6/6
唄
「この神社でかごめをしてはいけない…これは言い伝えの一部でしかないの」
「一部?」
「そう。元々、ここにはあまり近づかないほうがいいって言われていたでしょ?」
「うん」
「それは間違ってもかごめを境内でやらせないため。じゃあなんでほかの遊びは大丈夫なのかわかる?」
「わかんない」
即答した僕を彼女は呆れたように見返して、ため息をついた。
「少しは考えてみなよ……」
「うーん……」
腕を組んで自分なりに考えてみるけど、何も思いつかない。
そう言うと、彼女は面白そうに微笑みながら答えを教えてくれた。
「これはわたしなりの答えだけどね、歌が関係していると思うの」
「歌?」
「正確には“唄”ね」
良く分からない。彼女が言いたいことが全く分からない。唄がどう関係しているんだろう。