかに笑う姿が。

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