第二話 学校に行きたい
物語が進むまでは、少しずつ書いていきます。
夜
「なぁ、レインー。今日は一緒に寝ようじゃないか!」
ライナが絡んでくる。
「嫌ですよ。ていうか母さん、仕事は?」
「今日は休みなんだ、いいだろ?」
そう言って、後ろから抱き付いてくる。・・・鬱陶しい。
胸の大きい女性と、同じ布団で寝る・・・素晴らしいイベントだ。
だがしかし、ライナはものすごく寝相が悪い。
前に一度、一緒に寝たことがあるが、ライナは、寝返りの度に
俺を布団から蹴り出すのだ。
・・・現役の兵士の蹴りは、痛い。
それ以来、俺はライナと一緒に寝ないことにしている。
「そうか・・・話には聞いていたが、これが思春期というやつか・・・」
まぁ、そういうことにしておこう
翌朝、日課である素振りを終え、ライナと打ち込みだ。
俺が、疾風斬を習得したことによって、たまにではあるが、
俺の木刀がヒットするようになった。・・・でもやっぱり。
「うわぁぁぁぁあああああ!?」
俺の体は宙を舞う。
剣技の初歩、迎撃の型だ。
これは、相手の感情の動きを読み、カウンターを決める技だ。
疾風斬より習得は難しいらしい。
「まぁ、この技ばっかりは実戦経験が物を言うからな。」
これを使われたら、俺は手も足も出ない。
「うぅ・・・」
ちなみに、同じく初歩の剣技である
真空斬・・・これは難なく習得した。
真空斬は、剣を振った時に生じる風圧で
遠くのものを攻撃する技だ。
・・・にわかには信じがたい技だったが
案外簡単に出せた。割とマジに全力で振ったら出た。いや本当に。
とはいえ、威力は微妙だ。木の枝が折れるくらい。しょぼい。
ライナ曰く、極めれば、岩をも砕く。・・・らしい。
早く、もっと強くならないと。
国の掟で、13歳になるまで外の世界に出てはいけないと定められている。
それはどこの国も同じだ。だがそれだけではない。
12歳になると、「学校」に入学することが出来る。
この学校では、身を守るための体術や魔術を教わることが出来る。
そして、一年間学校で学んだものが、晴れて外の世界に出られるのである。
レインは12歳だ。あと3ヵ月で入学期間もやってくる。
レインは、それが楽しみでならない。
「早く魔術を使ってみたいな・・・」
彼は剣術だけでなく、魔術にも興味があるのだ。
街にある店を見てみると、魔術の本が並んでいる。
これを片手に何度も練習をすれば出来るようになるのだろうが・・・
「でも、うち、お金ないからなぁ・・・」
そう、貧乏なのだ。ライナの仕事は護衛だ。護衛の仕事の給料は高めだ。
それでも、魔術の本というのは高額なので、手が届かないのだ。
そんな訳で、レインは一年間、魔術を我慢してきた。
「早く行きたいなぁ・・・学校。」
学校へ行き、外の世界を旅する・・・そして
「早く俺の体質について調べないといけないんだ・・・」
彼には、愛という感情が無い。そしてもう一つ大きな問題を抱えている。
それは、一週間に一度起きる、発作のようなものだ。
原因は分からない。
発作が起きるのは、明日だ。明日に備えて寝よう。
翌朝、俺は床に横たわっていた。ベッドの上にはライナが居る。
ライナが、俺の布団に勝手に入ったらしい。
そして俺を蹴飛ばしたと・・・ほぅ・・・
腹が立ったので、揉んだ。