第六話 街を見て回ろう
小出し小出しで書いていきます
思わぬ邪魔が入ったせいで、街に着くのが遅れた。
ここは、トリアの中でも、多くの商品が流通している市場だ。
食べ物、装備、魔術の本、などなど・・・なんでもある。
早速、俺は武器屋に向かった。
「おぉぉ・・・本物の剣だ・・・」
そこには、ずらっと、さまざまな形の剣が。
男なら無条件でテンションが上がってしまう光景だ。
「すみません!これ、ちょっと持ってみてもいいですか?」
「ん?ああいいよ。」
ありがとう、おっちゃん。
「お・・・重いな。」
「ははっ、そうかい。そいつは子供には扱えないだろうな。」
うぅ・・・一応鍛えてはいるんだが・・・
「お前が扱えるのは・・・っと。これとか、どうだい?」
おっちゃんは、1回り小さな、鉄の剣を持ってきた。
「あ、これくらいなら使えそうです。」
試しに、鉄の剣を振ってみる。
すると、真空斬が、おっちゃん目掛けて飛んでいった。
あ・・・
おっちゃんの髪の毛がスパッと切り取られる。
おぉ、さすが、鉄の剣。木刀とは切れ味が違うな。
「・・・」
ご、ごめんよ、おっちゃん
俺は、鉄の剣を置き、逃げるように店から出た。
き、気を取り直して、防具屋に行こう!
しかし、残念なことに、防具屋に子供用の鎧は無かった。
「子供用の鎧は、オーダーメイドなんだよね。」
・・・残念。
よ、よし、次だ
次は、魔術関係の店だ
ローブを纏った老婆が経営している店だ
・・・うん、いかにもな感じだな。
あ、魔術の本がある。これさえあれば、俺も魔術を使えるんだが・・・
(立ち読みとか・・・出来ないのかな。)
ふと、振り返ってみると、ばあちゃんの鋭い眼光が俺を捕らえていた。
怖ぇぇぇえええっ!
立ち読みはいけないよな。うん。
俺は、店の中を見渡してみる
(本以外にも、色々あるんだな・・・)
そこには、ツボや、カード。そして、不思議な色の玉があった。
「すみません。この玉は何ですか?」
「・・・ごにょ、ぉ・・・・ぅぉ・・・」
声、ちっちゃ!!!!
頑張って聞き取った結果、この玉は、魔術の素質をある程度測れるらしい。
「・・・にょ、・・・ごにょにょ」
試しに使ってみても良い、と言っている。・・・多分。
「じゃあ、遠慮なく・・・」
玉を手に持ってみる。
そして、老婆曰く、念じると結果が分かるらしい。
「・・・むむっ」
それっぽく念じてみる。・・・すると
パリィィィィン
あ、割れた
「・・・・・!!!」
ばあちゃんの目がカッと開かれる。ヒィィッ!!!
「ご、ごめっ・・・ごめんなさぃぃぃぃ!!!」
慌てて店を飛び出す。な、なんだったんだ!?
「はぁ・・・なんか、あまり休日を満喫できてない気がする・・・」
今日は散々な日だ・・・
金持ちに喧嘩売られるし。おっちゃんの大事な髪の毛切っちゃうし。
店のもの壊しちゃうし・・・。
普通にライナと修行してたほうがよかったかもな・・・
家に帰ると、庭にライナが居た。
「レインの奴・・・まだかなぁ・・・」
そう言いながら、人差し指で土をいじっていた。
今日は、お互い微妙な一日だったようだ。
みんな成長系主人公より、チート系主人公のほうが好きなのかな。