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Mr.NO-GOOD´  作者: 慎之介
第六章:啓示の救世主編
67/106

一話

よっこいしょっと……。


ふ~……。


俺は頑張ったよ。


そうだろう? ジジィ?


『やはり、人間にしては、お前は強靭だと思うんじゃが……』


それじゃあ、駄目だ!


Aランクの攻撃でも耐えられる身体が……必要なんだ!


『あれか?』


何?


『お前は、人間をやめようとしておるのか?』


誰が化け物だ!


『お前は会話をする気が無いのか? それとも頭がおかしいのか?』


どちらかと言えば、前者かな?


後者はジジィの事じゃんか~。


『魔力は十分すぎるほど補充できた。一晩中頭の中で説教されるのと、子守唄を歌われるのどっちがいいかのぉ?』


ごめんなさい。言い過ぎました。


勘弁して下さい。クソジジィ。


『よし! 子守唄じゃ! 安眠させてやるぞ、クソガキ!』


そんな野太い声で歌われたら、眠れるか!


謝ったじゃんか!


虐めよくない!


てか、フラグを立てたはずの三人+一人から、ぼこられた俺に優しくしなさいよっ!


『……そう……じゃな』


そこで同情するな!


目から心の汗が浸み出すから!


本当に……。


やってらんね~……。


「……あの……お前は亜人種との混血か?」


なんだ? こいつは記憶力ないのか?


「一昨日言っただろ、スケオキ。生粋の人間だぞ?」


「じゃあ、何故お前に暴行を加えていた四人が疲弊しているのに、お前はピンピンしているんだ?」


「慣れてるからだ」


自分で言って泣きそうだ……。


「慣れる!? お前はどういう生活を……」


「それより、お前はなんで普通に話しかけてきてるんだ? 俺は……」


「花梨から全て聞いた……。私は感謝事すれ、お前を憎みも怨みもしていないぞ」


「ふ~……。余計な事を……」


「お前はほんに不器用じゃな」


「ほっといてくれ。……それより、ここに来たのはお前らだけか?」


「そうじゃ。他の者は怪我の治療をしてもらっておるはずじゃ」


「そうか……」


「心配せずとも死者はおらん。それに異国から招いた客人が魔法とやらで、他の者達を治療してくれている」


ん?


「あの……アサヒ?」


「なんじゃ?」


「この国鎖国してたんだよな? なんで異国から客が来るんだ?」


「輔沖殿は、異国との交流も進めておったのじゃ」


「以前から、この国へ入国させてほしいと言っていた国があってな。本来なら最短でも一週間先に、入国をする予定だったんだが……」


ふ~ん……。


まぁ、俺には関係ないか。


死人もいないそうだし、魔法で回復できるなら問題ないな。


でも、回復なんて高等な魔法を使える国か……。


この文明の遅れた国を、侵略でもしに来たのか?


う~ん……。


面倒だし、それはいいか……。


スケオキとアサヒは、頭悪くないようだしな。


何とかするだろう……。


それよりも……。


「知られたら仕方ないが……。俺の罪状はどうするつもりだ?」


「何を言っている? お前は国を救ったのだぞ!?」


「ふ~……。お前は馬鹿か?」


「なっ!? 何故私を侮辱するのだ!」


「お前の信念は平等だろうが。俺は罪を軽減されても、暴行した人数が洒落になってないだろうが……」


「しかし……」


「輔沖殿……。レイはこれから国の采配を、貴方様がとると考えておるじゃ。だからこそ、ここで例外を作るべきではないと言っておる」


「分かっている! 分かっているが……」


「出来れば、死刑は勘弁しろよ? 流石に抵抗するからな! ただ、それ以外なら甘んじて受けてやるよ」


「お前は……」


そんな目で見るな。


キモイから……。


あっ! アカネ達が……。


「レイよ。姉上達が回復したようじゃ。素直に謝ってくるがいい。ここでしこりを残すのも面白くなかろう」


分かってるよ。


しかし、アサヒはお節介な性格なんだなぁ。


素直に聞いておくか……。


「まあ、そうだな」


****


あれ?


なんか四人とも俺を睨んでない?


「何故、お前が一番元気なのだ?」


「私の涙……返して下さい……」


「まだ、全然気が済んでないんですけど~?」


「もう、撫でてくれても許さない……」


あれ?


あの! ちょ! これ!


フルボッコタイム……リターンズ……。


きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


やめて、やめて、やめて!


痛いから!


俺は再び、亀のように丸まった。


でもまぁ……。


キリングシスターズよりはマシか……。


あいつらにこれやった時点で、致命傷を負わされるだろうから……。


「お前の姉妹は……聞いていたのと何か……」


「レイのせいじゃろうな」


「まぁ、あいつが悪いんだろうが……」


「そうではない。レイは、人の心を自由にする才能があるのじゃろう」


「自由?」


「そうじゃ。輔沖殿もあの口数の少ない男と話す……一緒にいるのがとても楽ではなかったか?」


「そう……だな」


「レイと話し、見ておると人は心を自由にされると感じた。自分が抱えておる暗い部分を吸い取ってくれるような、不思議な御仁じゃ」


「レイは、お前の姉妹を重圧から解放し、只の女性に戻してしまったのか」


「そう言う事なんじゃろう。レイ自身がそれに気が付けば、側室が三ケタになるかもしれんな」


「確かにあれだけ人を引き付ける奴も珍しいな……」


「私も、輔沖殿と出会う前にレイに会っていれば、あのようになったやも知れん」


「朝比!?」


「心配せずとも、今までもこれからも私は輔沖殿のものじゃ。出会っていなければと、言ったであろう?」


「そうか……下衆な勘ぐりだったな。しかし……」


「そうじゃな……。自由にさせすぎて……」


「あの四人はレイが死ぬまで殴るつもりか?」


「……愛情の裏返しもあそこまで行くと……拷問じゃな」


そう思うなら、助けなさいよ~!


結構……いや! かなり痛いんだぞ!


下手したら死ぬんじゃないか? って、くらい殴られてるんだぞ!


そして……。


四人の精根が尽きるまで……。


俺は頑張った!


俺は、やればできる子だ!


「いいか! 二度とするな!」


「そうよ! 次はもっと酷いんだから!」


「もう、二度と私に手をあげさせないで下さい! いいですね!?」


「私も……次は全力出すから……」


最悪だ。こいつら……。


「返事は?」


「……へ~い」


痛い痛い痛い。


「返事は?」


「……はい」


「はぁ~……。疲れた」


やっと気が済んだか……。


まさか、ここまで嫌われるとは……。


『……不憫じゃ』


もう、慣れた……。


「レイよ。少しいいか?」


「んっ? ああ……」


「お前の罪についてだが……。平等に考えて、二案がある。好きな方を選ぶくらいは……国民も許してくれるだろう」


「んっ? それはいいが、お前一人の判断でいいのか? ツナヨシとサダタケは……」


「それならば、既に話が済んでおる。父上亡き後は、この輔沖殿が、正式にこの国の帝になる予定じゃ」


「そうか……。で? 二案ってのは?」


「今後私のもとで守護として働き、罪を償うか……。国外追放だ。出来れば、私に力を貸してほしい」


なるほど……。


罪を償うか、不問にする代わりに国を追いだす……。


『まぁ、妥当じゃな。国を救ったが、怪我人を出し過ぎたからのぉ』


だな……。


「この国ならば、正式な嫁以外に側室を持つ事も許されている。お前にはいいと思うが」


いや……。


ヒロイン全員に嫌われてるんだけど……。


ソクシツってあれだろ? 愛人さんだろ?


確かにそれは嬉しいけど……。


相手がいないんじゃなぁ~……。


「それに、この国はお前が行った事がないと言っていた、夜の店も充実しているぞ? 吉山と言う町は、町が丸ごとそう言う店でな……」


マジでか!?


俺~、そこに住みたい。


「やはり、レイは私が見たとおり女が嫌いではないようじゃな」


「お前が俺の家臣になってくれるなら、無償で遊べるように計らってもいいぞ?」


ちょ! マジでか!?


「おっ! 考えてくれるか?」


魅力的だ!


あまりにも魅力的……。


どうする?


いや! やはり……。


『そうじゃな。国外に……』


ここに残ろう!


そうすれば、遊びたい放題だ!


イッツパァァァァァァァァァァラダイス!


『お前が、馬鹿な事を忘れておった……』


誰が馬鹿だ!


ここに残れば、俺の夢がかなうんだぞ!


迷う事は無いだろう!


*****


「じゃあ……俺、ここに残ろ……」


あれ?


ちょ! あれ?


なんで?


『……もう、運命じゃ。受け入れて、諦めろ』


「何? あんた夜のお店に行きたいからって、残ろうとしてるの?」


「八か月も必死で探したのに、これですかぁ……」


「馬鹿は死なんと治らんらしい……」


やらせんよぉぉぉぉぉぉぉ!


三十六計逃げるが勝ち!


てかぁぁぁぁぁぁぁぁ!


なんで?


なんでメアリー達がここにいるの!?


こぉぉぉぉぉろぉぉぉぉぉぉぉさぁぁぁぁぁぁぁれぇぇぇぇぇぇぇぇるぅぅぅぅぅぅ!!


「あの……ゴルバ殿これは?」


「我らが入国を急いだのは、レイを捜すためだった。もちろん外交の取り次ぎも、正式に行うが……」


「では、レイの話しておった仲間とは……」


「ああ、俺達だ。しかし、あいつは全く変わらんな……」


「あ……掴まった。本当に奴は誰の心でも、自由にしてしまうんだな」


「そうだな……。本当に器に底が見えん奴だ……」


「あれは……刺されておらんか?」


「何時もの事だ。気にするな……」


「それで、慣れているか……。あいつは本当に不器用だな」


「そうじゃな。勉強が出来るのに仕事出来んような……」


「それは違う。奴は……勉強も仕事もできるが、馬鹿なだけだ」


「それは……結局ただの馬鹿ではないのか? 悪口に聞こえるが?」


その指摘に、ゴルバは目を見開いて固まる。


「あ……あれは腕が折れておらぬか?」


「ゴルバ殿……そんな固まるほど驚かれる事を、私は言ったのか?」


「いや、すまない。褒めようとしたんだが……」


「本当に変わった奴だ……」


「ゴルバ殿? 助けなくてもいいのか? 血が噴水のようになっておるが……」


「……いい。……と言うよりも、今のあの三人は止められない」


助けなさいよ!


殺されそうになってるから!


一応、主人が殺されかけてるから!


てか、人が聞いてないと思って、馬鹿って言いやがったな! このバカ犬!


この日、久し振りにおじいちゃん? とおばあちゃん? ……だと思う人にお花畑で会いました~。


もう嫌だ~……。


頑なに、女で俺を殺そうとしてくる~!


死ねよ。神様……。


****


それから、色々あったが一週間ほど滞在してジパングを後にする事になった。


ジパングは、スケオキが帝になって治めるそうだ。


東を亜人種と亜人種に抵抗が無い人間で、西は亜人種を受け入れられない人間で分けて、時間をかけて溝を埋めて行くんだそうだ。


アカネ、ミスズ、コトネ、カリンが何故か残れと言ってきた。


あれだけボコボコにされて、誰が残るか!


俺は、俺の命を脅かさない嫁を捜しに行くんだ!


これが、ジパングでの思い出です。


何だよ! これ!


ふっ……ざけんなぁぁぁぁぁぁ!


終盤がボロボロじゃないか!


ああ……。


もう……。


やってらんね~……。

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